(「太陽光発電を最適化する「Tigo Energy」とは:取付体験会(1)」の続き)
先にTigo Energyについて記した時、本ブログ読者のsekiya殿よりコメントにてご質問を頂いていたので、それに対する回答も忘れない内に記しておきたい。
関連記事:太陽光パネル毎に遠隔監視できたら?
- 後付けは可能か
Tigo Energyシステムの後付けは可能である。(取付の詳細については後述。)
- 施主自ら施工は可能か?
DIYによる施工も、今回の取り付け体験会のように可能と思われる。
ただし、ソーラーパネル2枚につき1個の「マキシマイザー」を取り付ける必要があるため、250Wのパネルを200枚使った50kWのプチソーラーだと、100個のマキシマイザーをすべて取り付けることになる。
この場合、発電所のオーナーが一人では、相当に時間がかかる。もし取り付け方が分かった人が4~5人集まれば、1人当たり20~25個のマキシマイザー設置となり、これなら1日あれば作業が終わるだろう。(+これにマキシマイザー管理ユニット(MMU)の取り付けや電源の接続などの作業も必要)
- 他の監視システムと比べてコストはどうか?
マキシマイザーの単価はざっくりと100ドル程度ということである。したがって、上述のような50kWの太陽光発電システムの場合、100個のマキシマイザーを使うので為替レートにもよるが、単純に1ドル100円とすれば、100万円+MMUや配線の費用、それに施工業者に頼めば工事費が必要になるので、120~150万円程度といったところだろうか。
このシステムの通信には格安SIMとWiFiルータが使えるとのことなので、通信費は月に1000円程度でも運用が可能だ。また、Tigo Energyが用意するオプションの管理機能(データの保存が可能)を使えば、年に70ドルとのことだが、これはクラウド型の他のモニタリング・システムと比べてもそれほど高い訳でもないと思われる。
設置と運用コストのトータルは、遠隔監視のためのモニタリングシステムの絶対額としては相当に高いように思える。だが、ソーラーパネル1枚毎の遠隔監視が行えることに加えて、既に述べたようにこのシステムが単にモニタリングだけではなく、故障したソーラーモジュールの切り離しなどにより発電量の最適化の機能を持っていることを考えると、O&M自動化のコストと捉えれば、それ程高いものでは無いとも言えそうだ。
(続く)
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