太陽光パネル清掃用ロボットの小まとめ

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先のPVJapan2016で目を引いたものに、太陽光発電関連のロボットがある。

現時点では、主に2種類のカテゴリーのロボットが存在する。一つは、太陽光パネルの劣化診断や故障の検出に使用するドローン、もう一つは、太陽光パネルの清掃用ロボットである。

ここでは、特に後者の太陽光パネル清掃用ロボットを2~3点、動画も交えてまとめておく。

まず、今回のPVJapanでは出展が無かったようだが、この分野では既に先行しているシンフォニアテクノロジー社の「Resola(リソラ)」。

YouTube動画はこちらにも置いておくが、これについては既にご紹介していたので、以下の記事をご覧頂ければ幸いである:

太陽光パネルの掃除ロボットは買いか
ロボット掃除機の太陽光発電版「リソラ」がお目見え 昨日「スマートコミュニティJapan2014」の会場を訪れた。 本業のネタ探しの傍らで太陽光発電関連の展示もいろいろ物色したところ、筆者が展示に賭けていたオールSiCモジュールのパワコン(富

次に、PVJapan2016では、かなり大きなブースに派手なデモで人目を引いていたスカイロボット社の「SolRider」という太陽光パネル清掃用ロボット。

いやぁ、デモを眺めているだけなら、中々オモシロいし楽しめるのだが、太陽光発電事業者として採用・導入を検討するかと言われれば、産業用の10kW~50kWではコストの点で厳しいように感じる。高圧やメガソーラーでは採用する価値があるかもしれない。

(価格がどれ位かを確認した訳ではないが、先行するリソラなどの価格から判断しても100万円は下らないと思われるので)

また、洗浄時にかなりの水を使うようで、その水を供給するための水道も必要と思われる。現在、当方の太陽光発電所では水道を引いていないので、これだけでまた数十万円のコストアップとなる。

またこの清掃用ロボットの耐久性がどの程度あるのかも、かなり微妙ではないかと思う。

追尾式架台の太陽光発電システムも同じ課題を抱えるが、機械式の駆動部を持つものはその部分が摩耗や経年劣化で壊れ易いからだ。

シャクトリムシのような動きで太陽光パネルを清掃するロボット

最後は、シンフォニアのリソラと同じような大きさと形状の清掃ロボットなのだが、その清掃時の動作がユニークなもの。まずは動画をご覧頂きたい:

この太陽光パネル清掃ロボットの動作、恐らく誰が見ても「尺取虫(シャクトリムシ)」を連想するのではないだろうか。まさか、バイオミメティクス(生物模倣)のコンセプトでこの清掃ロボットが開発されたのではないと思うが…

価格的には、この販社のブースで価格を聞いた限り100万を切っておりやや値頃感はあるものの、耐久性を確認したところ「使用頻度にもよるが、数年程度」との回答だった。

数年で壊れて交換ということでは、費用対効果という点でまだ厳しいと考える。
草刈りもそうだが、人手での作業の方が無駄がなく、費用効率が良かったりする場合もあるのだ。

太陽光パネル清掃用ロボット・まとめのまとめ

現時点では、まだまだ選択肢が限られているし、価格も100万円前後が主流と敷居が高い。
また、それだけの費用を出しても、清掃で最も洗い落としたい鳥のフンや、カエルの亡骸は綺麗に落ちないようだからだ。

このため、費用対効果を考えると、まだ導入を慌てることもなく、当面「様子見」と言うのが最も推奨されるアプローチではないだろうか。

1台の清掃ロボットの価格が50万円を切れば、導入してみる価値があるように思う。

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