刈った雑草を燃やす理由とは(ただし法律・法令に注意)

この記事は約4分で読めます。

草刈りで刈った雑草、燃やす?そのままにする?

先の週末、オフグリッド・太陽光発電システムの設置にも手こずり、雑草の対処をほとんど出来ずに終わってしまった。だが、次に現地に行く時には必ず雑草の方にも対応したいと考えている。

これまで、どうにも雑草対策ではずっと後手に回り続けているのだが、今年はもう秋もそろそろ終わり、冬に差し掛かれば、雑草の多くが枯れてしまう。

なので、それを機に来年暖かくなる前に先手を打って対処し、ご近所にも当方が発電所内の雑草の管理をきちんと行うということも示さなければならない。

月曜日に聞いたことで、目から鱗が落ちた話があった。
それは、なぜ農家の人が刈った雑草を燃やすかと言う理由。

これまで、刈った草は燃やさずにそのまま放置して土に返せば良い、何もいたずらに二酸化炭素(温室効果ガス)を出して燃やす必要は無いじゃないか、と筆者は考えていた。無論、農家ではないので、刈った草を堆肥にする必要はない。

しかし、この考えは雑草を軽視しており、少々理想的すぎた。
農家の方々が田や畑の雑草を燃やすのには、燃やす必然的な目的があったのである。

「種」を燃やし、新たに生えてくる雑草を減らす

もちろん、一つにはかさ張る雑草の束を燃やして灰にすれば量が減り後始末が楽ということもあるが、ここで何よりも大切なことは、刈った雑草を燃やすと同時にその「種も燃やす」ということだったのだ。(農家の方には当たり前のことだと思うが……)

農業とはこれまでほとんど縁の無い生活をしてきた筆者にとって、そういった知識は皆無だったのだが、農業を営んでいる訳ではないとは言え自身でも雑草への対応に手を焼き、彼らの気持ちや考えが多少なりとも分かる今、花より団子、郷に入れば郷に従え、である。

ということで、今月の後半に再び岡山で雑草の対応を行う際には、刈った雑草をその種と一緒に燃やしてしまおうと考えている。

今回、発電所の中を動き回ったときに、衣服に何かの雑草の種と思われるモノが沢山まとわりついていた。

このようにして動物にくっついて、あちこちに種を分散させ、方々で繁殖するという雑草の逞しい種の保存の能力も嫌というほど分かったので、こちらも徹底的にやらないと本当にキリが無いし、近所迷惑もごもっともである。

先日は3日の内2日間も雨模様だったこともあり、逡巡した挙句に買うのを見送った刈払機も次回には適切なものを買うか借りるかして使用する方針である。買うとしても、何人も人を雇って草刈りをすると思えば刈払機を一台買うコストの方がずっと安上がりだ。(出来れば、1回使って草刈りはこれでもう終りにしたいとも思うのだが…)

雑草を燃やす場合は法律・法令の範囲内で

その後分かったことだが、現在では多くの場合、刈った雑草を燃やすと法律違反となる可能性が高いので注意が必要である。

特に、ご近所の民家が近い所では、煙や臭いなど迷惑がかかる可能性が高く刈った雑草の焼却は手控える方が無難だ。煙を出さずに燃やすことが出来れば、近所迷惑ということはないかもしれないが、現実的には困難だろう。

その場で草を燃やすことが近所迷惑や違法となると、刈った草をそのまま放置し土に帰るのを気長に待つ、各自治体の定めに従い燃えるゴミとして回収してもらう、または産廃業者に依頼して適切に処分してもらう、といったことになる。

法律で認められているのは、農家などが業務に必要な範囲内で刈った草を燃やすこと等である。太陽光発電事業者の場合、これに適合するかは微妙なところで、草を燃やしている所を近所の方に見咎められたらあまり良い気はしない。

