太陽光の遠隔監視には色々な方法があるが…
50kW未満の低圧契約による太陽光発電システムの遠隔監視(モニタリング)の方法として、最も手っ取り早いのは施工業者がオプションで奨めてくれる「エコめがね」や「エコナビ」といった携帯電話ネットワーク活用型の市販モニタリング・サービスを太陽光発電システムの一部として購入することである。
ただ、これは現在約50万円の初期費用と月額3000~5000円の月額費用が掛かる。このため、運用収益や利回りのパフォーマンスを少しでも良くするためには、このモニタリング手段でも工夫が必要な状況だ。
太陽王子のブログで「50kW低圧太陽光発電所を月45円でモニタリングする方法」という記事があり、市販の低価格な節電モニターを活用して、オフラインながら手軽・簡単かつ低コストで発電状況を確認できるという手法を紹介していた。
これは確かに悪くないテクニックで、プチソーラーが自宅のすぐ近くにある場合には検討しても良いと思う。
だが、筆者の場合は当分まだ首都圏から離れ難いため、岡山の発電所の状況を常時遠隔監視するには、どうしても携帯電話網(それも通話の必要が無いので、3大キャリアではなくMVNOの格安SIMによるデータ通信)とインターネット・ウェブを経由してパソコンやスマホで見るというスタイルが必須だと思っていた。
遠隔監視にはM2Mルータ
そんな中、太陽光発電ムラのフェイスブックの更新情報を読んでいた所、市販の「M2Mルータ」と呼ばれる機器を使えば、上述のエコめがねやエコナビとほぼ同じことを半額どころか1/5以下のコストで実現できそうなことが分かった。
発電量の計測には、上述の節電モニタの類の製品を活用して、そのデータをUSBかBluetoothか何かでM2Mルータに送信すればよい。
ネットで検索すれば、M2Mルータの情報はいくらでも出てくる。M2Mというのは、Machine-to-Machine の略語/頭文字語で、別名「モノのインターネット(Internet of Things: IoT)等とも呼ばれている技術分野である。
スマートシティやスマートグリッド、エネルギーハーベスティング(環境発電)といった環境技術分野では、各種のセンサで集めた情報を無線技術とインターネットを活用してクラウド上のサーバに収集し、遠隔監視やビッグデータの分析によりさらに高度な活用に繋げるといった研究や開発がたけなわであり、M2Mルータもその一部である。
太陽光発電のモニタリングも正にその応用の一つとして有望なものであり、技術が日進月歩で新しい製品やサービスが次々と出てくる。だから、モニタリングの低コスト化も必ずできるはずだとは思っていたが、意外に早くそのヒントが見つかったので、嬉しくて思わずこの記事を書いてしまった。
施工プランの最終的な決定も急ぎつつ、遠隔監視用M2Mルータの情報収集と機種選定もぬかりなく行っておきたいと思う。
コメント
いつも参考になる情報をありがとうございます。
複数低圧連携で進めていますが、遠隔監視について悩んでいます。
M2Mについては、その後どのように進めていらっしゃいますでしょうか?
高野さま、
コメントありがとうございます。M2Mについては、申し訳ないのですが、あまり進展はありません。。。
もっぱら、資金調達と施工業者との折衝に(特に、系統連系工事に関して)まだ手が掛かっており、遠隔監視まで手が回ってません。
ただ、これも必ず必要なことなので、進めて参ります。
また新しい情報や進展がありましたら、本ブログにて更新しますので、もう少しお待ちください。
こんにちは
安価に遠隔監視できるシステムは意外と世の中にないですね.ネットワーク対応の電圧データロガーもありますが、太陽光発電用というわけではないのでもう一つです.私は、とりあえずですが、パナソニックの余剰買取用電力検出ユニットVBPW203KとIOデータのモバイルルーターDCR-G54/Uで遠隔監視しています.まだ50kWまで試していませんが、24kWはオプションなしで計測できます.
伊賀さま(岡山の伊賀様ではないですよね?)、
コメントありがとうございます。
確かに、M2Mルータは最近いろいろと出回りつつあるのですが、高価なものがまだ多く、コストパフォーマンスに優れたソリューションは少ない気がします。
ご教示のパナの電力監視ユニットとIOデータのモバイルルータの情報どうもありがとうございます。
少し調べてみて、当方の発電所でも使えるか、検討してみたいと思います。