KP-MU1F-SETが2号基で稼働、全発電所で遠隔監視を漸く完成…

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当方が運用する太陽光発電所すべてで遠隔監視システムが稼働

笠岡市にある太陽光発電所2号基の遠隔監視システム「KP-MU1F-SET」の設置が完了した。

太陽光発電所2号基の遠隔監視システム

太陽光発電所2号基の遠隔監視システム「KP-MU1F-SET」(右側の箱内)

この発電所で遠隔監視が可能となったことで、遅まきながら当方の運用する発電所にはすべて何らかの遠隔監視システムが装備されたことになる。

茨城県鹿嶋市の発電所でしばらく発電が止まり一度痛い目に遭ってしまったので、とにかく遠隔監視システムを全発電所に早く設置しようと奮起したのが、一昨年の晩秋頃だっただろうか。

それ以降の太陽光発電所のメンテナンス行脚では、遠隔監視システムの設置作業を最優先に取り組んできた成果である。

当初の予定では2020年末までに完了させるつもりだったので、5カ月ほど遅れはしたが、なんとか当初の目標を達成することが出来た。

現実には東広島の4号基では電流センサに基づく簡易的な遠隔監視システムのみで、発電電力量などの細かいデータもやはり見たいなと最近考えている。

ここにもきちんとした遠隔監視システムを入れるかもしれないが、少なくとも稼働しているかどうかの確認だけは出来ているので、雑草対策など他の作業との兼ね合いも考慮しつつ決めたい。

さて、その2号基の遠隔監視システム、構成は備前の1号基とほぼ同じだが、内容は若干異なる。

その理由は、パワコンがいずれもオムロン製ながら少々異なること、電源を設ける経緯で、1号基ではオフグリッドの太陽光パネルによる電源を、2号基では系統電源をそれぞれ採用するに至ったことなどである。

いずれもオムロン製「KP55M」だが、実は「似て非なるパワコン」

パワコンの違いというのは、同じオムロン製なのだが、オムロンの純正品と他社にOEMで供給された品(以下、「OEM品」)と大きく二種類あるからである。純正品とOEM品では、遠隔監視システムで使用する通信プロトコルが異なるのだ。

2号基での作業中、パワコンを数珠繋ぎに接続し、遠隔監視システムのご本尊「KP-MU1F-SET」でパワコンを認識させようとしても最初は認識されず、どうしてか分からず相当に困った。備前の1号基では、特に問題なく全パワコンが認識されていたからだ。

遠隔監視システム

遠隔監視システムの心臓部。左側が「KP-MU1F-SET」、右上はLTEルータ、右下の赤い箱はDDNS用のRaspberry Pi

オムロンのサポート(今時珍しく、0120で始まるフリーダイヤルだったのには良い意味で驚いた)に問い合わせてみたところ、パワコン間の接続ケーブルやパワコン~KP-MU1F-SET間の接続ケーブルに問題はないか、といったアドバイスを頂いたので、それもチェックしたがケーブルには断線などの異常は特になかった。

もちろん、遠隔監視システム本体の故障がないかも確認した。
(このために、正常に作動中の1号基までわざわざKP-MU1F-SETを持っていき、パワコンが認識されるかを確認したりもした。)

いろいろとトラブルシューティングを行い、ケーブルには異常なし、遠隔監視システム本体にも異常なしということまで判明し、いよいよ何が問題か分からなくなった所で太陽光発電ムラにこの件を投稿した。

すると、上述のようにオムロンのKP55Mには純正品とOEM品の2種類が存在し、両者では通信プロトコルが異なること、その正しい通信プロトコルをパワコン毎に設定すればパワコンが認識されきちんと作動する可能性が高いことが分かったのである。

ちなみに、OEM品の場合、製品の型番も異なる。筆者の場合、1号基はオムロン純正品、2号基では型番に「-KC」というサフィックスが付くOEM品だった。(連系された当初からこの時まで、オムロンのパワコンにこのような差異があることなど全く知らなかった。)

ということで、パワコンのパラメータ設定でオムロンの通信プロトコルを選択することで、最終的には全9台のパワコンがすべて認識され、遠隔監視が可能となった。

オフグリッド電源が失敗、方針を変更し系統からの電源を活用…

電源については、当初は7号基を除く他の発電所と同様にオフグリッドのソーラー電源を使用する方向で準備を進めていたのだが、使用したソーラーパネルに難があったようで(当方の自己責任…)せっかく組んだオフグリッド電源のシステムが期待通りに動作しなかった。

一方、数年前に一度玉砕した第二種電気工事士に昨年再挑戦し、今年初めになんとか資格を取得するに至ったので、その資格を活かして分電盤から交流100Vを取り出し、それを活用することで電源を確保した。

太陽光発電所2号基の分電盤

太陽光発電所2号基(笠岡市)の分電盤。右下の少し細いブレーカーが、今回設置した遠隔監視システム用

分電盤にはブレーカーの取付場所が10ヵ所あり、そのうち9ヵ所が既設のパワコン用ブレーカーで埋まっていたが、丁度良い具合に1ヵ所だけブレーカーのスペースが残っており、今回それをうまく活用することが出来た訳である。2号基は単相で連系していたことも、今回幸いした形だ。

2号基での遠隔監視の作業に本格的に取り組み始めたのは昨年の秋頃からだったと思うが、当初はパワコンのカバーを留めているネジが1ヵ所舐めてなかなか外れず、その対処のために「ネジザウルス」だの「ラスペネミニ」(透防錆潤滑剤)だのを買い揃えて悪戦苦闘していた。

最終的には、舐めたネジの頭に溝を掘り大きめのマイナスのドライバーで回したらなんとか外せたのだが、それ以降も上述のようにパワコンが認識されなかったり、電源がうまくいかなかったり、とトラブルに見舞われた。

それでも諦めずに辛抱強くコツコツ作業を続けた甲斐があり、今回の稼働に漕ぎ着けた訳である。

筆者の場合、完全な自作などではもちろんないし、太陽光発電ムラの友人・知人の方々にも助けて頂けたのも大きいが、システム全体の構成などは自分で考え、すべて自分自身で作業を行ってきた。

6号基では当初、外注しようとしたものの、なぜか業者に拒否され(逃げられ?w)、仕方なく自分でやる腹をくくったという経緯もあったが、色々と勉強になったし、経験値も上がり、今回は電気工事士の資格も活かせた。まー、結果オーライである。

という訳で遠隔監視の方は一区切りついたので、今後は防草シートをまだ敷いてない1,2,4号基での雑草対策に力を入れる予定である。

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