しいて言えば、市販の草焼きバーナーで草や種を上から少し焼く払う程度であれば許容範囲ではと思う。

ただし、農業以外の目的で使用する草焼きバーナーは違法となる場合がほとんどだそうなので、使用する前に各自治体の法律や条例などを確認しておくと同時に自己責任で適切に使用して欲しい。

草焼きバーナーの選び方、火事を起こさないための注意点

ということで、草焼きバーナーを適切に使えば、雑草の抑制にもそれなりに役に立ちそうである。

市販の草焼きバーナーは、ホームセンターで容易に入手できる。小型の安いもので3000円位~、火力の強い大型のバーナーでも1万円~2万円ほどで購入可能。燃料には小型のバーナーでカセットガス、大型のもので灯油を使う。

低圧の産業用太陽光発電所のメンテナンスでは、それほど大型のものでなくても十分だろう。

草焼きバーナーを使う際に注意すべきことは、とにかく火事を起こさないことに尽きる。

燃やしたい草が生の草むらであれば、多少バーナーで焼いてもすぐに火事になる危険性はあまりない。しかし、枯れ草ばかりの草むらをバーナーで焼くのは非常に危険なので、晴れて天気が良く空気が乾燥している日、特に風が強い日にはバーナーを絶対に使用しないことだ。

また、どのような場合であっても、草焼きバーナーを使う場合には消火用の水を十分に用意してすぐに消化できるようにしておくことも必要である。

実はかく言う筆者も以前、草焼きバーナーを使っていた時、火事になりそうになって大慌てした経験があるからだ。

幸い、火が燃え広がる前になんとか消し止めることが出来たので、ほっと胸をなでおろして事なきを得たが、もし火の勢いが止まらなかったら、発電所全部が丸焼けになってたかもしれない。

コメント

  1. ふい より:

    いつも拝読させていただきいろんな参考にしています。
    雑草焼却の件ですが、農家の方々には雑草や
    稲藁等を燃やす権利がありますが、その他の方々(一般の)にはその権利がありません。
    燃やしていると通報されて即中止となります、
    地域によっては処罰があるかも知れませんので、当該地域の市役所等に問い合わせされるほうが良いと思いますよ。

  2. 兼業農家 より:

    私も焼却処分はやめたほうがいいと思います。
    草を刈り取りして乾燥させてからしか燃えませんし、燃えたとしても風で煽られると延焼の危険と、種火が残って後日発火する危険性もあります。私もわら等を燃やしますが雨の降る前を狙って燃やしますので土日のみしか発電所に行けない方が行うのは危険性が高いと思います。
    私の推奨案は
    堆積してネットで覆って腐らせるか、穴を掘って埋める事をお勧めいたします。
    http://sunsungogo.sblo.jp
    私のソーラーシェアリング50kw×2基着工しました。
    もしよろしければ相互リンクお願いします。

  3. 蛇野 より:

    おはようございます。
    美香氏ならともかく、最近では、野焼きは違法ということになっている場合が多いようです。
    とはいえ、今の季節そこらへんでも野焼きが散見されます。
    薬では、種まで殺すという薬剤もありますのでこちらも検討されてみては?

  4. bigfield より:

    ふい様、

    コメントとご忠告どうもありがとうございます。
    近所の方や役所などに確認したいと思います。

    兼業農家様、

    コメントと色々なご示唆の方、どうもありがとうございます。
    燃やすことが無理なら、堆積してネットで覆って腐らせる、ですかね。

    私の発電所の用地は、造成で石や岩をたくさん入れたようで、穴を掘るのが大変なので。。。

    ただ、この場合、種は残ってしまうのが気がかりです。元々、種も焼却したいために、刈った雑草を燃やすことに思い至りましたので。

    蛇野様、

    いつもコメントありがとうございます。
    野焼きは農家の方の特権だったんですねぇ…

    種の焼却がダメなのであれば、ご教示のように種にも効くような薬剤があるか、探してみたいと思います。