東京ガス、電力小売りで「ステルス営業」開始か

東京ガスは「ガス展」で小売り電力をコッソリ営業?

先の記事にも少し絡むが、本稿では来年4月から施行される電力小売りの自由化についてつらつらと書いてみたい。

きっかけは、筆者宅に投函されていた一枚のチラシ:

東京ガスの「ガス展2015」販促チラシ

東京ガスの「ガス展2015」販促チラシ

チラシの下の方が切れてしまったので念のために明記するが、このチラシは東京ガスが毎年行っている販売促進キャンペーン「ガス展」の集客のために関東一円で配ったものである。

ビラ配りにも当然おカネがかかるが、東京ガスの場合は検針員さんに検針のついでに配ってくれ、という手を使えば他にアルバイトやパートを雇ったり、外部委託したりするより安上がりに(というよりは、チラシの印刷代以外はほぼゼロ円で?)配布できそうである。

電力小売り自由化:小さすぎ遅すぎでも全然無いよりマシ

これまでに、電力の全面自由化については、越後屋と悪代官の記事などでかなり骨抜きにされてしまったということを書いた:

電力業界の「悪代官」と「越後屋」による"新電力潰し"と"再エネ潰し"とは
電力システム改革の課題と可能性・・・? (「太陽光発電パネルは経年劣化する」の続き)CELCの発電データ報告会のあと行われたセミナ...

しかし、それでも小売り電力の自由化によって、これまでの管轄ごとの地域独占から、電力業者間の競争と消費者側における選択の自由という新たな段階に移行することは確かで、この変化自体はもちろんプラスである。

選択の余地が無いために、モラルハザードの王様である東京電力から嫌々ながら電気を買っているという現状から離脱し、もっとマシなエネルギー事業者に乗り換えることだけは可能となりそうだからだ。つまり、競争や選択肢が全然無いよりは、どこか他の業者を選べる自由が少しでもある方がマシということである。

理想的には、再エネをたくさん使う業者とか、そういうのが良いのだが、まず最初の一歩としてはとにかく「脱東電」。

東ガスを含む新電力なら、モラル面で東電ほど酷い所はないし原発再稼働とかフザケタことを言わないので、料金支払いも面倒なコンビニ払いを銀行口座からの自動引落しに戻しても良いと考えている。

ただ、筆者の場合、現在は団地住まいであるため、その団地の中でも、各戸が電力事業者の乗り換えを行うことが出来るのかどうかが不明である。せっかくなので、チラシで案内してもらったこともあり、プレゼントなどもあるので、最寄の東ガス・ライフバルに今週末にでも行って乗り換えできるのかなど聞いてみようかと思っている。

脱原発や脱電力大手の意思を明確に示す好機が到来

このチラシ、表側だけだと東京ガスが電力販売を始めるということに気が付かない可能性もあるが、裏側も見ると赤く目立つ大きな字で「電力販売を開始します」とはっきり書いてある:

「ガス展2015」チラシの裏側

「ガス展2015」チラシの裏側

東電も電力小売り全面自由化で自社の顧客の10%が他社に流出することを想定して防戦の準備を進めているが、原発事故の責任をロクに取っていない東電が嫌いだ、許せないという筆者のような人も結構いるのではないだろうか。

東電がいくらロゴマークを変えようが、ポイントを付けようが、そんな小手先の子供だましの策には筆者は騙されない。いくら外面を変えても、モラルハザードの実態には変化が無いからだ。

また、他地域、例えば九州でも、国民の大半が反対する原発の再稼働を強行した九州電力からは電気を買いたくないと言う人が結構いることだろう。伊方の再稼働を進めている四国電力も然り。

そういった云わば「アンチ電力大手」の人(筆者を含む)にとっては、とにかくそれら電力大手以外にまず乗り換えることが、消費者として選択の権利を行使するという意味で極めて重要なのである。

随分と弱体化させられたとはいえ、「腐っても鯛」。電力小売り全面自由化は、エネルギー供給事業者を選ぶ権利が一般消費者にも与えられると言う点で歴史的な意義がある一大事だ。

冒頭のチラシで明らかなように、顧客争奪戦は来年4月を待たず既に水面下で始まっている。

電力小売り全面自由化の施行まであと半年を切り、既存電力大手と新電力との間で小売り顧客をめぐる「仁義なき(?)闘い」が今後ますますヒートアップするだろうし、脱原発や脱電力大手という意思表示を明確にしたい人にとっては、願っても無い機会がいよいよ来年4月に到来する。

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