今回の(事業)説明会、Looop・中村創一郎社長の発想力やビジョンには、卓越したものを感じた。
あと、成功者に共通する点だろうと思われたのが、すぐに決断、すぐに実行、という特性だ。
いわゆる「即断即決」である。
日本の企業、特にサラリーマン社長にはこれが中々出来ないといわれるが、中国に留学したり、中国でのビジネス(「乾杯!」も含むw)で鍛えられたりした経験を持つ彼にはその辺の強みが大いにあるようだ。
参加者とのやり取りで、何か良いアイデアが出てきたと思うと、
「それ、良いですね。一緒にやりませんか?」
といった具合である。このフットワークの軽さは、成長性が売り物の新しい会社にはなくてはならないものだろう。
あと、プレゼンのスキルも当然ながらさすがだな~と思った。
例えば、この説明会のためのプレゼン資料のタイトルは、ゴーギャンの大作『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』をもじって考案したものだった。
これは秀逸で、筆者もパク…もといw、参考にしたいと思った。
(もっとも、これは聞く方にもそれなりの教養が無いと効果が半減してしまうのであるが…)
ちなみに、この説明資料をある金融機関(だったかな)にプレゼンを行った結果、Looop社への出資か融資だかを何億円か獲得したとのことだ。「Looopはファイナンスが得意」(中村社長)なのである。
話題が前後して恐縮なのだが、Looop社が今後手掛けることを計画している事業に、「畜エネルギー」つまりエネルギーストレージや蓄電、等の分野がある。つまり、太陽光や風力などで発電した電気が有り余るようになると、それを何らかの形で蓄えて、後から使うということである。
現在の日本政府(経済産業省・資源エネルギー庁)は原子力ムラの柵から抜け切れないため、太陽光がちょっと増えすぎると、やれ出力抑制だの、容量の上限だのと、一般電気事業者(既存の電力大手十社)を甘やかし肩を持つ政策や方針ばかりを打ち出す。
だが、我が国が取り組むべきは、省エネルギーをさらに推し進め、前世紀の遺物である「核分裂型湯沸し発電」など全廃して、再生可能エネルギーを制限なく導入しつつ、既存の揚水発電をフル活用し、さらにリチウムイオン電池や水の電気分解による水素生成装置といった畜エネ技術の研究開発と実用化を最大限に促進することである。
その点で、太陽光発電の分野で一定の成果を収め、しかもリチウムイオン電池などの市場動向や技術にも精通している(中村社長はLooop創業前にレアメタルのビジネスに従事していたので、リチウムやシリコンなどの市場動向にも詳しい)と言う点で、やはりLooopの前途には筆者としても相当に期待を感じる。
そんな訳で、筆者としても太陽光発電ムラでの活動とともに、Looop社による新規事業にも今後何らかの形で関わって行ければと考えている。
最後に、筆者の印象に強く残った中村社長の言葉を一つご紹介しておきたい:
「僕は、皆さんと一緒にLooopを破壊したいと思っているんです。」
「破壊」と言う言葉は、正確に言えば、シュンペーターの唱えた「創造的破壊」である。
IPOまで射程範囲に入ってきたLooopが守りに入りがちになる所を、彼は新しい風を常にまとわせて、攻めの姿勢で事業を展開したいということなのである。
電動スクーターで頑張っているテラモーターズの徳重徹社長などもそうだが、新興国でビジネスを手掛けていた経験や現在もそういった関わりを持ち、縮小する国内だけではなく、アジアの成長市場を視野に入れて経営を行うことが出来るベンチャー起業家は強いな、と思う。
コメント
かつて小泉純一郎が自民党をぶっ潰すといっていたのと相通ずるものがあるようにも思います。
新しいループを造る リノベーションということでしょうか?
蛇野様、
そうですね。発想としては似たような所もあるかもしれません。
大企業病というにはまだまだ早いですが、やはり100人以上の所帯ともなれば、リーダーシップも強力にならないと組織全体を統率できませんし。
Looop社による新規事業にも今後何らかの形で関わって行ければと考えている。
とのことですが、手綱をしっかりと握ってお願いしたいと思います。
成長一本槍だとコンプライアンスもへったくれもなくなります。
エナリスのように不適正会計に手を出すなどということになると、20年以上発電を計画している層にとっては非常に迷惑なことになります。
そもそも、ソーラーをやろうという人は、20年安定的に収益を上げたいという人ばかりで、大穴を当ててやろうだなんて言う人はいないと思うからです。