「太陽電池バブル」後に残るものとは

この記事は約2分で読めます。

太陽光発電事業者にとって興味深い記事が日経ビジネスオンライン「記者の眼」に掲載されていたのでご紹介しよう。

静かに終わる太陽電池バブル 幕を下ろしたメガソーラー投資

詳しくは上記のリンクから記事をお読み頂きたいが、要約すると以下の通り:

  • 買取価格が32円/kWhとなり事業性が悪くなったので、これまでメガソーラーを積極的に手掛けていた大林組、ソフトバンク、オリックス等といった大企業の多くは太陽光発電事業への投資をストップ
  • 「太陽電池ブローカー」のような業者や設備認定だけしておいて実際に発電を行っていなかった悪質な事業者に対しては経済産業省が認定を取り消すなどして一掃
  • メガソーラーの投資は確かに減少するが、グリーン投資減税やソーラーパネル部材などの価格下落により、今後も3~5GW程度の新規投資は継続的にありそうという見方が大勢
  • 固定価格買取制度によって市場が拡大し太陽電池が安くなったため、2014年からは放っておいても市場が拡大する時代に突入。今後数年で日本市場も「グリッド・パリティ」に
  • 今後は単にソーラーパネルを設置すれば儲かると言う時代では無くなるが、工夫次第では新しい商機もありそう

ということで、この記事の主旨自体はそれほど目新しいものではないかもしれないし、太陽光発電ムラでも32円/kWhでも利益が出るプチソーラーという方向性を追求しつつある。

逆に、プチソーラーを主体に取り組む我々から見ると、送電線の取り合いになったりであまり好ましい存在では無かったメガソーラー事業者がいなくなるとすれば、かえって好都合になると見ることもできるかもしれない。

まとまった土地がもう無いというのも、メガソーラー事業者の視点では恐らくその通りだと思うが、そもそもメガソーラーには小さすぎて使えず彼らが目もくれないような200坪、300坪の土地が50kW前後のプチソーラーには元々ちょうど良いのである。

太陽光発電システムの事業者も、メガソーラーを手掛ける大企業が市場からいなくなれば、家庭用とプチソーラーからせいぜいミドルソーラーを手掛ける我々のような個人~中小企業の事業者しか客がいなくなるので、我々からすれば買い手市場ということになってくるかもしれない。

ということで、見方を変えれば32円/kWh時代というのは、手と頭を使う50kWプチソーラー事業者にとってはまだまだチャンスということが言えそうである。

コメント

  1. 蛇野 より:

    おはようございます。
    報道等では、認定取り消し、価格の抑制、総量規制などソーラー規制のような報道されています。
    申込時なのか発電開始時なのか?はっきりしない所もあります。既存設備はどうなるのか?不安は尽きない所です。
    何にしても早くやるというスピードが求められているのかもしれません。
    金融機関も融資に慎重になって来るのでしょうか?
    ソーラー逆風ですが、生き残るにはどうすればいいのでしょうか?

  2. bigfield より:

    蛇野様、

    いつもコメントありがとうございます。

    本件、長くなりそうですので、コメントよりも1本の記事として回答をさせて頂きますね。

    といっても、私がサバイバルの方策をすべて示すことが出来ると言う訳ではけっしてないのですが、他の読者様たちとも何らかの議論なり、道筋を示すことなりには繋がることを期待できると思います。

    ともかく、少々お時間を下されば幸いです。