サーモグラフィー付ドローン「ANAFI THERMAL(アナフィ・サーマル)」を使用し、太陽光発電所1号基で太陽光パネルの検査を行ったので、動画とともにレポートしたい。
Parrot「ANAFI THERMAL(アナフィ・サーマル)」のスペック
寸法 | 67(幅)×244(奥行)×65(高さ) |
質量 | 315g |
測定可能な温度範囲 | -5℃~400℃ |
ジンバル | 21MP Sony製センサー 4K HDR + FLIR製 Lepton 3.5、3軸 |
飛行可能時間 | 78分(26分×3) |
サーモグラフィーの原理および仕組み
サーモグラフィーとは、「物体から放射される赤外線を分析し、熱分布を図示した画像、またはその画像を取得する装置である」(出所:ウィキペディア)。
サーモグラフィーの原理または仕組みは、すべての物質が赤外線を放出すること、その赤外線の強度が物質の絶対温度の4乗に比例することから、赤外線によって感光するカメラを用いて対象を撮影し、赤外線の放射強度を分析することによって、対象の表面温度を可視化できることによる。
最近サーモグラフィーが最も活用されている分野は、体温計として新型コロナウイルス感染症で発熱している人の体温測定や検出であるが、先に本ブログでもご紹介したように太陽光発電パネルの検査でも威力を発揮する。
産業用ドローンの操作にはタブレットを推奨
という訳で、早速だが筆者が入手した仏Parrot社製 ANAFI TERMALを活用したサーモグラフィーの模様である:
約7分でカット編集を行っていないので、適宜早送りなどしてご覧頂きたい。
当方のANAFI THERMALだが、プロペラガード等を使用しておらず、この撮影より前に飛ばしていた際に墜落させてしまってプロペラを少々傷つけてしまった。幸い、飛行機能には特に影響はなかったようだが、それなりに値が張る道具でもあるのでプロペラガードも装着しておく方が安心して飛ばせるかもしれない。
操作にはParrot社のANAFI Thermal用アプリ「FreeFlight 6」を使用した。
ドローンと同梱の「Sky Controler」(コントローラ)にスマートフォンを装着、USBケーブルで接続し、FreeFlight 6を起動してドローンの操作や状態確認を行う。なお、取扱説明書はごく簡単なものが1枚同梱されているだけで、より詳細な使い方などはParrot社のサイトからPDFをダウンロードしなければならない。
スマホでも操作や状態の確認は一応できるのだが、画面が小さいとやはり使い勝手がよくないので、ドローンを飛ばすにはタブレットを強くお薦めしたい。
筆者は通常、ノートパソコンとスマホを使用しているが、これまでタブレットの必要性を特に感じなかった。今回ドローンを業務で使ってみて、初めてタブレットを購入したいと感じた。(追記:その後、ドローン操縦用にiPadを購入)
10日ほど前に群馬県の見学会で拝見した「Autel Robotics「EVOⅡシリーズ」の操作でも、説明員の方はやはりタブレットで操作していた。なるほどと思った次第である。
サーモグラフィでホットスポット等の欠陥が無いことを確認
ちなみに、スペック的にはEVOⅡの方が相当に格上なようだが、低圧の太陽光発電所であれば ANAFI Thermalでも十分な検査が可能であることも今回確認できた。
リチウムイオン電池パック1個で26分の飛行が可能となっており、3本の電池パックが同梱されているので、合計78分の検査が可能とのことだが、実際には1本あたり20分強位、合計で約1時間位だろうか。
現場でAC100Vかクルマのシガーライターなどで電源があれば、再度充電は可能かと思う。ドローンの操縦にある程度熟練していれば、スムーズに飛行させることで高圧~小規模なメガソーラーまで検査が可能と思われる。
今回サーモグラフィーで検査した1号基のソーラーパネルだが、ドローンが撮影した動画像を見る限り、特にホットスポットや欠陥となっている太陽電池セルは幸い確認されなかった。
(2014年5月に系統連系された1号基、ソーラーパネルはハンファQセルズ製の多結晶260Wを採用している。)
パネルの選定の際にはそれなりに熟考を重ねたこともあり、ホットスポットとなった太陽電池セルがたくさん出てくるのも困るが、まったく欠陥がないのも「サーモグラフィーは本当に正常に動作しているのかな?」と勘ぐってしまいたくなる。
今後、他の太陽光発電所でも同様に検査を行ってみて、異常なパネルがないかを調べてみるつもりである。
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