シャープの太陽電池事業を昭和シェル石油傘下のソーラーフロンティアと統合すると日経が報じた。
産業革新機構は国内の太陽電池大手の全社と水面下で交渉していたと推測されるが、昭和シェル石油がシャープの救済先になるというこのニュースを知り少々意外に感じた。
というのは、シリコン系の太陽電池を製造しているシャープに対して、ソーラーフロンティアはCIS化合物系と製造の前工程がまったく異なるからだ。
率直に言えば、ソーラーフロンティアと親会社の昭和シェル石油(さらに言えば、昭和シェル石油と経営統合する出光興産もか?)にとってメリットがあるのか、かなり疑問に思える。
日経の記事が指摘するように、シャープの太陽電池技術や住宅向け市場でのシェアなど、プラス材料もなくはない。しかし、ソーラーフロンティアとしても激甚を極める太陽光パネル市場で足を引っ張る可能性が高い「お荷物」を抱えるのは事業経営のうえで得策ではないはずだ。
太陽電池の種類という点では、化合物ではないシリコンのパナソニックや京セラの方がまだ相性が良いように思う。
ただ、低価格なソーラーパネルで世界市場を席巻する中国メーカーとの競争などもある厳しい経営環境の中では、いくら国からシャープの救済をお願いできないか、と頼まれても中々簡単には受け入れられない、と両社ともやはりお断りしたのだと想像する。
事業拡大を狙う住宅用向けの販売チャネルや顧客リストが手に入るから、という計算はソーラーフロンティアや昭和シェル石油にあるのかもしれないが、リスクも相当にある。
もしかすると、公表できないような特典も何か昭和シェル側に提示されたのかもしれない。
いずれにしても、シャープとソーラーフロンティアの太陽電池事業統合の行方に今後も注視する必要がありそうだ。
シャープの太陽電池事業、昭和シェル系と統合 革新機構検討 - 日本経済新聞
官民ファンドの産業革新機構がシャープの再建策として、同社の太陽電池事業と昭和シェル石油の太陽電池子会社を統合する検討に入った。シャープの太陽電池事業は液晶事業とともに収益が低迷し、業績不振の大きな要因となっていた。革新機構はシャープ本体に出...
コメント
産業革新機構はこのところシャー芝が話題でしたが、今度はシャーフロですか。
もうなんでもありですね。
ただ、シャープの流通ルート・エンジニアリングサポート体制をソラフロは魅力的に感じてると思います。ソラフロがもっていなかった家電とリンクできますし。
chieppyさま、
コメントありがとうございます。
>今度はシャーフロですか。もうなんでもありですね。
本当に、おっしゃる通りです(苦笑)。真っ赤っかのシャープを救済できれば、国内ならどこでも良いからとにかく引き引き取ってくれ、っていうのが国や産業革新機構の本音かと。
ただ、ソラフロと昭和シェルは英蘭シェル傘下で厳密には外資系なんですけどね。
(出光との経営統合でその外資比率は相当に薄れますが)
もう一つ、ご指摘のよう流通チャネルとエンジニアリングのサポート体制を入手できるのが魅力というのは、十分にありそうですね。
今後の国内市場で住宅用で売っていくうえでは、家電との統合ソリューションもシャープとなら打ち出し易いのは確かでしょう。