ソーラーエッジによるリパワリング、発電電力量の改善を確認

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4号基でソーラーエッジによるリパワリング後、半年以上の時間が経過した。
ということで、そろそろリパワリングの効果を検証しようと思っていたところ、

リパワリングによる発電量の増加効果はどの程度ありましたか?

というご質問を”エジソン”様より本ブログへのコメントとして頂いた。

そこで早速だが、以下で検証の結果を公開するとともに、関連した考察なども記しておきたい。

検証期間および前提条件、その他の留意事項

検証期間は、2021年(リパワリング前)および2022年(リパワリング後)の5月~10月である。リパワリング工事を行った4月は除外、2021年11月にはT社製パワコン5台のうち1台で故障が発生したため、10月末までの半年間で比較する。

なお厳密に言えば、5月にブレーカー落ちによる運転停止が発生していたこと、その後ブレーカー交換工事により晴天の日の午前中に運転を停止した時間があったことも含めなければならないのだが、本検証ではそれらの影響を無視する。

また天候については、2021年と2022年の各月で同等の晴天率であったか未確認であり、本検証ではとりあえず天候は同等であったものと仮定しておく。

リパワリング前後での発電電力量データ比較および効果

2021年 [kWh] 2022年 [kWh] 差分 [kWh] 差分 [%]
5月 7,055 9,746 2,691 38.1
6月 7,022 8,598 1,576 22.4
7月 6,999 8,131 1,132 16.2
8月 7,585 8,692 1,107 14.6
9月 6,112 6,830 718 11.7
10月 6,676 7,984 1,308 19.6
平均 6,908 8,330 1,422 20.6

この発電電力量をグラフ化したものが次の図である:

ソーラーエッジによるリパワリングの効果検証

ソーラーエッジによるリパワリングの効果検証(前後での比較)

リパワリング効果についての分析および考察

月毎では5月の発電電力量でもっとも差が出ており、リパワリング後は38%も改善しているのだが、これには晴天率の差も含まれているかもしれない。

逆に9月は両年とも天候不順だったためか、約12%しか改善されていない結果となっている。半年間の平均では月当たり発電電力量が約20%増加となった。

この結果より、2021年の年間発電電力量78,871kWhが20%増加したとすれば、リパワリング後の年間発電電力量は量78,871×1.2=94,645kWhとなる。

売電収益では、35.2円/kWhの売電単価より、78,871×0.2×35.2=555,252、つまり年間で約55万円ほどの収益増加が見込める。

リパワリング工事は部材工事費の合計で250万円あまりだったので、5年ほどでリパワリング費用が回収でき、それ以降はプラスという結果となった。

ということで、現時点ではソーラーエッジによるリパワリングはほぼ評判どおり、発電電力量の改善がそれなりに見込めると言ってよいように思う。

オプティマイザーの効果については今後に持ち越し

リパワリングの際に、発電電力量の増加に寄与する要因としては、オプティマイザーによる影などの影響の低減と、パワコン(PCS)自体の変換効率の向上の二つがあると考えていた。

半年間の発電電力量を一見する限り、平均で20%の改善という結果は上述の二つの要因を含んだものと推測できる。ただ、太陽光パネルが78kWと同等の鹿嶋でSMAを採用している2ヵ所の発電量と比較するとほぼ同等となっている。

これは春~夏~秋と太陽の南中高度が高い季節では、南西にある雑木林の影響があまりないため、オプティマイザーによる影の影響の低減効果が明確に現れていない可能性がある。

その意味で、今後11月から冬を経て来年春頃までと発電電力量のデータがそろった時点で、オプティマイザーの効果があったかどうかを改めて見極めたい。

コメント

  1. エジソン より:

    リパワリング効果の投稿ありがとうございます。

    オプティマイザーの効果は、影が少ない夏より冬の方がありそうですね。

    設置費用250万円は、かなり安いと思いました。

    • ビッグふぃ~るど より:

      こちらこそ引き続きコメント下さり、ありがとうございます。

      >オプティマイザーの効果は、影が少ない夏より冬の方がありそうですね。

      そうですね。来年の春頃にまたデータを集計し検証を行いたいと思います。

      >設置費用250万円は、かなり安いと思いました。

      もう少し厳密には、税抜きで250万円+α(税込みは、この額×1.1)です。

      施工業者さんと交渉し、PF管を埋設する穴・溝を自分で掘る(+埋め戻し)ということで、その工数の分を値引きして頂いた結果、その金額で両者が合意したという経緯があります。

      (元記事で、ソーラーエッジのPCSとその配管を通している穴・溝を撮った写真を掲載していますが、その穴・溝がスコップやハンドオーガーを使って当方自身が掘ったものですw。)

      以上、ご参考になったとしたら、幸いです。