ソーラーフロンティア、世界初の曲がる太陽光パネルを2018年に発売

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ソーラーフロンティアが曲がる太陽光パネルを2018年に発売するという。

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ソーラーフロンティアの「ベンダブルCIS太陽電池モジュール」
(出所:ソーラーフロンティア)

日経電子版のニュース報道を見て、ソーラーフロンティアのホームページを確認したところ、新聞発表が更新されていた。シンガポールの港湾会社であるPSA Singapore Terminalsの第3ターミナルビルにソーラーフロンティアが製作した試作品のベンダブルCIS太陽電池モジュールを設置したということである。

ともかく、曲がる太陽光パネルは、薄膜の化合物系太陽電池とそれを使った太陽光発電パネルを製造するソーラーフロンティアが世界で初めて発売するという見込みである。野立ての産業用太陽光発電所で導入する可能性はほとんどないだろうが、住宅やビル、自動車など様々な場所に太陽光発電を導入する可能性が広がりそうだ。

日経の記事によると、この曲がる太陽電池は、一枚の大きさが1×1.3㎡、重さが6kg、厚さは1.5mm。

ソーラーフロンティアは、現在でも住宅用の太陽光発電パネルで厚さがわずか6.5mmの「Solacis neo(ソラシス・ネオ)SFR100-A」という製品を販売している。

この曲がる太陽電池を使えば、ガラスより軽い樹脂を使い重さがさらに70%低減されるうえ、曲がるという特徴をフルに活用して、住宅やビルなどの壁や屋根の形状に合わせて太陽光発電システムを導入するといった可能性が出てきそうだ。

同様にこの曲がる太陽光パネルを自動車の屋根やボンネット、トランク、ドアなど車体のほぼ全面に貼り付けるといった可能性も考えられる。

従来型の化石燃料を使うエンジン車だとボンネットが熱くなるので難しいだろうが、電気自動車(EV)なら大丈夫だろう。発電機の場所が配慮されていれば、レンジエクステンダ―付きEVでもOKだ。

もちろん、この太陽電池の変換効率が高いといっても高々13%なので、車体全面に貼り付けたとしてもそのEVの駆動エネルギーとするには無理があるが、LEDのヘッドライトやウィンカー、カーオーディオやカーナビ、エアコンといった車内外の電装品程度なら相当の電力を賄えるだろう。

ただ、いずれにしろ、まだ3年ある。

競合で薄膜化合物系の太陽電池を製造するメーカー、例えば米First Solar(CdTe系太陽電池を製造)や台湾TSMC(CIGS系太陽電池を製造)などはソーラーフロンティアに対抗して曲がる太陽光パネルの開発と製品化を急ピッチで進めてこの「曲がる太陽光パネル」市場セグメントに参入してくるかもしれない。

ともかく、ソーラーフロンティアがこの曲がる太陽電池とそれを使った曲がる太陽光パネルを市場投入する時が楽しみである。

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コメント

  1. むく より:

    自動車のルーフやボンネット用の太陽光パネルを流通させてほしい。