系統連系が抱えている3つの問題点

この記事は約3分で読めます。


去る1月10日の金曜日の午後、筆者が50kW太陽光発電システムの施工を依頼しているS社の担当S氏から中国電力(中電)との系統連系の状況に関して電話で連絡があった。

系統連系の作業そのものについては何も問題は無いようなのだが、中電が打診してきた系統連系工事の費用が従来と比較してどうも高すぎるらしく、それについてのご連絡とこちらの意向の確認ということだった。

結論から言うと、我々が推定していた費用(20数万円~30万円未満)の倍程度になるという連絡が中電からS社にあったというのである。これまで中電の対応には特に問題は無かったのだが、ここに来てやはり…と言う感じだ。

低圧でも連係拒否とか、力率制限などといった話も聞いているので、そういった最悪のケースに較べればこの程度の問題はまだマシな方かとは思うのだが、やはり立腹ものであることに違いはない。

現状、系統連系に関しては中国電力に限らず以下のような問題があると認識している:

  1. 各地域における管轄の電力会社の独占であり、費用が高い
  2. 出たとこ勝負で、各電力会社から回答があるまで金額も不明
  3. 交渉の余地がほとんどない

競争がない地域独占で連系費用が高い

まず地域独占とそれによる連係費用の高さ。

いずれ自由化されるとは言え、まだ各地域ごとに完全な独占状態にあるのが電力業界。
したがって、許認可制とはいえ一般的なビジネスと異なり相見積も無ければ、競合の状況を見ての値下げなんてことも無い。

もし送電網への連係で他に選択肢があり、同じ品質と内容のサービスが提供されるのであれば、何らかの利害関係などが特に無い限りは価格は安い方を選ぶのが普通だろう。
系統連系においては、そういった一般的なビジネス慣習も通用しないのである。

出たとこ勝負:電力会社から回答があるまで金額も不明

次に、電力会社からの回答があるまで金額も不明ということ。
なぜ、こんなことが民間の企業に許されるのか良く理解していないのだが、これも地域独占のなせる業というところだろうか。

現在、固定価格買取制度で太陽光発電事業に参入する事業者はまさに「雨後の筍」状態だが、各電力会社と何らかの利害関係を持っていない限り、系統連系だけはどの会社も、特に50kW以上の高圧連係だと、頭が痛いプロセスではないかと思う。

50kW未満の太陽光発電所ならまだ連係がほぼ可能な地域が多いと思うが、価格の透明性にも大きな問題があるということを今回は筆者も痛感させられるということのようだ。

値下げや条件などで交渉の余地がほとんどない

そして、この問題が発生した際においても、交渉の余地が発電事業者側にはほとんど無いということである。これもとどのつまりは電力業界が10社による各地域ごとの完全な独占状態にあることの弊害と言うより無い。

価格もそうだが、他の会社との競争があれば、普通こういった親方日の丸(お役所)的かつ一方的な値付けや費用の請求など行われるはずがない。

我々が目の敵にしている原発もそうだが、電力業界が「国策民営」であることの弊害と言わずして何と言うべきか。

まだ正式な回答を筆者の方では頂いていないので、具体的な対応はそれからとなるが、泣き寝入りしてそのまま中電の言いなりにはならず、一応こちらとしても先方に対して何らかの抗議をしようとは考えている。

その経過については、また本ブログで公開して行こうと思うので、読者諸兄のご参考になれば幸いである。と同時に、何か良い抗議手段や対応の方法などご存じの方がいたら下のコメントなりコンタクトフォームより是非ご教示頂ければ大変ありがたい。

【追記・関連記事(2016/1/18)】:

東広島の太陽光4号基、連系工事負担金が確定し一歩前進
連系関連の電気工事をお願いしているD社のO氏より、中国電力の東広島営業所による系統連系工事の負担金が確定したと連絡があった。 はたして、その金額は約48万円とのことである。 当初の想定よりもかなり安くて済んだので、彼も筆者も胸を撫で下ろした...

コメント