さようなら、浮島メガソーラー/浮島太陽光発電所の見学(2)

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(「浮島太陽光発電所を見学(1)」の続き)

今回のツアーでは地上で浮島太陽光発電所のすぐ傍から見学…

浮島太陽光発電所を見学(1)にも書いたように、この日の午後のガイドツアーは地上からのみ、メガソーラーの敷地のすぐ傍まで歩いて行き、そこから眺めるという形。

浮島太陽光発電所のガイドツアー【地上編】

前回の午前のガイドツアーでは、メガソーラーのすぐ傍には行かない代わりに、エコ暮らし未来館の屋上などに上り、そこから一望する形で浮島メガソーラーを見学した。

いずれも一長一短なので、近くからの眺めと全景の両方を望むなら、午前・午後両方のガイドツアーに参加するしかない。(報道などが予約を別途取れば、また話は違うのかと思うが…)

いずれにしろ、今回のガイドツアーではこの見学ポイント以外にもう見るものが無いので、立ち位置を多少変えて写真を撮りまくっても10分か15分もいれば十分である。

浮島メガソーラーと飛行機

浮島メガソーラーと飛行機(1)

浮島メガソーラーと飛行機(2)

浮島メガソーラーと飛行機(2)

浮島メガソーラー

蓄電池についてはほぼ不明も、東電だからNAS電池と推測

あとは、ガイド嬢のお姉さんに質問攻めってことで、蓄電池のスペックやら草刈りのことやらを手当たり次第に尋ねまくる。

しかし蓄電池に関しては、残念ながら不明(非公開?)とのことで潔く諦めた。

上の写真にもあるように、門扉に「変電設備」と「蓄電池設備」とはっきり明示してあるのだが、ネット上で川崎市や東京電力の説明ページを見ても蓄電池の情報はまったく見当たらない。

企業秘密か、それとも公開できない疾しい理由が何か東電にあるのだろうかw。
東電が太陽光発電所に併設する蓄電池ということからは、日本ガイシと東電が共同開発した「NAS電池」である可能性が高いように思われるが…

草刈りについては、最近つまり8月末頃に草を刈ったとの話を教えてくれた。

なんでも5人がかりで草刈りの作業を行ったという。年に2回しか行わないとのことで、8月の草刈りの時には相当に雑草が伸び、パネルの下の方には多少影もかかっていたそうだ。

草刈りを行って2週間ほどの浮島メガソーラー

草刈りを行って2週間ほどの浮島メガソーラー

また除草剤など(川崎市の設備概要では、「雑草を抑える有機質土壌改良工法を適用」と記述がある)も併用しているので、草刈りの作業自体は年2回と少ないのだろうという話。

浮島太陽光発電所のkW単価は?メガソーラーの総額は?

パネルは国産のシャープ製、またコンクリートの架台に、パワコンと施工が電機大手のT社であることなども考えると、とにかく相当にコストが掛かっていることは確かで、なるほどなー、有機質土壌改良って作業にもそれなりの手間や費用をかけたんだろうな、と思う。

売電開始が固定価格買取制度(FIT)の施行前(2011年8月)ということで、まだ産業用太陽光発電が激増するよりもかなり前だ。しかもオール国産の部材だから、工事費も含めたkW単価は少なくとも30万円を下らないのではないだろうか。

7000kW×30万円/kW=21億円。ってことで、最低でもざっと20億円。
いや、蓄電池もあるし、もっと掛かってるだろうなぁ、きっと……

でも、地域独占の電力大手十社には「総括原価方式」という実に強力な武器がある。

メガソーラーのコストがいくら高くても、それに法律で決められた率の利益を上乗せして電気代として広く薄く集めれば、ほとんど誰にも文句を言われない、という本当に素敵で羨ましい仕組みだw(コストが高ければ高いほど、我々の電気代が上がるが、彼らの利益は増えて儲かるという話もある)。

さて、雑草を刈り取った跡を見ると、茶色っぽくなっていて除草剤で枯らした状態に似た感じだなと思った。

土壌改良というのも時々ネットで目にするので、あまりおカネを掛けずにできるのであれば、筆者の太陽光発電所でも是非取り入れてみたいと思うのだが。

防犯カメラも設置し、セキュリティは万全

ちなみに、見学が出来るポイントでは目の前にチェーンが掛けてあり、そこから先には入れなくなっている。

ダメ元でガイド嬢のお姉さんに、その先に入れないか聞いてみた。すると、

チェーンを跨いでメガソーラーの敷地に入ると、不法侵入になります。防犯カメラも設置されています。

とのことである(汗)。

メガソーラーへの不法侵入でお縄…なんてのは流石にミットモなさすぎるので、バカな真似は止めておいたw。

太陽光発電事業者の性から間近にソーラーパネルや架台を見たい気持ちをグッとこらえ、お姉さんに従って大人しくエコ暮らし未来館へ戻る。

彼女に頼まれたアンケートに記入したり、館内の写真をまた撮ったりしつつ川崎駅方面へと戻るバスを待って、帰路についた。

かわさきエコ暮らし未来館の床に貼ってある臨海工業地帯の1/3300地図。

かわさきエコ暮らし未来館の床に貼ってある3300分の1地図。
浮島メガソーラーは中央付近。右側手前の細長い部分は羽田空港の滑走路。

 

浮島太陽光発電所の発電状況@かわさきエコ暮らし未来館

浮島太陽光発電所の発電状況。曇りで発電電力量はイマイチだった。

浮島太陽光発電所の見学、「三度目の正直」はあるだろうか。
もしあるとしたら、今度こそピーカンの晴れの日、午前中に行きたいと思う。

さようなら、浮島メガソーラー。

コメント

  1. 蛇野 より:

    ソーラーシェアリング生みの親、長島氏がこの発電所の運営に付いて、問題提起しております。
    http://www.d3.dion.ne.jp/~higashi9/megamondai.pdf
    2年位前の画像になるので、その後運営を改めたかもしれませんが、
    何もせず放置されていたかもしれません。
    人に見せるということは、それなりにきれいにしないと見せれません。
    全て整備するのではなく見せる所だけをきれいにしている可能性もあると思います。
    何せ広いですからすねて二手が回らないということも考えられます。

  2. chieppy より:

    ヤギを放して雑草を食べてもらう方法はできないもんでしょうかねぇ。

    • bigfield より:

      chieppyさま、

      コメントありがとうございます。
      ヤギ除草だと、ヤギの日々の面倒をみる必要が生じますが、このメガソーラーだと、東電の管理なので、難しいのかもしれません。

      草の生い茂る春夏だと餌の心配もないですが、冬場など草が生えないと餌をあげる必要も生じるので、ヤギ除草にはヤギ除草のデメリットもあるようですね。