危険な原発の安全対策という矛盾:3兆円は太陽光発電なら原発10基分

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本質的に危険な原発の安全対策という矛盾と3兆円の無駄

危険性の高い川内原発の無理くり再稼働で「再稼働ドミノ」が幕を開けた訳だが、それに乗じて原子力ムラが今後の方針を明らかにしたようだ:

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この3兆円は、巨額のムダ金である。
意味不明で、論理が破たんしているとしか思えない。

本質的に危険な原発を無理やり稼働させるための安全対策という無駄をなぜ続けるのか?

疑問だらけだが、既得権益の塊である原子力ムラ存続に必要なカネと解釈すれば、なるほど合点はいく。しかも、この記事を読むと3兆円では足りず更に増える可能性が高いという。

原発は、原爆の兄弟である。
「原子力の平和利用」などという、耳障りの良い表現に騙されてはいけない。

長崎市に投下された原子爆弾のきのこ雲

“Atomic cloud over Nagasaki from Koyagi-jima”,
by Hiromichi Matsuda (松田 弘道, ?-1969)

元々は核兵器として利用するため制御する必要がほとんどなかった核分裂反応を、無理筋でなんとか制御することでお湯を沸かし、タービンを回して電気をつくるのが原発という時代遅れで筋の悪い技術。

核分裂反応で発生させる熱エネルギーの1/3しか電気エネルギーとして使えないため、極めて効率が悪い(残り70%の熱は、冷却水を暖めて海に捨てるだけというのも大きな無駄)。

3兆円もあれば安全な太陽光発電所が原発10基分作れる

原発はテロにとっても格好のターゲットとなるし、活火山の近くにある原発をわざわざ危険を冒して運転するというのは、頭が悪いんじゃないの#?とマジで思う。田中優さんの受け売りっぽくなるが、そんなに危ない橋を無理して渡らなくても、電気なんて他にもっと安全かつ安価に作れるからだ。

ということで、原発の安全対策に費やす3兆円をもし他の電源で代替した場合、どうなるかを考えてみた。

まず、電源として一般的な天然ガス火力発電、効率が良いガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)方式では、そのkW単価は16万円/kW程度(東京都の資料より)だ。

よって、3兆円でGTCCをどれだけ作れるかは、ざっくりと3兆円÷16万円/kW=18750000。
つまり、1875万kW分の火力発電所を作ることができる。原発換算だと、19基分弱。

次に、再生可能エネルギーとして我らが太陽光発電で代替した場合だが、kW単価は経済産業省の調達価格等算定委員会が買取価格の算定基準とした32.2万円/kWが一つの目安。ただ、現状ではこれよりもさらに安く作ることは可能となっているので、ここでは簡単のために30万円/kWとしてみる。

この場合、3兆円あれば、3兆円÷30万円/kW=10000000。
ということで、1000万kW、実に原発10基分の太陽光発電所を新たに作れることになる。

現実問題としては、火力発電では発電する限り燃料(GTCCならLNG)の調達費用が掛かる。太陽光では夜間や天気の悪い日には発電しないので、蓄電池を使うとか、他の電源との組合せにするといった対策が必要になる。

九電など電力大手が主張するように系統での需給調整が必要となることも確かだ。

また、既に電気が充足していることは先の記事でも触れた通りで、単純に電源を増やすというよりは、既存の電源をより低コストで環境負荷の低いもので置き換えて行くということになるだろう。

新国立競技場のように簡単には行かないが…

いずれにしても、危険な原発の安全対策という本質的に矛盾したドブに捨てるようなおカネの使い方をするよりは、それ以外の安全な電源の増設ないし置換を行う方が理に適うということを述べたかったのだ。

しかも、3兆円を費やして安全対策を行ったとしても、原発を稼働しその結果出てくる放射性廃棄物、つまり核のゴミをどうするかもまだロクに決まっていない。

原子力ムラは、破たんして久しい「核燃料サイクル」と言う幻想を未だに諦めていないようだが、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」も、青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場も実運用のメドすら未だに立っていないのである(いわゆる「トイレなきマンション」問題)。

東電の原発事故も経験した日本は原発政策をそろそろ転換する潮時じゃないかと思うのだが、原子力ムラ(または別名・悪徳ペンタゴン)を維持存続させて生き長らえようとする勢力のしぶとさはハンパない。

白紙に戻った新国立競技場のように簡単には行かないが、こちらも諦めずに太陽光発電の設置や本ブログでの情報発信など筆者として出来る事を続けたい。

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