中国インリーグリーンエナジー(インリーソーラー)が、1:10の株式併合(reverse stock split/リバースストックスプリット)を実施すると17日に発表した。
この株式併合は、現在の同社の米国預託株式(ADS)を一株0.01米ドルの通常株式10株に割り当てることによって行われる。期日は12月28日で、同日以降は新しい価額が有効となる。
株式の分割や併合では株式の数や一株の額面価格が変わるが、その前後で株主が保有する株式の本質的な価値に変わりはない。例えば、インリーの株式を1000株保有している投資家がいたとする。その株式の価値は現在1000株×0.51ドル/株=510ドル。この株主の株式は12月28日以降、100株×5.1ドル/株=510ドルと総額は同じままだ。
今回のインリーの株式併合は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場基準を満足させることを目的として実施される。
インリーもニュースリリースでは「株主の最善の利益のために価額の変更を実施する」としているが、同時に「価額の変更によってこの目的が必ず達成されるという保証はない」とする。
インリーが株式併合を発表した後の同社株価の動きは、依然として冴えないままだ:
この3ヶ月間は9月末の一株当たり0.33ドルの最安値を更新後にやや持ち直し一時は一株当たり1ドルのNYSE上場基準を上回るかとも思われたが、10月19日の0.95ドルを高値にズルズルと値を下げつつある。
インリーの状況については、相変わらず予断を許されない状況が続いているが、すぐに経営が破たんし倒産する訳でもなさそうである。
ただ、株式併合による上場基準の維持がどの程度効果があるかが一つの目安となる。もしこの策が不発に終わり、NYSE上場が廃止となれば、やはり財務面や同社の事業継続性に対してのダメージは相当なものとなりそうだ。
コメント
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4117.html
国内でもヤバいですねえ。
匿名希望さま、
コメントありがとうございます。お返事が遅れ大変失礼しました。
岡山のジャパンエネルギーグループ、当方に関連の深い岡山の企業ということもあり、記事にしようかと思ったのですが、しそびれてしまいました…
いずれにしても、固定価格買取制度や税制優遇の措置が次々と終わるなか、今後もこういった太陽光関連の企業の倒産や破綻が起こりそうですね。