「マイナス金利」が欧州等と同様に我が国でも導入された。
既にメディアの報道やニュースでご存じと思う。太陽光発電のブログで書いている人もいらっしゃる。出遅れたものの、興味深い経済情勢もあるので本ブログでも整理してみたい。
マイナス金利:副作用のある「劇薬」だが、効果を疑問視する声も多い
このマイナス金利、基本的な目的はデフレ気味の経済をマイルドな(年率で約2%)インフレに誘導することが目的である。これまでも「アベノミクス」という名の金融緩和によって円安、低金利、株高として、経済成長を目指していた訳である。
ところが、アベノミクスは成功したとは言えず、現在も日本経済はデフレ基調のまま推移しており、なかなか当局が意図するような緩やかなインフレ基調にはならない。
中国の不況が世界経済全体へと飛び火し、リスク回避の動きから日本円やスイスフランといった「安全」とされる通貨が買われ、株価は下落するといった流れになりつつある。
そんな中で、半ばサプライズな出来事として日銀から発表された日本経済史上初めてのマイナス金利だった訳だが、それ自体が「劇薬」と言われるほど副作用のリスクを伴うという。
しかも、日銀の発表後に一時円安、株高に振れたものの、本日の時点ではまたしても円高、株安へと振れている模様だ。
経済誌の「ダイヤモンド」オンライン版の読者アンケートを見ても、マイナス金利によって日本経済が成長すると思っている人の割合は少なく、どちらかと言えばその効果に否定的、悲観的な見方の人が圧倒的に多い。
産業用太陽光発電事業に対するマイナス金利の影響は?
さて、太陽光発電事業者としては、マイナス金利をどう見ればよいだろうか。
上述のように、マイナス金利は通貨安やインフレ誘導を目的としている。したがって、その目的通りに通貨安やマイルドなインフレとなった場合、例えば、以下のような影響や効果が出てくると考えている:
- 資金調達の際の金利もより有利な条件(低利)で融資を付けることが可能となるかもしれない
- 円安になると円貨では輸入品が値上がりするため、国外メーカーによる輸入ソーラーパネルは値上がりする可能性がある
- 国内メーカーが日本国内で製造しているソーラーパネルに関しては直接の影響はない。輸出を伸ばすことができれば、規模の経済から低コスト化が進み、結果として国内の産業用向けでもより安いパネルの入手が可能となるかもしれない
- インフレが長期化する場合、ファイナンシング(融資)を利用して太陽光発電所を建設した事業者にとっては、債務の返済が楽になる
- インフレ下では借金をすれば有利となる反面、通貨価値が下がれば必然的に売電収益の価値も下落する
以上のような影響が考えられる訳だが、一長一短というところで、単純に良し悪しを判断することは難しいようだ。
結論としては、これまで通りに粛々と進行中のプロジェクトを進めつつ、インフレになってもデフレが続いても困らないように、対策を講ずるしかないのかもしれない。
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