ホットスポットやPID劣化をドローンやEL検査で発見

Autel Robotics社製のドローン「EVOⅡ」O&M
Autel Robotics社製のドローン「EVOⅡ」
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(「太陽光パネル洗浄機のデモ見学会に参加(@某メガソーラー)」の続き)

ホットスポットを効率よく検査できるドローン、お値段は驚愕の…

ソーラーパネル洗浄機の次は、ソーラーパネル表面のホットスポットや異常などをサーモグラフィーで上空から撮影できる検査用ドローンである。

これについては、実は筆者も昨年の末に同様の作業が行えるドローン「Anafi Thermal」を1機購入している。まだあまり使いこなせていないのだが、実際の使い方や、サーモグラフィー用のセンサーのスペックなど導入の際にチェックすべき項目などを今回学ぶことが出来た。

今回のデモでは、米Autel Robotics社の「EVOⅡシリーズ」というドローンを使用していた。

Autel Robotics社製のドローン「EVOⅡ」

Autel Robotics社製のドローン「EVOⅡ」

同ドローンを使うと、上空50~60mとかなり高い所から動画や静止画を撮影することが可能という。サーモグラフィー用センサーの画素数(解像度)は640×512で、「これ位の解像度がないと、もっと低空での撮影しか出来ず作業効率が悪い」そうである。

サーモグラフィーと言えば、カラーの画像で温度が高くなっている場所が赤く表示されるのが一般的と思うが、今回のデモでは始めにモノクロの画像で高温の場所が白い丸や帯のような形状で示されていた。

ドローンによるホットスポットなどの検査

ドローンによるホットスポットなどの検査。白黒の方が見易い場合もある

カラーの方が見た目の分かり易さやインパクトがあるのだが、実はカラーのサーモグラフィー画像ではカメラを向ける角度などによっても色合いが微妙に変わったりするので、白黒で表示された方が分かり易いのだということを今回初めて理解できた。

なお、白黒の場合、高温部分の表示は反転表示が可能といい、高温の部分を白くまたは黒く表示するのを各々が設定可能とのことである。もちろん、カラーでの温度表示も可能なので、そちらの方が見やすいという方はそちらを使えば良いだろう。

ちなみに今回デモをしていた「EVOⅡ」のお値段は、聞いて少々驚きの7ケタであった。

筆者が購入前にかなり迷った末に決断して手に入れたドローン(Anafi Thermal)の4倍以上というのは、おもちゃレベルのドローン(所謂「トイドローン」)しか知らない方からすると、とんでもない額に思えるだろう。

しかし、説明員の方によると産業用ドローン、特にサーモグラフィー機能を搭載した機種もここ数年でかなり価格が下がったという。以前はもっと高かったそうで、その頃に比べれば軽自動車が一台買えるような額でも「お求めやすい価格」になったということらしい。

筆者としては、まず手元のドローンでカラーだけでなく白黒での表示や撮影が可能かを確認してみたい。カラーのみ対応であれば仕方がないが、白黒での温度表示・撮影が可能であれば、それを使って発電所の故障や不具合の検出のために使ってみるつもりである。

外見では分からないPID劣化の発見に威力を発揮、「EL検査」

サーモグラフィーと合わせて知っておきたい検査のもう一つが、「EL検査」と呼ばれる手法だ。

ELとは、Electroluminescence(エレクトロ ルミネセンス)、つまり電界による発光現象をさす。身近なところでは、発行ダイオード(LED)、あるいは近年研究開発が盛んに進められていた有機ELディスプレイなどの電子部品や機器を思い出す方も多いかもしれない。

さてそのEL検査。これは夜間に行う必要があるということで、今回の見学会では検査の概要や方法などの説明のみに留まったのだが、O&Mの知識として知っていて損は無いと思った。

EL検査のメリットは、外見では特に異常がないようであっても、発電量には支障が出ているパネルを専用の検査機器を使うことによって発見したり、特定したりできることである。

太陽光パネルのEL検査で使用する機器

太陽光パネルのEL検査で使用する機器。EL検査は夜間に行う

この特徴により、壊れていて発電に支障があるパネルでも外見上は何ら問題がないものを発見し、保険でカバーしたいといったときに威力を発揮できる。特に「電圧誘起劣化(PID=Potential Induced Degradation)」などの不具合を検出する際に効果的とのことだった。

PIDについては、これまでの経験や前職での取材などでも良く見聞きしていたことではあるが、パワコン単位、またはストリング単位で発電電力量に異常が起こっている場合などに更に詳しく検査する必要がある場合には利活用を検討すべき手段として記憶しておくと良いだろう。

キャンピングカーで趣味と節税を兼ねた事業経営?

デモ見学会の最後では、キャンピングカーの展示や説明もあった。

キャンピングカーのデモ展示

キャンピングカーのデモ展示

節税や太陽光発電以外の事業ということで一応お話を伺ったが、少々リスクが高いように感じた。インバウンド、特に富裕層の観光客が主たる利用者層とのご説明だったからである。

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっておらず、インバウンド需要もいつ回復するか先が全く見通せない現時点では、事業投資の対象として検討するのはやや厳しいかなと思う。余裕資金が潤沢にあり、自分でもキャンピングカーを頻繁に利用するといった方であれば、節税を兼ねた事業の選択肢の一つとして検討の余地ありかもしれない。

それにしても、今回のデモ・見学会では十数名ほどの太陽光発電事業者の方々が集まったということで、筆者の存じ上げている方も太陽光発電ムラ・北関東支部重鎮のIさんなど何名かお越しだったし、それ以外にも過去の「しげる会」でお目に掛かったり、同じ場に居合わせたりしていた方が大半だったようだ。

Sさんの発電所に集った太陽光発電事業者の方々

Sさんの発電所に集った太陽光発電事業者の方々

そういった方々と親交を深めたり、情報交換を行ったりという貴重な機会にもなったので、今回のデモ・見学会を企画・主催して下さったSさんには略儀ながら厚くお礼を申し上げたい。

Sさん、どうもありがとうございました。

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