既報の通り、本日の午前中に最寄りの税務署で開催された青色申告の記帳説明会に参加してみたので、その模様について記しておきたい。
グリーン投資減税の絡みで、50kWクラスの太陽光発電所を1基以上保有・運用している方は、法人とならず個人事業のままでも筆者のように青色申告を選択される方も多いと思う。
税務署も全国津々浦々にあり筆者の最寄の税務署で行われることは、恐らく他の地域でも同様と思うので(今後同様の説明会がある場合)、参考になれば幸いである。
まず、結論から言うと今回の記帳説明会が全く役に立たなかった訳ではないが、会社員(=筆者)が有給休暇を半日取得してまで参加するほどでは無いかなとも感じた。
青色と白色の両方に共通の説明会は、いずれかにしか関心の無い人には時間効率が悪い
というのは、青色申告だけでなく白色申告の人も対象なので、結局その両方に共通の話となっていたからだ。
例えば、青色申告の概要紹介やメリットの説明というのが最初の方で30分ほどあったが、これは青色申告の届け出をしてしまった筆者にはほとんど蛇足の話でちょっと時間的にもったいないと感じた。
ちなみに、今年度から白色申告でも確定申告書だけでなく、簡易的でも記帳が必要と法律が改正されている。この説明会でキャパシティ100名はあろうかという会場がほぼ満員となっていたのも、白色での記帳が義務付けされたからかもしれない。
その後、数分間の休憩をはさんで、いよいよ帳簿の記帳の仕方を1時間ほど説明してくれたのだが、それが青色申告で必要となる複式簿記ではなく、白色申告や青色の簡易帳簿の記帳方法だった訳だ。
複式簿記や会計ソフトの話はなく少々期待外れだったが…
なので、複式簿記やどんなソフトを使えば良いかといったことも話してくれると思っていた筆者には少々期待外れだった。
とはいえ、簡易記帳でも複式簿記でも、そのベースとなっている税法や必要となる帳簿の種類は同じなので、その辺での話はそれなりに参考にはなった。
筆者の場合、まだメインの所得は給与所得だが、それを補完する事業所得をネットや原稿、講演、それに太陽光による発電事業から得ている。
その結果、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳、総勘定元帳などを記帳し所定の期間(=7年間)保存しなければならない。
例えば、太陽光発電所の施設は固定資産であるから、固定資産台帳にその額をきちんと記帳して定額法か定率法による減価償却を行わなければならない。
また、購入した発電所についても最初は売買契約のみであり代金の支払いは発電所が完成し系統連系が完了した時点で引き渡しが行われてからだったので、この一連の経緯を貸方と借方に仕分けして買掛帳などに記帳しておかなければならない訳である。
この辺り、かなり前ではあるが筆者は経営学の一環として財務会計を学んだことがあり、かなり忘れてしまってはいるものの、一度齧った複式簿記の知識を総動員しながら今回の説明を聞いていた。
確かに、会計や簿記の知識が全く無い方には、こういった記帳をこなすのは結構厳しいものがありそうではある。
この説明会は税務署の記帳指導に誘導するための導線?
ただ、現実問題としては、記帳を紙と鉛筆(またはペン)でやるような時代では既に無い訳で、パソコンと何らかの会計ソフトを使うのが現在のビジネスではほぼ常識である。
ということで、そういった実際的な知見やノウハウを期待していたのだが、今回そこまでの話が無いと思っていたら、夏頃を目途に税務署が無料で記帳指導を何らかの形で行ってくれると言う話なのだ(実際に指導を行うのは税理士や青色申告の指導機関)。
つまり、今回の記帳説明会はその記帳指導に誘導するための導線だったようにも思えるのである。
この辺、なんとなく利権や天下りと関係があるような気もするのだが、確定申告や記帳を税理士の先生に丸投げできるほどの収入を得ていない筆者のような者には、税務署が無料で行ってくれる記帳指導などは活用しない手は無い訳である。
ということで、今回の説明会の案内に同封されていた記帳指導に関するアンケートを、今回の説明会のアンケートと一緒に記入し提出してきた。この辺、どうも税務署の手練手管にやられた気もするのだが、まぁ良いだろう。
そろそろ今年の経費の領収書も相当に溜まってきていて、青色申告のための記帳を開始しなければと思っているので、場合によっては夏まで待たずに始めるかもしれないが、無料の記帳指導の機会は適宜活用したいと考えている。
コメント
こんにちは。
経理をどうするのかが非常に悩みます。
お金があれば丸投げにしたい所です。
ソフトがあるので助けられマsが、正しい処理になっているのか分かりません。
会社組織を立ち上げるとこれ以上に大変になります。こんなことに悩むと何のためのソーtラーなのか?疑問になります。
蛇野さま、こんにちは。
個人や中小企業だと、仰る通り経理会計は皆それぞれ色々と苦労しているのだと思います。
もちろん、可能な限り正確な記帳を行うべきと思いますが、あまり思いつめなくても良いのではないかと。
(税務署のチェックが入る可能性は、普通はそんなに高くないでしょうし)
私も青色申告は今年が初めてでそれなりに大変だと思ってますが、それ自体も楽しむつもりで肩の力を抜いて取り組むつもりです。
お互い、あまり悩まずに、頑張りましょう!