LED照明は今や常識だが、昼に不要とするには?

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(「オフグリッドの鉄則:パッシブ性能を高め、太陽熱や木質ペレットを活用」の続き)

田中優さんのオフグリッド・エコハウス見学会

田中優さんのオフグリッド・エコハウス見学会

田中優さんの新居であるオフグリッド・エコ住宅について、太陽光発電システムと定置型蓄電池、太陽熱温水器やペレットストーブ、断熱の手法などについてご紹介してきた。

今回は照明明かりについて触れておきたい。

LED照明:価格も下がりエコ住宅での採用が当たり前に

一般的な住宅やオフィスビルのエネルギー消費において照明が占める割合は、約20%~30%とかなり大きい。なので建物の省エネ化を図るときに、暖房や給湯などの熱によるエネルギーの効率改善とともに、照明の効率を上げることが重要である。

とはいえ、最近は普及が進んできたLEDのライトや電球を採用すれば、かなり簡単に照明の省エネ化を行うことは可能と言えるだろう。

以前、岡山であるホームセンターに行った時に、丸い輪っか型の蛍光灯をほぼそのまま置き換えることが可能なLED照明器具が売られていたことに気付いた。

蛍光灯では必要なグロー電球は不要となる(というより、あると動作しない?)ので取り外すようだが、それ以外は蛍光灯と置き換えるだけでLED照明にできるようで、照明器具のLED化も相当に成熟してきたなと感じたのである。

コスト的にも、メリットが大きい。

LEDのタマ自体の価格は蛍光灯よりかなり割高になるとはいえ、電気代の節約で4~5年もあれば元が取れる計算。

しかも蛍光灯よりLEDの方が遥かに長寿命であることも考えると、蛍光灯が切れてからLEDに換えるのはもちろん、実はそれを待たずにすぐ換えてしまってもお得になるのだった。

そんな訳で、優さんのオフグリッド新居でも照明はすべてLEDのシーリングライトなどを採用していた。

LEDシーリングライト

LEDシーリングライト

LEDシーリングライト

LEDシーリングライト

LEDシーリングライトと窓

天窓の採用で昼間の日光を屋内の照明にも最大限に活用

LED照明については、別段これ以上珍しくも特別でもないが、今回のオフグリッド・エコ住宅でユニークだった点は、天窓である。

田中優さん宅の天窓

田中優さん宅の天窓

田中優さん宅の天窓

田中優さん宅の天窓

天窓自体、特に目新しい技術でもテクニックでもないのだが、実際にそれが付いている住宅は実はそれほど多くないのではないかと思う。理由は、施工の工数が増えたり、あるいはコストが増加したり、といった短所もあるからだ。

もう一つ、今回太陽光ムラから筆者と見学会に参加したSさんが指摘していたが、天窓は施工がマズいと雨漏りの原因となりやすいのである。

もちろん、田中優さん宅ではしっかりとした建築業者さんが施工を行っていたようなので、将来雨漏りが起きる可能性は相当に低いと考えているが…

しかし、天窓を付けることで、昼間に照明を付ける必要がなくなることは直接的には省エネに寄与するし、無駄なエネルギーを使っていると感じずに済むので精神衛生上も気持ちが良い。

昼間に窓のブラインドで日光を遮断し、蛍光灯を付けるというエネルギーのムダが許せない!

「昼間に照明を付けるのが無駄で僕は嫌いだから…」と優さんはご説明されていた。
筆者もこういったエネルギーの無駄遣いが大嫌いな性分である。実は、職場のオフィスビルでは昼間に窓のブラインドを全部下ろして日光を遮り、蛍光灯をすべて点けている。

直射日光だと机の上などが眩しすぎるから、あるいはパソコンのモニターが見づらいからというのが、窓から入る日光をブラインドで避ける理由なのだろうが、やはり非常に無駄である。こういうエネルギーの浪費が、筆者には我慢し難いのだ。

とは言え、自分が社長でも重役でもないし、立場上はオフィスの管理を行う誰かの方針に従うだけなので、本当は「なんとかしましょうよ、これ~!」と声を大にして言いたいのを我慢し日々黙々と仕事をしている。

ともかく、天窓は省エネにはプラスの装備であり、筆者も新居を作るのであれば天窓か、それがダメなら出来るだけ広く大きな窓として昼間に照明を点けてムダなエネルギーを使う必要がないようにしたいと考えている。

(続く)

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