ソーラー式防犯カメラ(屋外・WiFi)のメリットとデメリット

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昨年暮れ頃に降った大雪で6号基(広島県大竹市)の防犯カメラが休止していたが、今日の時点で復活を確認できた。

屋外に設置する防犯カメラの選択肢として、ソーラーとWiFiに対応した機種を検討されている方もいるかもしれないので、この顛末について備忘録を兼ねて記しておく。

防犯カメラ(屋外・ソーラー式、WiFiでネットに接続)の概要

筆者が採用しているソーラー式の屋外防犯カメラは、ハンファQセルズ製の「DVR-SL1」およびその後継機種「DVR-SL4」である。

ハンファQセルズ製ソーラー式防犯カメラ「DVR-SL1」

DVR-SL1

6号基に設置しているDVR-SL1の主な仕様(スペック)は下表のとおり:

給電・充電方式
USBまたはソーラー式
無線LAN(Wi-Fi)
対応
内蔵メモリー
32GB
防水・防塵
IP66(IP55?)
広角レンズ
120°
双方向通話
対応
人体検知センサー
対応(赤外線)
バッテリー容量
6800mAh
解像度
1080P/200万画素
価格
19,800円*

*:Amazon.co.jp経由でハンファQセルズジャパンから購入

防水・防塵については、現在も閲覧可能なアマゾンの販売ページ上でIP55とIP66の両方の記載があり、実際のところどちらが本当なのか分からない。

ただ、これまでの経験からすると、IP55ではないかと思われる(詳細は後述)。

使用開始時に一度内蔵バッテリーにUSBで充電してから設置するようになっており、その後はソーラーとバッテリーで駆動することになる。

家庭用として使う場合、ACアダプターを介してUSBケーブルで電源に接続しておけば、雨や曇りが続いても監視カメラがダウンするリスクを避けることが可能(後述)。

赤外線センサーを搭載しているので、夜間でも監視や動体を検知しての撮影ができる。

当方における防犯カメラの設置・稼働状況

筆者の太陽光発電所7ヵ所で採用している防犯カメラのうち、現在4ヵ所でハンファQセルズ製の本機種を採用しており、うち大竹市と呉市の2ヵ所でDVR-SL1が、残り2ヵ所でDVR-SL4が稼働中。

実は茨城県鹿嶋市の2ヵ所でもDVR-SL1を使用していたのだが、いずれも故障して防犯カメラとして使用できなくなった。脚立やハシゴを使わないと取り外せないため、しばらく放置していた。

その後、メンテナンスのため現地を訪れ、他機種で代替して現在に至る。

当方の全事業所における防犯カメラの設置と稼働状況を下表にまとめる:

事業所
機種
設置時期
稼働状況
#1
DVR-SL4
2021年8月
稼働中
#2
DVR-SL4
2021年?
稼働中
#3
DVR-SL1
2021年?
故障→Tapo C310に置換
#4
他機種(Tapo C310)
#5
DVR-SL1
2019年?
故障→Tapo C310に置換
#6
DVR-SL1
2020年?
稼働中
#7
DVR-SL1
2020年8月
稼働中

DVR-SL1はつごう4ヵ所で採用していたが、2022年に2ヵ所で相次いで故障したため他機種で代替した。

大雪で防犯カメラ上のソーラーパネルに積雪し稼働不能に…

残り2ヵ所では稼働中だが、昨年暮れに降った大雪・積雪のため#6のDVR-SL1は稼働停止し動かなくなってしまった。

大雪の現地を撮影した防犯カメラの画像

大雪の現地を撮影した防犯カメラの画像(この後で閲覧不能に陥る)

その後も現地に赴くことができなかったため、また当方のスマホが故障していたこと等もあり、しばらく現地の映像を確認できなかったのだが、本日の時点で現地が晴天に恵まれていたこともあり、改めてアプリで確認したところ正常稼働をほぼ1カ月ぶりに確認できた。

晴天で復活したソーラー式防犯カメラによる画像(2023/1/30)

晴天で復活したソーラー式防犯カメラによる画像(2023/1/30)

