シャープの支援銀行の関連会社がシャープ株を空売りしている件

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シャープ(6753)
シャープについて一昨日、インリーと対比する記事を書いた。
その後、そのシャープ関連で衝撃的なニュースを知ることとなったので、またシャープ…ではあるが記しておくことにした。

このシャープに関するニュース、ネタ元は個人投資家である深田萌絵さんのブログ:

深田さんはシャープに関して最近いくつかの記事を書いており、どれも非常に興味深いのだが、このニュースは株式の信用取引状況という客観的なデータが存在するので、事実のはず(筆者としては、空売り残とか信用取引の詳細についてそれほど詳しくないが)。

財務面で支援中のシャープを裏では「食い物」に?

筆者の論点はただ一つ、経営危機に陥っているシャープを財務面から支援しているはずの金融機関が、裏ではコッソリと支援先企業(=シャープ)の株を空売りする、つまり潰れると見た会社の株を売り浴びせて金儲けしていることが、法的には問題ないとしてビジネス倫理的にはたして容認されることなのか、ということである。

念のために申し添えておくと、シャープを財務面で支援している金融機関は三菱東京UFJ銀行、シャープ株の空売りを行っているのは三菱東京UFJ銀行のグループ会社である、モルガンスタンレーMUFG証券である。

モルガンスタンレーMUFGは、米モルガンスタンレーが51%とマジョリティを持っており三菱UFJグループが49%でマイノリティだが、その差はわずか2%であり、れっきとした三菱UFJグループの関係会社であることに変わりは無い。

そのモルガンスタンレーMUFGが、親会社の三菱東京UFJ銀行が支援しているシャープの株を空売りして金儲けしている…

これは、ある意味で理解に苦しむが、MUFGに言わせると同じ系列とはいえ別会社だから「我、関せず」ということなのだろうか。まさか、MUFGのお偉方が、関連会社のモルスタMUFGが同行の支援先企業(=シャープ)の株を空売りしているという事実を知らないはずはない。

(もし本当に知らないとしたら、企業統治上、非常に大きな問題ということになるが…)

仮に、もし両社が知っててやっているとしても、3.11以降モラルハザードが蔓延しているこの国で起きていることなので、もう別段驚きもしないが、

「カネ儲けのためとはいえ、マジえげつないことするよなぁ…」

というのが筆者の率直な感想である。

シャープの債権放棄で被る損失を系列会社によるシャープ株の空売りの儲けでカバーする戦略?

表面的には企業の社会的責任を標榜しているような会社が、法的には問題ない(のか、深田さんがブログで指摘しているように、インサイダー取引の疑いがあるのか、筆者は分かりかねるが…)と、系列会社による株の空売りを黙認するというのは、ビジネス倫理的には極めて問題がありそうに思える。

(現に、深田さんはそれを投資家向けサイト「みんかぶ」にコラム記事として書いたところ、そのコラムを凍結されてしまったそうである。)

もしかしたら、産業革新機構にシャープに対する債権の放棄を求められているので、その債権で損こく分を、グループ会社(だけど、別会社w)のモルスタMUFGによるシャープ株の空売りの儲けでカバーするということなのかもしれない。

もしこの事実を日本の当局(財務省や経済産業省)が知っても、なんら問題がないと判断するのだろうか。この件、野党の国会議員さんが知ることとなったら、是非国会で質問してみて欲しいものである。

もっとも、ここで問題となっている財閥グループの商社には、総理大臣の実兄が取締役として勤務していることもあり、またのらりくらりと良く分からない屁理屈ではぐらかすのかもしれない。

(当の本人が、庶民の肌感覚からかけ離れていることは、つい最近の「パートの月給が25万円」という、まったくもってあり得ない認識不足な発言からも明らかだが…)

なにしろ、放射能汚染された地域に子供たちをモルモットのように住まわせ続ける一方で、最高裁判事が原発メーカーなどに今も天下り、再稼働OKと無責任な司法判断をするという感じで、モラルハザードがバナナのたたき売り状態で蔓延しているのがこの国だ。

もう本当にどんな非倫理的なこと、えげつないことでも、カネ儲けのためなら何でもやる政治家とか官僚、越後屋みたいな企業がいても、全然おかしくないと思う。

ただ、同じ人間として、そういう輩たちは最低の「クズ」だと個人的には思っているが。

シャープ株の空売りが大騒動にならないのは報道規制?

ところで、シャープではリストラされそうで苦しんでいる社員とか、なんとか立て直そうとして必死に頑張っている人もいて、ツイッターでは次のようなつぶやきが注目を集めている:

その一方で、このシャープ株空売りの件があまり大きな騒ぎになっていないのは、やはり最近流行りつつある報道規制のせいだろうか? それにしても、液晶事業が苦しんでいるとはいえ、シャープの株価が下がる背景には、こういう事情もあるのだと妙に納得した。

(このブログには大したアクセスもないので、大丈夫と思っているが、本ブログのサーバが攻撃されたり、アカウントが凍結されたりなんてことがもし起きたら、その時はその種の「報道規制」が及んだものとご理解頂きたい。深田さんのアメブロも削除されるかも?)

コメント

  1. 蛇野 より:

    三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を新規に「バイ」、目標株価を180円としております。
    同じ会社であってもセクションが違うと、機密やコンプライアンスの関係でわからないようになっています。
    空売りと言っても、損失を防止するためのヘッジ売りかもしれません。
    意図的に株価を下げるための空売りは、最近では村上ファンドに、強制調査が入りました。

    • 美具琲瑠弩 より:

      蛇野さま、

      コメントありがとうございます(本コメントではお返事が大変遅れました、ご容赦下さい)。
      色々な可能性があるということですね。

      この記事を書いた時点から既にかなり経ってしまってますが、一時は180円を超えたシャープの株価は現在139円とまた急落中です。どう転ぶのか、引き続き注視したいと思います。

  2. 団子 より:

    深田萌絵さんのブログが観覧できなくなってます。三菱東京UFJが動いてますね。

  3. 美具琲瑠弩 より:

    団子さま、

    コメントありがとうございます。
    確かに、深田萌絵さんのブログはアメブロもフカダモエインフォも全部閲覧できないですね。
    深田さんも負けずにバックアップブログをすぐに立ち上げているので、4番目か5番目のブログは閲覧が可能なようです。ただ、これらもまたDDoS攻撃でやられる可能性があります。

    今日日ソーシャルも色々と使えるので、ネットでの情報拡散を体制側や大きな組織が完全に遮断するのは困難です。深田さんご自身に身の危険が及ばない限りは、シャープと三菱東京UFJの件も情報の発信は可能だと思うので、深田さんには頑張って欲しいです。

    当方も国益の維持や防衛という点や深田さんへの敬意から、彼女の情報拡散には及ばずながら協力したいと考えています。