ソーラーフロンティアをナメるな!

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化合物系太陽電池の雄、低コスト化で中国勢に対抗

ソーラーフロンティアが頑張っている。

昨19日付のブルームバーグのニュースによると、ソーラーフロンティアは太陽光パネルの製造コストを2年以内に2割削減し、現在の50セント強/Wから40セント/W程度まで削減するという方針を明らかにした:

国内の太陽電池メーカーはトリナソーラーやカナディアンソーラーといった中国勢と比べると高コストで不利な訳だが、40セント/W台まで下げればコスト競争力ではほぼ同等になるということである。

ソーラーパネルの製造コスト削減に加え、販売面も強化

製造コストの削減だけではなく、販売面でも様々な取り組みを見せる。

まず国内では、専売店「ソーラーフロンティアショップ」による販売網を立ち上げる。その第一号店が、北海道河東郡音更町で開店し、これを皮切りに全国で展開するという:

ソーラーフロンティア、初の専売店「ソーラーフロンティア プロショップ」1号店がオープン | 太陽光発電ならソーラーフロンティア
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設置から保守までのトータルサービスをうたっており、全国で100店舗が目標。これはどちらかといえば、産業用よりも住宅用ということになるのだろうが、余剰買取では自家消費が中心となり、出力抑制の影響もそれほど考慮しなくて良いので、このタイミングで住宅用の市場に対する販売チャネルの強化は理に適っていると言えそうだ。

出力抑制の補償サービスを打ち出した点と合わせて、国内でソラフロのCISを設置する住宅がかなり増えるかもしれない。

海外でも、米国やトルコなどでメガソーラー向けのソーラーパネル供給を何件か受注しているほか、オランダではHome NRG社と提携し住宅向けを中心にパネルの供給が好調な模様。

当初HomeNRG社向けに8MWを供給する予定が、2MW上乗せし合計10MWのソーラーパネル供給が見込まれているという。

太陽光パネル業界では競争が激化している訳だが、こういった動向を見る限りソーラーフロンティアは当面堅調に推移しそうな感じである。

筆者としても2号基で採用していることもあり、メーカーの存続は保証などの面で重要な条件だと思うので、ソーラーフロンティアの活躍は素直に喜ばしく思う。

27円まで買取価格が下がったFITでもソーラーフロンティア・CISの過積載をDIYで組みコストを削れば、まだまだ行けそうな感じだ(ただし、出力抑制の可能性には配慮すべきだが…)。

(タイトル作成: Thanks to ホッテントリメーカー)

コメント

  1. 匿名希望=通りすがり(鬼) より:

    ああっ逆ですよ。今まで高値にしてあっただけです。SFのコスト。
    工場を作りまくりましたからね。それが3交代、つまり300%稼動で動いていたそうです。
    それも300%稼動のおかげで、3年程度で投資回収も終わっているでしょう。
    さらに海外向けについては驚くほど安く輸出してましたよ。(ほかの日本メーカーも同じですが)
    もともと、大量生産したらシリコン型に比べて廉価にできるがウリでしたから(JPEAの研修会では補助金復活前から、展示して一生懸命営業マンが売込みしていて、客「じゃあ安いの?」営「売れれば、将来的には・・・」客「今は?」営「正直ほかより高いです」との会話がありました。それが、今では、国内メーカーの雄ですからね。)

  2. ビッグふぃ~るど より:

    情報ありがとうございます。そうだったんですか、知りませんでした。。。

    あまりボッタクリされるのは困りますが、日本のメーカーとして国際競争で負けずに頑張ってもらわないといけないということもありますので…まぁ、仕方ないですね。

    海外には安く…というのは今に始まったことではないので諦めモードという感じですが、一つにはやはり、国がつい最近まで再エネ普及に本気ではなかったからでしょう。(太陽光だけはかなり普及した今でも、まだ本気とはあまり思えませんが…)

    いずれにしろ、為替レートは国内で製造してもそれほど不利とはいえない水準ですし、法人税の減税など大企業優遇の政策が当分は続くと思われるので、まぁせいぜい頑張ってくれというところでしょうか。

    富裕層以外の一般的な個人や消費者では、円安による物価高や増税で消費マインドが本格的に回復するとは思えないので、大企業には内部留保として貯め込むばかりじゃなく、世のため人のためにもおカネを使って欲しいものです。

  3. パワコンマニア より:

    CISとシリコンのわかりやすい実測値の比較はないものでしょうか。
    例えばほぼ同条件のCISとシリコンの発電所を2つ作り、パネルの変換効率も揃えます。その上で部分的に同等の影を作ったりして年間の発電量比較のデーターをメーカーが提示してくれれば下手な理論武装よりも明確にCISの良さが伝わります。コスト比較も追記してくれると尚更です。

    既にそういうものがあって私が知らないだけだったらすいません。

  4. 蛇野 より:

    こちらに比較設備があって、公開されています。
    http://www.greendengen.co.jp/news_list.html
    2014年01月16日  実験施設の発電状況における表示不具合を修正しました。
    上記をクリックしてサイトで閲覧できます。
    発電量は多いですが、べらぼうに多いわけでもなく、設置面積が多くいるというデメリットがあります。費用についての言及はありません。
    SF信仰については、私はあまり魅力は感じていないです。

    • パワコンマニア より:

      蛇野様

      非常に興味深いサイトをありがとうございます。これによると同じ600m2あたりの今年度発電量は

      国内多結晶 89162kWh
      国内CIS   77049kwh
      海外多結晶 86823kwh
      海外単結晶 92066kwh

      となりますね。コストや影を度外視しているのでこれだけでは断定できませんが参考になります。メーカー自身が実測値に基づく検証データ出してくれるとありがたいのですが。

  5. 蛇野 より:

    ちなみに、同社がその後設置したメガソーラーは、シリコン多結晶のものを採用しております。
    理由は以下の通りです。
    これまで蓄積したさまざまなノウハウを設計に反映させることにより、より多くの発電量を実現しています。ここでは、発電事業の収益性の向上、効率的な保守・メンテナンス手法の確立などについて、評価・検証しています。

  6. 匿名希望=通りすがり(鬼) より:

    もともとSFは、代理店泣かせですしね。
    全量買取以前のFIT最初期には宣伝目的でTV通販で3KW90万円とかで売ったりして
    代理店はひどい目にあったみたいですし。
    全量買取始まってから人気が出て、いまでこそ、代理店もニコニコでしたけど。
    さすが昭和シェ●の体質を引き継いでいる感じです。

  7. ビッグふぃ~るど より:

    蛇野様、

    CIS vs. シリコンの比較の情報、どうもありがとうございました。
    同じ出力なら設置面積が多く必要になるなどCISのデメリットについては、ご指摘の通りですね。2号基で影の影響などが特に無ければ、CISにこだわるつもりはありませんでしたが…

    匿名希望=通りすがり(鬼)さま、

    昭和シェ●の”体質”というのは、石油元売り事業でそういった話があったのでしょうか?