この連休中、低圧の産業用太陽光発電所をほぼ自作(DIY)で設置される方のお手伝いをしてきたので、その模様をレポートする。
この発電所の設置場所は、埼玉県中部の某所で日照条件は良好である。
オーナーのNさんは、不動産業者に依頼して坪単価1万円ほどでこの土地物件を入手されたという。
やや小さめで形状は南北に細長く、太陽光パネル200枚をギリギリ配置できる程度であることが、現地を実際に見て作業をしてみて分かった。
Looop社の太陽光発電所自作キットを採用、架台は新型
こちらでは、自作がやり易いLooop社の低圧太陽光発電所キットを採用している。
具体的には、260Wのソーラーパネル200枚(正確には現行キットでは192枚)で約50kW、9.9kWのパワコン(田淵電機製)×4台=39.6kW、架台一式という構成となる。
なお、このキットでは単管パイプを使った従来型のタテ3段の架台から、アルミ製のタテ4段型の架台に更新されていた。今後、Looop社の太陽光発電自作キットではすべてこの新型の架台を同梱するようだ。
この太陽光発電自作キットの価格は、Looop社の公式ホームページによると790万円(税別)、kW単価約15.8万円である。
太陽光のkW単価は下落が相当に進んでいるため、この価格水準が最安ではないが、低圧の産業用をまず一基DIYでやってみたいという方には良いのではないかと思う。売電価格にもよるが、Looop社が主張するように数年で投下費用を回収することは十分に可能である。
太陽光発電システムの設置を施工業者に依頼すれば工事費用もかかるが、800万円(ほぼ全部の工事を自作で行える場合)~1000万円(工事を外注する場合)程度で40kWの産業用太陽光発電所のオーナーになれるという訳だ。
総勢4名の作業にてパワコン設置を優先
今回、筆者がお手伝いさせて頂いた作業は、架台の組み立てやソーラーパネル設置、パワコン設置などである。
杭基礎の打ち込みは完了していたが、その上に組む架台の横方向のフレームを作る作業がまだ相当に必要で、それを電動のインパクトドライバーで行った。今回は、3本のアルミ部材を繋げて1本の横フレームを構成した。
また、必要に応じてソーラーパネルを二人一組で設置したり、ソーラーパネルを固定する金具を六角レンチで増し締めしたりといった作業を行った。
あと、Nさんがこの日必ず行いたいとしていたのが、パワコンの設置。
これは他の工具や機械を使えば1人か2人でも可能だが、そういったものがないと最低3人は必要だからである。
この日はNさん自身を含め総勢4名での作業となったため、パワコンの設置をパネル設置や架台組み立てといった少人数でもできる作業より優先させて行った。
パワコンの設置は昨年の秋に山梨県北杜市でも経験していたが、数十kgのパワコンはやはり最低2人がかりでないと持ち上げて運ぶことができない。
3人いれば残りの1人が架台へのネジ止めを行え、さらにもう1人いればパワコンを運ぶ時やネジ止めの時により楽に作業が出来る。
前日までに40枚程のパネルが設置されていたところ、この5/4の作業を終えた時点で100枚までパネル設置を進めることができた。
Nさんによると、6日までの継続作業で200枚のパネルをすべて設置完了したという。
アルミ製の新型架台で施工性が向上
Looopの太陽光発電キット、架台が新型に更新されたことにより、施工性が相当に向上しているという。一方、細かいところでは、まだ改善の余地もあった。
例えば、ソーラーパネルを設置する横フレームの組み付けでは、ソーラーパネルの幅(=992mm)に合わせて横フレームを架台に取り付ける。このとき、その幅をきちんと図って横フレームを固定する必要があるのだが、そのためにはメジャーでいちいち長さを測ったりしていたのでは作業効率が落ちる。
そこで、Nさんは梱包用の木材を活用して横フレーム分の長さの治具を作り、それを使って横フレームを取り付ける間隔を決められるよう独自に工夫していた。
こういった治具ももし予めキットに同梱されていれば、わざわざ木材を切って自作する必要はないので、今後の善処を期待したいところである。
いずれにしても、産業用太陽光発電所を初めて設置する人などにとって、ソーラーパネル、パワコン、架台、配線用部材や分電盤、説明書などが全部一通りそろっているのは分かり易いし、キット化する価値もそこにあることは確かだ。
【おまけ】
この愛嬌のあるキャッチコピー(?)には、一同ワロタw。
コメント
ダンボールも中国製造ですね。
つか高いですね。LOOOP
自作用とは言え、自社製品なのに。
工事費ないから安く見えますが
工事の時の怪我や施工ミスでの破損リスクも保険用意されてるんですかね。