ハワイで見たい!S氏が訪れた蓄電池併設型メガソーラー

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ハワイでSさんが見てきた蓄電池併設型メガソーラー

太陽光発電仲間であるSさんが、今月上旬に蓄電池併設型メガソーラーの見学でハワイに行ってきたという。(Sさんについては、関連記事を参照。)

米ハワイ州のハワイ島にあるワイコロア・ソーラー+蓄電池のプロジェクト

米ハワイ州のハワイ島にあるワイコロア・ソーラー+蓄電池のプロジェクト

ワイコロア・ソーラー+蓄電池プロジェクトの定置型蓄電池

ワイコロア・ソーラー+蓄電池プロジェクトの定置型蓄電池

メガソーラー・蓄電池などのスペック

  • 太陽光発電の連系出力: 30MW
  • 蓄電池の容量: 120MWh
  • 発電所用地の面積: 約300エーカー(1.21km2
  • 25年間の電力購入契約(PPA)により、ハワイ電力(HEC)に全量を売電

(出所:Waikoloa Solar + Storage Project

この視察旅行についてはSさんのSNSへの投稿を先月下旬頃に見て筆者も知っていたのだが、出発までの期間が短かったこともあり、今回は参加を見送ったのである。

ご参考まで、以下にその投稿を引用する:

12/1-4のハワイ島の宿泊先が分かりました。
ペントハウスのコンドミニアム(81m2)だそうです。

2ベッドルーム、3ベッド(ソファーベッド除く)のようで、最大6名まで宿泊できるそうです。自分と現地アテンドの方の2名は決まっていますが、最大4名までは一緒に行っても大丈夫だそうです。

10日後ぐらいの出発でなかなか難しいかとは思いますが、エアー代エコノミークラス往復18万円/人程度、現地フリータイム時のツアーなどは3万円/日程度、お食事やお土産代で行けそうなので、ご一緒できる方はご連絡ください。

自分は、現地再エネや蓄電池などを視察しますが、ご一緒されても大丈夫ですし、フリーでお過ごし頂いても大丈夫です。

12/4-6のオアフ島も今確認中です。
※11/25までにはご興味ある方はメッセンジャーでご連絡ください。

【ハワイ島の宿泊先】
施設内を電車や船で移動するぐらい広く、イルカなども見れるみたいです。

筆者注:絵文字や句読点、改行など若干を修正しているが、ほぼ原文のまま

Sさんの主目的はあくまでも蓄電池併設型の太陽光発電所や現地の再生可能エネルギー導入や系統網の状況などの視察や見学であって、けっして観光ではない。

(って、書いても、あまり説得力ないかw)

ともかく、上述の投稿を見たら筆者を含めて多くの方が行きたくなると思うが、時間的・経済的に自由度が高くなければそもそも難しい話ではある。

次回の見学・視察があり、準備期間などもあれば筆者も是非参加したい。

定置型でも「蓄電池パリティ」まであと3年?

さて、その蓄電池だが、Sさんは次のような見解を示している:

蓄電池もあと3年ぐらいでグリッドパリティになりそうですね。
ハワイでは電気代単価が高いので、もっと早く達成見込みのようです。

念のため、蓄電池パリティとは、蓄電池(+太陽光発電も通常は込み)でまかなう電気のコストが、系統網から買う電力会社の電気代と同等かそれ以下になる状態のことである。太陽光では、既にかなり多くの地域でグリッドパリティが達成されている。

太陽光パネルは固定価格買取制度(FIT)などの普及推進策によって世界的に導入が加速し、その結果コストが急速に下落した訳だが、蓄電池も同じような経緯で導入とコスト下落が進みつつある。

本土から遠い離島のハワイでは化石燃料のコストが本土よりも相当に高いので、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入が加速しており、蓄電池もそれにけん引される形で導入が増加している。

米国全体で見ると、ハワイだけではなく本土の西海岸・カリフォルニア州や南部のテキサス州でも定置型蓄電池の導入が加速している。

もちろん、太陽光や風力などの再エネがけん引する形であるのは、ハワイと同様:

巨大蓄電プロジェクトから米国のトレンドを読む|日経エネルギーNext
米国の蓄電池市場を解説する本連載。第2回は、系統用蓄電池事業のこれまえの経緯や現状、具体的なプロジェクトを見ていく。

日本でもいずれ蓄電池の導入は不可避に

米エネルギー省(DOE)は一昔ほど前のオバマ政権下でスマートグリッドと並行させる形で蓄電池や関連技術の実証事業などに補助金をつけるなどし、再エネ大量導入を見込んだ蓄電池・蓄電技術の開発や実用化を後押ししていた。

ちなみに、ここでいう蓄電池・蓄電技術というのは、リチウムイオン二次電池のように我々にも馴染みが深いものだけではなく、揚水発電所、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)、フライホイール、NaS電池、レドックスフロー電池など、用途や充放電の電力量に応じて様々な技術があり、米DOEはそういった様々な実証プロジェクトを後押ししていた。

そういった努力が、いよいよ目に見える形で結実しようとしているようだ。

わが日本は米国や欧州に後れを取ってはいるが、脱炭素化の点でも、今話題となっている燃料費高騰の点でも再エネの導入を急がなければいけないことに変わりは無い。

となれば、当初は系統網における容量での吸収や平準化がコスト的に先にはなるだろうが、蓄電池の導入もいずれは当然セットで進めることになる。

広大な国土に恵まれている米国と違い、山の多い島国で平野が狭小な日本では、大規模な揚水発電所やCAESなどの開発は今後もあまり無いと思われるが、リチウムイオン電池やNaS電池などは系統網側と需要家側のいずれでも増加するとみる。

系統側や電力事業者側では、平準化に加えて蓄電池に貯めた電気を電力取引市場で相場が高い時に売るといった活用が可能になる。実際に、欧米ではこういったビジネスモデルが既に出現しており、米stem社などの企業が先行事例として知られる。

逆に、需要家や一般家庭も含む消費者側では、電気が安い時に蓄電池に電気を貯め、電気が高い時間帯に系統からの電気を使わずに蓄電池に貯めた電気を使うといった活用が賢い使い方になろうか。

もちろん、自然災害などで停電が発生した場合の非常用電源としても使える。
テスラの定置型蓄電池「PowerPack」は日本でも導入が始まっているので、既に設置している方も結構いるかもしれない。

将来的には、ブロックチェーンを活用したピア・ツー・ピア(P2P)での電力融通なども視野に入ってくるが、電気事業法などまだ法規制の壁があるので、その改正などの制度面での準備が先ではあるが。

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