「弥生会計」を用いた記帳指導、無料でも至れり尽くせり…
最寄りの税務署による「会計ソフトによる青色申告の記帳指導」という説明会に参加してみた。
税務署といっても、指導を実際に行うのは地元の青色申告会という税理士の組織の方(多分、税理士)で、税務署からの受託業務としてこの指導を我々のような希望者に行ってくれるというもの。
(関連記事: 会計ソフトによる青色申告の記帳指導【予約編】)
最初の挨拶や前振りの際に、次回の日程(候補日)のリストも配布されたのだが、初回を受講しない人には2回目の日程は教えてはいけないと税務署から言われているので…と良く分からない理由を述べつつ申し訳なさそうに説明してくれたのが少し可笑しかった。
予約までの段階では、本日は会計ソフト(「弥生会計」)のインストールなど、準備段階で実際の経理会計データの入力までは行わないのかと思っていたのだが、実際にはそのような説明は行われず、早速仕分けデータの入力なども行った。
「なーんだ、結構まともじゃん…」等と思いつつ、2時間の予定時間は意外に速く過ぎていき、弥生会計によるハンズオンとも併せ、結構役に立ちそうなセミナーだと感じた。
(実際の指導時間は20分ほど早く終わったが、この内容ならまぁ許容範囲)
資料も以下のように色々と多くあり、無料の指導にしては至れり尽くせりというか、申し分ないものだった。
- 所得税のしくみ/記帳や帳簿等保存・青色申告(税務署の標準的なチラシ)
- 消費税のしくみ(税務署の標準的なチラシ)
- 導入講義 (地元の青色申告会が作成したPowerPoint資料)
- 青色申告者のためのやさしい複式簿記 ~記帳・決算編~ (全国青色申告会総連合・編)
- 弥生会計14 青色申告決算書作成コーステキスト
- 弥生会計14 体験版CD-ROM【青色申告決学習用→来年3月末まで無料で使用可】
これだけの内容のすべてを説明するには、2時間では当然足りない。
ということで、本日は基本的な操作や仕分けデータ入力の仕方などを指導してくれ、次の2回目で減価償却や家事按分などの入力などを教えてくれるとのことだった。
太陽光発電の事業者としては、減価償却はきちんと計上しなければならないし、青色申告を行う目的である、グリーン投資減税のメリットを享受するためにも、次回と3回目(最終回)までしっかりと受講したい。
青色申告特別控除の条件は、申告期限内の書類提出
ちなみに、筆者はこれまでの確定申告では申告の期限までに間に合わず、遅れて申告書類を提出したこともあったのだが、青色申告のメリットの一つ「青色申告特別控除」を受けるためには、は損益計算書と貸借対照表を添付した申告書を申告期限内に提出することが条件なのである。
この点を確認できただけでも、今日の青色申告の記帳指導を受講した甲斐があったと言えるが、とにかくこの種の無料のガイダンスは受けて損は無いと感じる。
ある意味、体制側の言いなりみたいな面もあり、ちょっと癪に障る気もするのだが、太陽光発電の事業投資は額が大きいので数十万、グリーン投資減税のメリットまで入れれば下手をすると百万単位で節税できるとなれば、面倒でも青色申告をしない手は無い。
2回目の記帳指導は11月の中旬で今日早速予約させて頂いた。それまでの間に、少しずつ溜まった領収書の入力を行っていくなどして、次回に備えたい。
2回目の記帳指導、家事按分や減価償却など細かい所までカバー
ほぼ2カ月後のとある日、「会計ソフトによる青色申告の記帳指導」(地元の青色申告会主催)2回目に参加した。
2か月前の前回からかなり間が空いてしまったこと、それに結局税金関係ではまだ何も手を付けていないこともあり、今回の記帳指導も受け身となってしまったが、これを受講しないと3度目の受講が出来なくなるので、しっかりと受講させてもらった。
3度目の受講では、実際に会計ソフト(弥生会計)を用いて会計・経理データを入力し、それを税理士の先生に見て頂いて色々と記帳のやり方を指導して頂けることになっており、3回の記帳指導では恐らく最も重要なステップになる訳である。だから、内容的には大したことが無かったとしても、1回目と2回目も受講しておかなければならない。
その2回目の今回の記帳指導、前回より若干難易度が上がり、家事按分や減価償却の会計データ入力なども教えてくれた。
家事按分というのは、個人事業主(場合によっては、家族経営の中小企業や零細企業も?)に特有の経理会計の勘定科目だが、要するになんらかの経費の項目でその何割を仕事に使い、残りの何割を仕事以外や家事のために使ったかということ。
自宅を事業の拠点としても使用している筆者の場合、家事按分の対象となる経費は、家賃、電気、ガス等の光熱費や水道料、電話やネット接続料などの通信費などだ。これまでにも確定申告ではこの家事按分を行っていたが、今年は青色申告ということでより詳細かつ正確に記帳し、申告することになる。
減価償却、産業用太陽光発電の法定耐用年数は?
減価償却については、以前にも書いた通りで太陽光発電事業では当然、太陽光発電システム自体が減価償却を行う対象の資産として計上されるので、必ず良く理解して記帳に反映させなければならない。
その減価償却では、それぞれの資産の法定耐用年数をまず知らなくてはならない。
昨日の指導の場では、各資産の耐用年数は税務署に聞いてくださいということだったが、ネットで調べてみると太陽光発電は住宅用(10kW未満)と事業用(10kW以上)で耐用年数が異なり、それぞれ9年と17年と決まっているようだ。
したがって、筆者も含め事業用太陽光発電システムは資産の取得後、17年かけて減価償却を行うことになる(グリーン投資減税の一括償却の適用はせず、税額控除を選択する前提)。
例えば、太陽光発電システムの価格が1700万円だとすると、1年当たりの減価償却費は1700万円÷17=100万円となる。1年毎に100万円ずつ損金として1700万円の資産価値から減価させていき、18年目以降は太陽光発電システムの税務上の資産価値はゼロになるということだ(多分…)。
この辺、固定価格買取制度が20年あることを考えると、少々不思議な気もするのだが、18年目以降には資産価値がゼロの太陽光発電システムから毎月または毎年売電収入が発生するのである。
ともかく、基礎的なやり方は今回の記帳指導で教えて頂いたので、あとは実際の会計データをひたすら入力していきつつ、とにかく次回(1月のいつか)までに今年分の記帳をほぼ終えていなければならない。
1月の記帳指導は、まだ日程が決まっておらず(税理士の先生も誰になるか決まっていないらしい)、改めて郵送で知らせてくれるそうだ。岡山での作業などもあるのだが、そろそろ青色申告の作業にもマジで取り掛からなければ…
コメント
ソーラーの減価償却 事業用のものは17年だではないのでしょうか?
細かい話ですが、資産は0にはなりません。最終的には1円になります。
ちなみに家庭用のものは、償却資産税の対象外となっています。
ご確認をお願いしまう。
蛇野様が書かれているように、償却資産で耐用年数は17年です。また、償却方法には定額制と定率性があります。一般に企業は定率が多いですね。これは選択制ですから、自分の事業形態に合わせて選択できます。
消費税が問題ですね。課税業者を選択し、還付を受けるのが普通でしょう。そして、三年後に免税業者に変更が一般的です。
ですから、預かり消費税は初めはかなりの額が納税になります。