伊豆の国市のソーラーシェアリング

静岡県伊豆の国・ソーラーシェアリング発電所
今朝の記事で既に述べた通り、静岡県伊豆の国市のソーラーシェアリング「スマートライフ発電所」を見学・取材してきたので、ご報告したい。

このソーラーシェアリング発電所は、つくばの松岡顕さんが作った「ソラカルシステム」というパネルの傾斜角度を手動で変えられる機構を採用している。

「ソラカルシステム」の手動ウィンチ

発電所は3つの低圧連係の田畑・発電所に別れており、図のようにその内の2つ(A区画:55.20kW @1042.5㎡とB区画:44.16kW @907.5㎡)が稼働中で、もう1つの区分C(40.36kW)はまだ設置工事の途中だった。

ソーラーシェアリング@伊豆の国・スマートライフ発電所

稼働中の2つの太陽光発電所も、B区画は完成しているが、A区画の方はパネル角度調整機能の調整中とのことである。農業の方は、A区画が稲作(田んぼ)、B区画が里芋(サトイモ)の畑、C区画は畑わさびを栽培(予定)となっている。

いずれにしても、農地を3区画使い、今年春まで有効だった低圧連係発電所の小分けという手法で高圧連係で掛かる費用を回避したもの。

今年度以降、「分譲型太陽光発電」などで常套手段だったこの低圧分割のテクニックは原則として認められないので、広大な農地でソーラーシェアリングを行う場合、高圧連係でキュービクルなどの追加費用負担をしてもきちんと収益がある案件しか出来なくなるのだが、こちらではギリギリ?でセーフだったということである。

ソーラーパネルのモジュールは、発電マンさんのオリジナル(中国製)、パワコンは筆者の発電所と同じオムロンのKP55Mである。

伊豆の国・ソーラーシェアリングのパワコン(オムロン・KP55M)

架台は単菅パイプで組み、支柱となっている単菅パイプの地面の部分には基礎としてコンクリートを流し込んであるそうだ。

システムの価格は、kW単価で33万円(+消費税)ということで、パネルの傾斜角度が可変という点を考えるとリーズナブルに思うが、ソーラーモジュールが中国製という点を考えると少々高いかな、という感じもする。

この辺やはり施工費用がそれなりに掛かるためだと思われるので、単菅パイプの架台の施工を自作に近い形で出来れば、30万円/kWを切るコストで同様のソーラーシェアリング発電所の設置が出来るかもしれない。

こちらは設備認定を昨年度で済ませた買い取り価格36円/kWhの発電所なので、太陽光発電パネルやパワコンの故障さえ無ければ、8~9年程で初期投資費用を、回収可能と考えられる。

発電マン代表の岩堀氏によると、同社にとって初めてのソーラーシェアリング案件だったこの太陽光発電所の施工は色々と大変だったとのことだが、最も骨が折れたのが、やはり農業委員会から部分的に農地転用の許可を得る手続きだったという。

ただ、今回のこのソーラーシェアリング事例を突破口として今後静岡県やこの周辺でソーラーシェアリングが増える可能性はあるかも知れない。

なお、今回の現地見学会では筆者がいた午後2時~3時頃の時間帯に十数人程の見学者と地元メディア(静岡テレビ)の取材陣がいた。

テレビ静岡の取材@伊豆の国・ソーラーシェアリング

かなり辺鄙な場所であった事を考えると、それなりに盛況だったのではないかと思う。

(ちなみに、静岡テレビのニュースでもしこのソーラーシェアリング発電所の模様が流れたら、赤いポロシャツにマスクして黒い鞄持ってる野郎が筆者…ってどうでも良いかw。)

筆者がソーラーシェアリングの太陽光発電所を見たのは今回が3回目だが、季節の関係もあり農作物が実際に植わっている農地で発電もしっかりと行われている事例は今回が初めてだったので、大変参考になった。

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コメント

  1. 蛇野 より:

    ソーラーシェアリングの状況がよくわかりました。
    費用が掛かるとか、売電価格の低下や規制強化などを考えると今後、ソーラーシェアリングが普及するかどうか?私は疑問に思っています。
    考えはいいと思いますが、ハードルが高いと思います。
    こういったことをどうお考えでしょうか?
    たんぼへの設置ですが、強度的にどうか腐食などの問題はどうかなど心配は尽きないという気持ちです。
    心配し過ぎでしょうか?

  2. bigfield より:

    蛇野様、今晩は。

    いつもコメントありがとうございます。
    ソーラーシェアリングについての懐疑的なご見解、ごもっともと思います。

    少し長くなりそうなので、改めて記事の形で私の見解や考えを述べたいと思います。

    以上、取り急ぎ。