日々の経理・会計と資金調達がセットに
太陽光発電の事業者にとっては、いずれも必要な業務だが、会計をクラウドのサービスで行うと、会計のデータから与信サービスを行ってくれ、資金調達の手続きが迅速かつ容易になるというサービスが提供され始めるようだ。
こういった動きを知るきっかけになったのは、クラウド会計ソフトではかなり有力なものの一つ、「MFクラウド会計」がこの与信サービス・金融機関との提携を5日に発表したからだ。
簡単に言えば、MFクラウド会計を使って経理処理を行ったり、確定申告のデータを作成・管理したりすることによって、MFクラウドと提携している銀行からの融資が比較的容易に受けられるようになるということである。
(もちろん、自分の信用が毀損していないことが前提だが…)
MFクラウド会計と提携している金融機関の一覧
- 静岡銀行
- 山口銀行
- もみじ銀行
- 北九州銀行
- 東邦銀行
- クレディセゾン
- 住信SBIネット銀行(業務提携先)
- 群馬銀行(業務提携先)
- 滋賀銀行(業務提携先)
- みずほ銀行(その他、提携先)
- GMOペイメントゲートウェイ(その他、提携先)
筆者にとって見逃せなかったのは、この提携金融機関の中に広島を地盤とする「もみじ銀行」が含まれていたことだ。もみじ銀行は、太陽光発電事業者への融資で実績があると最近聞いたからである。
与信サービスで先行していたクラウド会計「freee」
実は、筆者が知らなかっただけで、クラウド会計でもう一つの大手ベンダー「freee」の方はMFクラウドよりも先に、この与信サービスと資金調達を担う提携金融機関を昨年12月に発表していた:
freeeと提携している金融機関の一覧
- 三菱東京UFJ銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- 近畿大阪銀行
- ふくおかフィナンシャルグループ(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)
- 千葉銀行
- 北國銀行
- 広島銀行
- 住信SBIネット銀行
- ジャパンネット銀行
大手都銀が中心のfreee vs. 地銀が主体のMFクラウド?
これらを見ると、freeeの方が大手都銀やネット銀行との提携が多く、MFクラウド会計の方は地銀がメインとなっている印象である。
freeeの方も広島銀行が含まれているが、ここは太陽光への融資では中小・零細事業者には冷たいらしいなので、当面はMFクラウド会計にするのが吉ということになろうか。
とはいえ、施工を早急に準備しなければならない広島の3&4号基については、一応ある程度の目途はついているし、クラウド会計サービスによる与信サービスが本格的に利用可能となるにはもう少し時間がかかりそうなので、むしろ現在はまだ何も始まっていない事業での資金調達でこの与信サービスを使う事を考えるべきかもしれない。
いずれにしろ、経理・会計処理を自動化すると共に、融資のための手続きが楽チンになるのであれば、やはり会計処理をクラウドで行うことが今後は必須になるかと感じる。
ちなみに、パソコンにインストールして使用する会計ソフトで最も定番と言える「弥生会計」およびそのクラウド版の「弥生会計オンライン」はまだ与信サービスの提供については動きが無いようだ。
だが、クラウド会計の主要二社がこの分野でのサービスを開始したことで、今後こういった与信サービスが成長するようであれば、弥生としても手をこまねいて黙ってはいられないだろう。早晩、弥生会計でも与信サービスを提供し、いくつかの金融機関と提携することになるのではと予想する。
【関連情報】
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/121404066/
http://jp.techcrunch.com/2016/04/05/mf-cloud-finance/
http://corp.moneyforward.com/service/mfcloud_finance/
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