太陽光パネルメーカーの世界ランキング、ダントツは中国
最近、激安の太陽光発電キットを目にする機会が増えた。 その多くは、中国製の太陽電池や太陽光発電パネルを採用している。 無理もないことで、こういった傾向は統計データでも明らかとなっている。
例えば、米Earth Policy Institute(EPI)がまとめた国別の太陽光発電パネル生産量の推移を見ると、中国がダントツで2位以下に3倍以上の差を付けている。
では日本は2位?と思った方が多いかもしれないが、残念ながら日本は2位でもない。
2番目は図をご覧の通り台湾である。ここで掲載している図は少し古いが、EPIの最新データを見ても1~3位の結果とその傾向は変わらない。
この台湾が2位というのは結構意外に感じる人が多いのではないかと思うが、このグラフを見ると日本は2007年に中国に抜かれた後、2009年頃に台湾にもブッちぎられていることが分かる。
念のため、ランキング上位5カ国とその世界市場シェア(カッコ内)を以下に国別ランキング一覧として挙げておこう:
- 中国(45%)
- 台湾(15%)
- 日本( 9%)
- ドイツ( 8%)
- 米国( 5%)
(出所:Wikipedia/GlobalData)
という訳で、中国といい台湾といい、中国および華人国家が現在、太陽光発電のグローバル市場で主導権を握っている。太陽光発電における日本のシェアは、この過去数年~10年位で50%近くのトップから、10%足らずとなり大きく下落してしまった。
日本は固定価格買取制度のお陰で太陽光発電パネルやシステムの市場としては、注目を浴びていたのだが、買取価格が下落し産業用の市場の伸びが止まってしまったので、今後なんらかの優遇措置などが策定されない限りこれまでのような市場の成長は難しいだろう。
(追記)上記データはやや古くなってしまっており、2021年現在では中国メーカーの市場シェアが拡大し台湾勢のシェアは縮小しているとみられる。
トップの中国、太陽光パネルメーカーの一覧を見ると…
トップとなった中国では、太陽光パネル市場シェアのランキング上位メーカーが軒並み名を連ねている。以下に、それらの主要なソーラーパネルメーカーの一覧と2019年の出荷量を記す:
- Jinko Solar(ジンコソーラー)、14.2GW
- JA Solar(JAソーラー)、10.3GW
- Trina Solar(トリナソーラー)、9.7GW
- LONGi Solar(ロンギソーラー)、9GW
- Canadian Solar(カナディアンソーラー)、8.5GW
なお5位のカナディアンソーラーは文字通り本社がカナダで登記されているが、主力工場の多くが中国にあり経営者も中国系であるなど、実質的にはほぼ中国のメーカーと見なしてよいだろう。
5年ほど前(2015~2016年)までのランキングではトリナソーラーとカナディアンソーラーがそれぞれトップと2位、ジンコとJAがそれぞれ3位と4位であったが、この数年で順位が入れ替わった。
いずれにしろ、これらの4社、それにLONGiを加えた5社で、太陽光パネルグローバル市場の過半を占めており、当分の間は中国メーカーによる市場支配が続くものと予想される。
2022年改訂:ランキング上位が少々入れ替わるも大勢に変化なし
この記事を公開してかなりの年月が経過したので、2022年の最新データを基に加筆修正し太陽光パネル・メーカーのランキングを改訂しておくことにした。
- Jinko Solar(ジンコソーラー)、18.2GW
- Trina Solar(トリナソーラー)、18.1GW
- LONGi Solar(ロンギソーラー)、18.0GW
- JA Solar(JAソーラー)、15.7GW
- Canadian Solar(カナディアンソーラー)、8.7GW
(出所:InfoLink Consulting、Taiyang News)
3年前との違いは4強の一角・JAソーラーが2位から4位に後退したことだが、出荷量はいずれも増加しており、太陽光発電パネルの市場が世界全体で順調に拡大してきたことが伺える。
ご参考までに、6位から10位までの太陽光パネルメーカーも記すと、
- Risen Energy(ライセンエナジー)
- Astronergy(アストロナジー)
- First Solar(米ファーストソーラー)
- Hanwha Q-Cells(韓国ハンファQセルズ)
- Suntech Power(サンテックパワー)
となる。5位のカナディアンから10位のサンテックまでの各社の出荷量はそれぞれ8.7GW~3.5GWである。
コメント