トヨタホームの10kW超太陽光発電システム搭載住宅が示唆すること

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九電ショック後でも太陽光発電をウリにするトヨタホーム

太陽光発電関連のニュースを日々チェックしていると、本当に多くの情報がある。

どこかで発電を開始したメガソーラーの話だったり、太陽光発電システムを搭載した住宅商品だったり、あるいは新しい太陽電池や蓄電池の技術だったり。

最近だと、やはり九州電力ショックとそれ以降の再エネ買取中止ドミノと関連のある話題には目を引かれる訳だが、そんな中でちょっと引っかかったのが、トヨタホームが1週間ほど前にリリースした新製品のニュース:

10kW超の太陽光発電システムを搭載し、賃貸住宅経営を支援
賃貸新商品「SINCE Smart Maison soleto」「Vie α FREETHA soleto」を発売

トヨタホーム 「SINCE Smart Maison soleto(シンセ・スマートメゾン・ソレト)」

なぜこれが”引っかかった”のか。

それは、太陽光発電業界が混乱に陥ったとも言えるこの状況下で、天下のトヨタ自動車系列のハウスメーカーであるトヨタホームが、10kWの低圧連系とはいえ固定価格での全量買取による収益を前面に打ち出し、賃貸住宅の経営者向けと非常に明確なターゲットを設定した新商品を市場投入してきたからだ。

トヨタ系列の大企業が、現在起きている太陽光発電業界の逆風を知らない訳はない。

それにもかかわらず、再エネの固定価格買取制度を当て込んだ収益物件向けの商品を後だしジャンケンの如く(?)出してくるのだ。

トヨタホームの示唆することは、昨日の九州電力の発表ともあいまって、50kW未満の低圧連係、特に全量買取と余剰買取の境界領域ともいえる10kW以上の太陽光発電に関しては、今後も連系や売電を拒否されるような事態はあまり無さそうと言うことだ。

10kW級の低圧なら、系統連系でほとんど問題無しか?

これ以降に記すことは、あくまでも筆者の推測、いや憶測の域を出ないものだが、例えばトヨタが経済産業省なり国土交通省なりと水面下で確認を行ったとか。あるいは、トヨタはおひざ元の中部電力に10kW超の低圧のソーラーシステムの連系は大丈夫なんだろうね、と確認を行ったとか。

そういった確証が無ければ、あえてこの状況下で全量買取をウリにした住宅の新商品をあのトヨタの系列会社が出す訳が無いと考えるからだ。

もちろん、九州では低圧連系も既に連系申請が行われているものしか、現時点で連系の可能性はなく、今後もどうなるかは、新しい制度に改訂されない限り何の保証もない。

しかし、まだ系統容量に余裕のある中国、中部、東京などの各電力会社の管内では低圧連系なら連係を拒否される可能性は比較的低いのである。

トヨタホームによる本ニュースリリースを見て、そういった水面下の動向に思いを馳せた訳だ。

トヨタホーム 「Vie α FREETHA soleto(ヴィー・アルファ・フリーサ・ソレト)」

【追記: 2015/09/22】
その後の制度改訂により、発電事業者側が無制限の出力制御に同意しさえすれば系統連系は可能となっている。現実には10kW級で出力抑制がかかるケースはそれほど多くないと思われるが、案件ごとに確認が必要。

珍妙で良く分からない横文字の商品名は勘弁して欲しいw

ところで、この10kW+の太陽光発電システム付き住宅の商品名だが、いったい誰がこんな名前を考えるのだろうか。

「Vie α FREETHA soleto(ヴィー・アルファ・フリーサ・ソレト)」とか、「SINCE Smart Maison soleto(シンセ・スマートメゾン・ソレト)」とか、横文字だけだとお年を召した大家さんには絶対に読めないだろう。それに、フランス語か英語か良く分からないし聞くのも話すのも恥ずかしくないか?w…

もう脱亜入欧はそろそろ止めて、日本人の「和」の心を大切にしたシンプルな名前にする方が、分かり易いしクールだと個人的には思うのだが。

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