「風の谷」の太陽光発電所(岡山県備前市東部)

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「風の谷」の太陽光発電所(岡山県備前市)

「風の谷」の太陽光発電所(岡山県備前市)

備前市のご近所(といっても筆者の太陽光発電所からクルマで30分位はかかるのだが)・Nさんの「風の谷」太陽光発電所が、筆者の所より一足先に売電開始となった。

発電開始後なら本ブログで記事として書いても良いとのご承諾をNさんより頂いたので、早速「プチソーラー探訪」の一環としてご紹介させて頂きたい。

頑丈なコンクリート架台、パワコンは三相9.9kW×5台

Nさんのこだわりは、まず架台である。

「風の谷」太陽光発電所のコンクリートブロック架台

「風の谷」太陽光発電所のコンクリートブロック架台

がっしりとしたコンクリートブロック製で非常に頑丈なつくりであり、台風や先の2月のような大雪などでも大丈夫そうだ。

コンクリートブロックを積む個数(架台の後側)でソーラーパネルの角度を容易に調整出来るようになっており、Nさんの場合も何列かのソーラーパネルアレイのうち、一番後列は25度、それ以外を20度としたという。

ついでパワコンは田淵電機製の三相交流のもの。この辺、電設関係というお仕事柄もあり、流石というほか無いのだが、単相より三相の方がコスト的に少し有利になるらしい。

というのも、太陽光発電所では、パワコンの稼働のために電力系統網の電気を消費するからだ。

立ち話でメモを取っていなかったので込み入った理屈は失念してしまったのだが、とにかくパワコンの稼働には系統側の電気を一時的にしろ使うことは確かなのである。

理工系出身の癖にそれについて筆者はこれまであまり真剣に考えたことが無く、ホワ~ンとした認識しか持っていなかったのである。

しかし、太陽の光がまだ少ししか当たっていない状態でも太陽電池の発電した電気をしっかりと系統に送電するためにパワコンが作動するのだから、そのパワコンを動作させる電気がどこから来るのか、少し考えてみれば当然の理屈であった。

なので、一般にどこの太陽光発電所でも、消費した電力用のメーターと売電用のメーターの二つがセットで設置されているのである。

太陽光パネルはカナディアンの多結晶、過積載率は約20%

三相式パワコンの話が少し逸れてしまったので、Nさんの「風の谷」の太陽光発電所の特徴に戻ろう。と、太陽光発電の基本的なスペックを記していなかったので、それも述べておく。

ソーラーパネルはカナディアンソーラー製の多結晶シリコンで、出力合計は約60kW。
既に述べた田淵電機製の三相9.9kWパワコンを5個使い、連系出力は49.5kWとなっている。

(2022/12追記)
直流60kWに対して交流の連系出力が50kW弱なので、10kWほど、つまり約20%のほど良い「過積載」である。

現在、低圧(連系出力50kW未満)の太陽光発電所では50%とか100%近いような過積載も珍しくなくなっているのだが、2013年の当時から既に20%の過積載により発電電力量の底上げを考慮に入れて太陽光発電に取り組んでいたのは、さすが慧眼のNさんである。

遠隔監視にはSolarView Compactを採用、出力抑制も検知可能

そして三つ目の特徴は、発電量の遠隔監視システム。

こちらではCONTEC(コンテック)社製の「SolarView Compact(ソーラービュー コンパクト)」を採用しており、パワコン毎に出力の表示や確認が可能である。

ただ、この遠隔監視システムでは、固定IPが必要となるために有線のインターネット回線としてADSLを使っている。本来であれば光ファイバを使いたい所だが、この辺ではFTTH網が来ていないため、従来の電話線の物理層での高速接続ということでADSLである。

(筆者宅でも光ファイバでのネット接続が当たり前となり、ADSLは相当に懐かしい感がある…)

そんな訳で、実際にNさんはスマホの画面で発電量を見せてくれたのだが、一つ大きな問題があった。

周囲の電力需要が小さく、出力抑制の対策が課題に

その問題とは、かなり酷い出力抑制が生じていたことである。

発電量のモニターの画面で9.9kWかそれ以上の出力を出しているパワコンと同時に、その半分も出力が出ていないパワコンがあるのだ。もちろん天気は快晴で5台すべてのパワコンが9.9kW程度でなければおかしい状況である。

原因は、この「風の谷」の周辺は田畑の間に農家の集落が点在するような地域であり、あまり電力需要が大きくないことである。

このため、50kW級のプチソーラーでも系統網で電力を吸収しきれず出力抑制が起きてしまうようなのだ。

実は同様の出力抑制が発生する可能性は筆者の発電所の周辺でも多分にある(引込線がNさんの所よりずっと長いため、実は筆者としては相当に懸念している)。

ただ、筆者の場合には発電所から1kmほど離れた所にかなり大きな工場があるので、週日の昼間(昼休みを除く)はあまり大きな問題が起きないのではと期待しているが。

出力抑制を回避する対策はない訳ではないのだが、勝手にそういった対策を行い、もし周囲で大停電が発生…なんて事になってしまうと多額の損害賠償が請求されて…などといった恐れもなくはないので、「まずは中国電力に相談します」とNさん。

筆者よりずっと段取り良く太陽光発電所を立ち上げられ、嫉妬してしまうほど順調に売電開始にまで漕ぎ着けたものの、出力抑制とは心が折れそうになりそうなものだが、Nさんは冷静に中電との折衝を行われるようで、筆者としては本当に感心するばかりだ。

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