6/15の記事「「太陽電池バブル」後に残るものとは」に対して、読者の蛇野さまより以下のようなコメントを頂いた:
報道等では、認定取り消し、価格の抑制、総量規制などソーラー規制のような報道されています。<中略>金融機関も融資に慎重になって来るのでしょうか?
ソーラー逆風ですが、生き残るにはどうすればいいのでしょうか?
筆者がこの難問に対して確固たる解答を持っているわけではないが、筆者自身の考えを示すとともに、他の読者の皆様からのフィードバックと議論のきっかけとなる論点としたい。
まず、太陽光発電に対する逆風だが、既に認定された売電価格で運営されている発電所に対しての政策的な変更というのは基本的に無いと考える。
その根拠は、我々のような個人や中小企業、それに国内の大手企業だけでなく外国資本(大手の多国籍企業や投資ファンド等)も日本の太陽光発電に投資しているからだ。
もし政府がちゃぶ台をひっくり返す形で、20年間保証されているはずの買取価格を変えたりすれば、20年間の買取価格が不変という前提でファイナンスを行いメガソーラーに投資を行った企業の投資計画や収支が狂うので、裁判沙汰も避けられないはずだ。
なので、よほどの事が無い限り、そういった発展途上国のような拙い朝令暮改を行うことは無いと筆者は考えている。もちろん、例えば日本の財政が破たんするような事態がもしあれば、そういった政策変更の可能性が絶対にないとは言えないが。
40円、36円で設備認定を行った土地でまだ太陽光発電所が出来ていない所に対しては、既に認定取り消しが行われた所もあるようで、ただちに工事に掛からないと粛清の対象になることはあるだろうし、それは仕方がないと思う。
32円の今年の分も認定されれば、20年間の買取保証はされるはずだが、収益性が下がっていることは確かで、何らかの工夫や努力が必要になるということは元の記事でも指摘させて頂いた通り。
金融機関の融資姿勢に対しては、筆者は金融セクターの事情には疎いので何とも言えない。
ただ、国内の事業機会は非常に限られていて、防衛などごく一部の特殊な産業セクターを除くと、現政権のあまり中身の無い成長戦略では国内の需要喚起は難しい。
となると、買取価格が下がったとはいえ、全量買取がまだ有効な太陽光発電、さらには新たに設定された洋上風力を含めた風力発電など再生可能エネルギー分野以外に投資や融資の需要が見込めるセクターはあまり無いのではないだろうか。
ただでさえ人口減少や高齢化で需要が減少しつつあるのに、消費増税など行ってしまっている現政権の経済政策では、自然エネルギーの他に金融機関がおカネを出せるような新規事業は他にはあまり無いので、来年度によほど現行の優遇制度が縮小されない限り、国内金融セクターが太陽光だけを狙い撃ちにして融資を絞り込むというのはやや悲観的すぎと考える。
きちんとした収支計画と返済さえしっかりと行えることさえ客観的に示せれば、融資する金融機関はそれなりにあると個人的には思う。
以上、私見だが、ご意見や異論のある方は是非コメントをお寄せ下されば幸いである。
コメント
おはようございます。
申し込みはしていても、連係工事に1年2年掛かるような状況も発生しております。
そうなると、申込時なのか連係時なのかで大きく変わってきます。
総量だと1年2年先に設置が進んでいた場合は、どういう扱いになるのだろうか?
1年先、2年先だと、現在決まっている融資はキャンセルということになるのだろうか?
そのとき融資が出るかどうか?
ソーラー投資をしてもいいのかどうか非常に不安を抱えての決断をしないといけない。
はっきりしてないかなでの憶測に過ぎませんがどうなるのか非常に気になります。
蛇野さま、
問題がいくつか複合しているようですので、一つずつ分解して対策を考える必要があると思います:
1. 連係工事が長期に渡ると言われた場合
2. 融資
3. 総量規制など、政策面での抑制
いずれも私には少し荷が重い気がします。
すぐに答をご提示できないのですが、またコメントまたは記事など何らかの形で議論を続けられればと思います。