東京ガス、電力小売りだけじゃなく太陽光発電も営業していた?

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東京ガスが太陽光発電システムを営業?

東京ガスが本業のガスだけでなく、電力にも参入していたことは何年も前から知ってはいた。

しかし、太陽光発電システムの営業やサービスを取り扱っていること、自社で太陽光発電所を運用していることなどについては、あまり知らなかった。

たまたま本ブログのアクセスを解析していて、東京ガスの太陽光発電について検索している方が結構いるということが分かったのである。

ということで、東京ガスによる太陽光発電関連の取り組みを調べてみたので、ご紹介しよう。

住宅用・家庭用の太陽光発電システムを推す東京ガス

東京ガスの公式サイトを見ると、電力事業ではガチ競合の東電などが怒りそうなことをいろいろと書いている。

東京ガスの太陽光発電|東京ガス
東京ガスの太陽光発電システムをご紹介します。ガス+太陽光でもっとエコな住まいを。

とはいえ、火力発電や送配電網でエネルギーの損失が発生することは事実であり、電気の地産地消が最も効率の良いエネルギーの作り方と使い方であることは確かだ。

そして、東京ガスがなかなか上手いなーと思ったのは、太陽光発電が天候や時間帯に左右される不安定なエネルギーであることを指摘したうえで、だから太陽光をガスと組み合わせるのがベストだと自分の営業分野に持ち込んでいるところだ。

しかも、それを踏まえたうえで「最適な設置方法をシミュレーションするサービスを無料で提供」とか、営業の導線にしっかりと誘導しているワケ。

東京ガスに親しい営業さんがいる一戸建てのご家庭なら、じゃあ電気を東京ガスに切り替えて、ついでに太陽光発電もしようかしら、等と考えても不思議じゃなさそうである。

東京ガス自身が運用する太陽光発電所や再エネ発電所

電力小売りへの参入とともに東ガスが注力しているのが、太陽光発電など再生可能エネルギー由来の電力を作り、顧客に届けることだ。

このため、東京ガスはグループ内でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設や運転を行っている。例えば、次のような太陽光発電所がそうである:

  • 安中市太陽光発電所(群馬県安中市):63MW
  • 志賀町猪之谷貯水池太陽光発電所(石川県羽咋郡志賀町):2.6MW
  • 羽咋市新保町太陽光発電所(石川県羽咋市):2.7MW
  • 綾部太陽光発電所(京都府綾部市):4.9MW
  • 岩国由宇太陽光発電所(山口県岩国市):23.5MW

出典:東京ガス:太陽光発電事業東京ガス プレスリリース

さらに太陽光だけでなく、風力やバイオマスなどの発電事業も手掛けている。

ロシアのウクライナ侵攻等により、天然ガスは世界的な供給不足から価格高騰が続いている。
本業のガス供給では調達面で先行きの不透明さが拭えないなか、東ガスとしては再生可能エネルギーによるエネルギー多様化やリスクヘッジという面も小さくないようだ。

東京ガスは「ガス展」で小売り電力をコッソリ営業?

上述のくだりにも少し絡むが、これ以降で2016年4月から施行されている電力小売りの自由化についてつらつらと書いてみたい。

きっかけは、筆者宅に投函されていた一枚のチラシ:

東京ガスの「ガス展2015」販促チラシ

東京ガスの「ガス展2015」販促チラシ

チラシの下の方が切れてしまったので念のために明記するが、このチラシは東京ガスが毎年行っている販売促進キャンペーン「ガス展」の集客のために関東一円で配ったものである。

ビラ配りにも当然おカネがかかるが、東京ガスの場合は検針員さんに検針のついでに配ってくれ、という手を使えば他にアルバイトやパートを雇ったり、外部委託したりするより安上がりに(というよりは、チラシの印刷代以外はほぼゼロ円で?)配布できそうである。

電力小売り自由化:小さすぎ遅すぎでも全然無いよりマシ

これまでに、電力の全面自由化がかなり骨抜きにされてしまったということを例えば次の記事で書いている:

電力業界の「悪代官」と「越後屋」による”新電力潰し”と”再エネ潰し”とは
電力システム改革の課題と可能性・・・? (「太陽光発電パネルは経年劣化する」の続き) CELCの発電データ報告会のあと行われたセミナー、実は当初それほど期待していなかったのだが予想に反して非常に良い内容だった。 電気事業法の改正と電力自由化

しかし、それでも小売り電力の自由化によって、これまでの管轄ごとの地域独占から、電力業者間の競争と消費者側における選択の自由という新たな段階に移行することは確かで、この変化自体はもちろんプラスである。

選択の余地が無いために、モラルハザードの王様である東京電力から嫌々ながら電気を買っているという現状から離脱し、もっとマシなエネルギー事業者に乗り換えることだけは可能となりそうだからだ。つまり、競争や選択肢が全然無いよりは、どこか他の業者を選べる自由が少しでもある方がマシということである。

理想的には、太陽光をはじめとした再エネをたくさん使う業者とか、そういうのが良いのだが、まず最初の一歩としてはとにかく「脱東電」。

東京ガスを含む新電力なら、モラル面で東電ほど酷い所はないし原発再稼働とかフザケタことを言わないので、料金支払いも面倒なコンビニ払いを銀行口座からの自動引落しに戻しても良いと考えている。

ただ、筆者の場合、現在は団地住まいであるため、その団地の中でも、各戸が電力事業者の乗り換えを行うことが出来るのかどうかが不明である。せっかくなので、チラシで案内してもらったこともあり、プレゼントなどもあるので、最寄の東京ガス・ライフバルに今週末にでも行って乗り換えできるのかなど聞いてみようかと思っている。

脱原発や脱電力大手の意思を明確に示す好機が到来

このチラシ、表側だけだと東京ガスが電力販売を始めるということに気が付かない可能性もあるが、裏側も見ると赤く目立つ大きな字で「電力販売を開始します」とはっきり書いてある:

「ガス展2015」チラシの裏側

「ガス展2015」チラシの裏側

東電も電力小売り全面自由化で自社顧客の10%が他社に流出することを想定して防戦の準備を進めているが、原発事故の責任をロクに取っていない東電が嫌いだ、許せないという筆者のような人も結構いるのではないだろうか。

東電がいくらロゴマークを変えようが、ポイントを付けようが、そんな小手先の子供だましの策には筆者は騙されない。いくら外面を変えても、モラルハザードの実態には変化が無いからだ。

また、他地域、例えば九州でも、国民の大半が反対する原発の再稼働を強行した九州電力からは電気を買いたくないと言う人が結構いることだろう。伊方の再稼働を進めている四国電力も然り。

そういった云わば「アンチ電力大手」の人(筆者を含む)にとっては、とにかくそれら電力大手以外にまず乗り換えることが、消費者として選択の権利を行使するという意味で極めて重要なのである。

随分と弱体化させられたとはいえ、「腐っても鯛」。電力小売り全面自由化は、エネルギー供給事業者を選ぶ権利が一般消費者にも与えられると言う点で歴史的な意義がある一大事だ。

冒頭のチラシで明らかなように、顧客争奪戦は来年4月を待たず既に水面下で始まっている。

電力小売り全面自由化が施行されて数年が経っているが、既存電力大手と東京ガスなど新電力との間で小売り顧客をめぐる「仁義なき闘い」が今後もますますヒートアップするだろう。

一方、脱原発や脱電力大手という意思表示を明確にしたい人にとっては、願っても無い時代になったのである。

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