さて、今回の施工見学もいよいよ終盤。
M氏は午前中に取り掛かっていた太陽光発電所周囲のフェンスの施工具合を確認して今日の仕事は完了である。
写真のようにフェンスは7~8割方ほど完成しており、あとは上部に有刺鉄線を付け道路に面した側に開閉できる扉を取り付けるだけとなっていた。
既に書いたように、このフェンスはどちらかというとイノシシなどこの周辺に出没する野生動物を寄せ付けないためだが、良からぬことを企む人(太陽光パネル泥棒など)に対する防犯の意味ももちろんある。
筆者が太陽光パネルが盗難にあう事件も増えつつあると聞いたのは、数カ月前に取材に訪れた環境技術関連の展示会だった。
そこで展示フロアを見て回っていたときに、ある業者がセンサや警報器、通信機などで構成される太陽光発電パネルの防犯システムを展示しており、営業の方に声を掛けられたので、それとなく話を聞いたところ、ソーラーパネルの盗難事件が増加傾向にあるので、製品化したんです、みたいな話をしてくれたのである。
本当に盗む人がいるのかと一瞬思ったが、確かにソーラーパネルどころか、銅素材の電線を切って盗み、スクラップ金属か何かの市場に売る泥棒がいたという話もあったことを思い出した。
確かにまだ単価の高いソーラーパネルも然るべき流通経路なり再販売の市場さえあれば、立派に盗難の対象になりえるだろう。
ネットで産業用太陽光発電関連の情報を収集を始めた時にも、50kW未満のシステムを構築している人で、盗難に合わないように小高い山か丘の上の方に太陽光発電システムを設置し、しかもクルマやトラックが発電所のすぐそばに乗り付けられず、そこから坂道を歩いて登らないと発電所まで行けないため、盗難は非常に困難なようにした、という事例も確かに読み、やはり盗難にも気を付けなければならないのだなと少し滅入ったのである。
Mさんの発電所はさすがにそこまではされていないが、嵐山と高崎のいずれも周囲に民家があり人の気配があれば、かなりパネルを外して盗むのは難しいだろう。下手に高電圧の部位に触れば感電の危険もある。
最悪の場合でもパネルの盗難は保険でカバーされるということもある。実際、災害や盗難を気にしてばかりでは、太陽光発電事業も不動産投資もできないので、ある程度の対策を施した後は割り切り、思い切りも必要ということ。
筆者も自身の太陽光発電所を構築する時に、最低限必要な対策を行い発電所に保険も掛けることは当然行うつもりである。
さて、我々が来てから有刺鉄線の作業も始まり、翌日までにはフェンスが完成する見込みとの施工業者さんの報告を聞き、嵐山から撤収することになった。
ここまで出来れば、あとは東京電力の系統網への系統連系を残すのみ。
今月中位には発電開始となっていると予想されるグリーンソーラー発電所の嵐山ベースと高崎ベース。
Mさんには施工の見学をご快諾頂き、ほぼ終日お付き合いさせて頂いて大変勉強になった。
本当にどうもありがとうございました。
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