ソーラー式防犯カメラ+WiFiのメリットとデメリット

ソーラー式防犯カメラのメリット:配線工事が不要

ソーラー式防犯カメラ(DVR-SL1およびDVR-SL4)をWiFi接続で使用する最大のメリットは、屋外で電源とネット接続の両方をケーブル類を一切使わず設置できることである。

筆者の場合、現在3ヵ所(屋外)でソーラー式ではない防犯カメラ(WiFi接続)を使用しているが、AC電源が必要となるためその配線と工事が必要だった。

一般的な家屋・住宅でなく電源を確保しづらい事情もあるため、有線のAC電源を必要とする防犯カメラは設置が困難なことも少なくないが、こういう状況ではソーラーで充電・給電できる防犯カメラが非常に役に立つ。

ソーラー式防犯カメラのデメリット:悪天候が何日も続くとダウン

一方、ソーラー式防犯カメラのデメリットは、まず雨天や曇天といった天候不順の日が続く梅雨時や日照時間の短い冬季にバッテリー切れとなると防犯カメラとして機能しなくなる可能性があることである。

DVR-SL1の6800mAhというバッテリーの容量は、このような天候不順が長く続く場合、せいぜい3~4日ほどしか電気がもたないと思われる。

筆者の場合、このような事態は昨年の暮れまで経験したことが無かったのだが、滅多に雪が降らない大竹市で大雪となり防犯カメラの上にも積雪して発電しなくなったため、その後しばらく動作できなくなってしまった。

その後もなかなか快晴とならなかったため、バッテリーが回復せず結果的に1カ月ほど防犯カメラが無い状況が続いてしまった。幸い、何も事件や事故が起きなかったようではあるが。

次に、信頼性・耐久性にやや不安があることだろう。

上述のとおり、4ヵ所設置したソーラー式防犯カメラDVR-SL1のうち、2ヵ所で故障が発生し、防犯カメラとして機能しなくなったのは、50%とかなり大きい。なので、防塵・防水性能は恐らくIP55相当と思われる。

もちろん、DVR-SL1という特定の機種だけのデメリットかもしれないが、そもそもソーラー式防犯カメラという商品自体あまり多く売られている訳ではなく、選択肢が限定的なのが現状。

また、製造元・販売元のハンファQセルズ自体が旧機種のDVR-SL1の製造を終了し後継機種のDVR-SL4に移行したが、2023年1月現在そのDVR-SL4の販売も行われていないようだ。

なぜDVR-SL4の販売が終了したのかは不明だが、その信頼性・耐久性を含めた商品性や事業性に課題があったためと推測される。

現在市販の他機種の信頼性や耐久性も、防犯カメラの製品としての仕様や価格帯を見る限りは似たり寄ったりだろう。

今回の顛末に関しては、積雪や遠隔地に設置した防犯カメラといった、複数の悪条件が重なったこともあって防犯カメラとして機能しなくなり、故障したのであれば代替機への交換を考えていた。

幸い故障してしまった訳ではなく、復活して再稼働してくれたので事なきを得たのだが。

ちなみに筆者の場合、いずれの事業所でも防犯カメラを設置しているが、ソーラー式ではない防犯カメラでも、オフグリッド電源を設置して電力を供給している。

ただ、ソーラー式防犯カメラの太陽光パネルがせいぜい数~10W程度の出力しかないのに対して、オフグリッド電源では200Wと防犯カメラやWiFiルータを駆動するには十分に余裕のある太陽光パネルを採用しているので、多少の天候不順ならまったく問題ない。

まとめ

ソーラー式の防犯カメラをWiFiで接続して使用すれば、電源やネット接続のためのケーブル配線工事を一切行わなくて済むため、施工性の点でメリットは極めて大きい。

一方で、1~2万円台で入手できる市販のソーラー式防犯カメラの場合、天候不順が何日も続くような場合に防犯カメラがバッテリー切れで動作しなくなる可能性があり、中長期的な耐久性や信頼性の点で懸念が大きいと思われる。

解決策としては、1)他のソーラー式防犯カメラで代替、2)ソーラー式を諦めて電源ケーブルを配線するタイプの防犯カメラで代替の二通りが考えられる。

1つ目の選択肢の場合、再度故障する可能性がある。2つ目の選択肢の場合、耐久性や信頼性の点で優る防犯カメラの機種を選ぶことが可能となるが、電源の配線工事が必要となる。

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