太陽誘電の「Solmiv(ソルミーブ)」【CEATEC JAPAN 2014】
先の投稿で遠隔監視(モニタリング)について少し触れたので、CEATECで出展されていて気になった太陽誘電のPV無線遠隔監視システムについてご紹介しておきたい。
太陽誘電のPV無線遠隔監視システム「SOLMIV(ソルミーヴ)」。左がMU、右がSSU
太陽誘電が現在開発中の太陽光発電向け遠隔監視システム「SOLMIV(ソルミーヴ)」は、ストリング毎の出力をチェック可能であり、無線方式の採用によって既存の設備にも簡単に後付けで設置が出来るというのが大きなウリである。
ブースで頂いたパンフレットに取り付け方法の図が載っており、それを見る限りは確かに後付けで比較的簡単に設置が出来そうだ。
具体的には、まず太陽電池モジュールのコネクタを外し、ストリングセンサユニット(SSU)を結束バンドで架台に取り付け、先に外してあった太陽電池モジュールのコネクタとSSUのコネクタを接続する。これをすべてのストリングに対して行い、接続箱やマネジメントユニット(MU)を設置し、無線で接続を確認すれば出来上がりという感じである。
ストリング電流とモジュールの電圧の二つのパラメータをチェックすることで、異常がある太陽光発電モジュールの診断を高精度に可能という。
無線通信で発電データを収集
このソルミーヴは、太陽誘電が、センシング、電源、無線モジュール、ソフトウェア等のすべてを自社で開発したもので、遠からず販売開始だとのことだった。
ちなみにこの無線方式は、周波数2.4GHz、マルチホップ方式のIEEE 802.15.4規格に準拠したもので、スマートメーターなどで採用されている「Zigbee(ジグビー)」か、またはZigbeeと類似したものと思われる。パンフレットの説明には「バケツリレー式に」という記述もあるので、当たらずとも遠からずだろう。
価格もまだ未定との話だったので、筆者はブースで対応して下さった説明員の方に「エコめがね」がまずは基準点となること、現時点では発電所全体の出力しか測定できないエコめがねに対して、パワコン毎に出力を監視できるコンテックの「SolarView Compact」などの商品の方がコストパフォーマンスが高いこと、などを熱く語っておいた(笑)。
現在、自社の太陽光発電所(下記のデモの写真を参照)以外にモニターサイトの数か所で試験的に使用している段階らしいが、基本的にはメガソーラーなどを念頭に置いていたようで、50kWの低圧連系プチソーラーやミドルソーラー向けにも真剣に売ってくれるかどうかは、今後見極めなければならないだろう。
いずれにしても、遠隔監視で機能面、価格面で充実した製品が市場に投入されることは、大変に望ましいことである。PV無線ストリング監視システムということで、RS-485のケーブルの敷設などの工事無しでストリング毎の出力をチェックできるというのは、やはり魅力的である。
価格さえ納得の行くレベルに設定されるのであれば、筆者も採用を真剣に検討したいと考えている。
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