太陽光で世界一周の冒険、満を持して再開へ
太陽光のエネルギーだけで空を飛ぶソーラープレーン「ソーラー・インパルス2(Solar Impulse 2: Si2)」が、6/24(水)の午前2時半にハワイに向けて出発する予定との連絡がメールで入ってきた。
【追記】24日の出発が延期された後、本日6/29(月)の午前3時半頃に無事、名古屋空港を離陸したようである。
寒冷前線が行く手を塞いでしまったため今月頭に名古屋に想定外の着陸を余儀なくされ、この3週間あまり1カ月弱ずっと天候の好転を待っていたのだが、ようやく安全にハワイまで飛行できる状況と判断できたようで何よりだ。
あとは太陽光エネルギーだけを頼りに太平洋上を一人ぼっちで飛び続ける120時間をクリアし、常夏のハワイに無事到着できることを心から祈りたい。
もし名古屋の近くに住んでいれば離陸の瞬間を見に出かけるところだったが、残念ながらさすがにこれから名古屋まで見送りには行けないので、この出発を雨模様の関東からネットの生中継ででも見守るつもりである。
ソーラーインパルスが伝えるメッセージ
さて、ソーラーインパルスのハワイへの出発にあわせて、1週間前までに書いたいくつかの記事(下記のリスト、執筆順)のまとめということで締めくくっておこうと思う。
- 「メッセージ」を運ぶソーラーインパルス
- ソーラーインパルス:格納庫が必要な理由
- 50kW太陽光発電所で世界一周!
- オフグリッド・スマートハウスとSolar Impulseの共通点とは
- トイレや睡眠は?【ソーラーインパルス】
- ソーラーインパルスのリスクは高いのか?
まず、今回のソーラーインパルスのプロジェクトのメッセージについて。
持続可能な再生可能エネルギーによる経済や社会を創ろうという彼らに賛同される方は、是非その気持ちを彼らが用意したサイト「Future is Clean(未来はクリーン)」で示して頂ければと思う(筆者は既に表明済み)。
このサイトに行くと、自動的に「I want concrete actions for a clean future」(国連の今年の秋にパリで開かれる予定の気候変動会議(COP21)で具体的な対策を取りたい)
というメッセージがあるので、このページで「I AGREE(同意・賛成)」と言うボタンを押して頂ければ、まずは完了である。
また、ソーラーインパルスのプロジェクトを応援したいという方は、機体の太陽電池のスポンサーになるとか、またはグッズを購入してスポンサーになるとか、色々とプロジェクトを支援する方法が用意されているので、是非積極的に応援してあげて頂きたい。
関連記事(@太陽王子のブログ):
またブログやSNSなどをされている方は、このメッセージの拡散という形でも支援できる。
なぜ日本からは「ソーラーインパルス」が出てこない?
最後に、今回ソーラーインパルスを目の当たりにして思った事をもう一つお伝えしておきたい。それは、なぜソーラーインパルスのようなプロジェクトが日本からは出てこないのか、ということ。
もちろん、スイスの方々が思い立ち、実行に移されたことを僻んだり、やっかんだりするつもりは毛頭ない。しかし、省エネや再エネの分野では我が国はスイスに負けずとも劣らない技術やスキル、人材を持っているはずだ。なのにこういったプロジェクトが無い。
恐らくそれは、世界の将来に対するビジョンや世界がどうあるべきかといった想像力、夢、そういったものが今どきの日本人にちょっと欠けているからなのではないかと感じる。
冒険家と言う点では、故・植村直己さんや、ヨットや足こぎボートで世界一周などの冒険を行った堀江謙一さんのように日本を代表する方もいたのだが、最近そういった方がなかなか出てこないということもあるかもしれない。(じゃあ「貴方がやれば?」と言われると困るのだが…)
ただ、こんな感じで日本人にはなかなか出来ないことに今回スイスのベテラン冒険家であるベルトラン・ピカールさんやアンドレ・ボルシェベルグさんが果敢にチャレンジしているからこそ、筆者もここまで感動して名古屋まで見に行ったり、こうしてブログで紹介したりしているのだと思う。
まずは名古屋からハワイまで、とにかく無事に辿り着くこと、そしてその後も米国本土を経由してアラブ首長国連邦のアブダビまで無事に飛行して世界一周を成し遂げることを祈念するだけである。
頑張れ、ソーラーインパルス!
※ 名古屋で取材したソーラーインパルス関連の記事は、これにていったん完結するが、今後もソーラーインパルスの冒険については、また要所要所でご紹介したい。太陽光のエネルギーだけで世界一周飛行を成し遂げたら、とにかく世界で初めての快挙であることは間違いないのだから。
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