太陽光発電で消費税の還付を受け取るための条件とは

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太陽光発電で消費税の還付を受け取れる条件とは

普通にサラリーマンとして日々淡々と暮らしているだけだと、消費税というのは払うだけで何も良いことなどないと思うのが普通だろう。

ところが、太陽光発電事業を個人でも行う(売電収入を得る事業用は10kW以上からが還付の条件となる。ただし、税務上は注意が必要…後述)となると、企業と同様に消費税を(還付により)受け取る可能性も出てくるからおもしろい。

それを可能とする条件が、「消費税課税事業者選択届出書」による手続きである。

この消費税課税事業者選択届出書という長ったらしい名前の必要書類を記入して自分の管轄の税務署に提出することで、消費税の課税事業者となる。

普通に考えると、消費税を課税される事業者というのは何だか損では?と思うだろう。

しかし実際には消費税を負担するのは消費する人、つまり消費者であって中間の事業者は消費者が負担した消費税を受け取ってそれを国に治めるだけである。

つまり、事業者自体がこの届け出をすることによって実質的に負担する消費税には変わりはないはず。さらに、重要な事が上述の消費税の還付が受けられる、ということ。

消費税課税事業者を選択すべきかどうかを検討する

太陽光発電のようにある程度以上の初期投資が掛かる割に、収益の発生と投資の回収に時間がかかる事業に対しては、たとえ免税事業者(所得が1000万円以下)であっても当初の発電所の立ち上げにかかる投資で還付を受ける方が、最初の3年間に発生する売電収入で発生する消費税を支払っても得になるケースが多いと思う。

筆者の場合も、当面50kWが来年の春に稼働し始める見込みで、来年度内にもう一つか二つ発電所を立ち上げたとしても所得が免税事業者の範囲を超える可能性はあまり無いと思うが、いずれにしろ還付を受ける方が得なので、この手続きを行うことにする。

ただし、この消費税課税事業者選択届出書は課税事業者となる前の年に届け出ておく必要がある

発電所が出来た後だと、その年は課税事業者となる選択をすることが出来ないので、発電所の建設に掛かった投資費用に対する消費税の還付は受けられず、注意が必要。

今年も今週一杯であとわずか。
ということで、週明けに筆者もこの届け出を行うつもりである。

ただし、税務当局はサラリーマンの10kWや50kWの発電1か所だけでは事業所得ではなく、雑所得だとして損益通算を認めない、といった話もある。

となると、我々太陽光発電事業者側としては、どうやって売電収入を損益通算のできない雑所得ではなく、損益通算ができ節税効果を得られる事業所得として認めさせるかが問題になる。
(注:所得税の確定申告は消費税とはまた別に申告が必要)

会社設立・法人成り以外に個人で事業所得が認められるか

おそらく最も手っ取り早いのは、太陽光発電で会社を一つつくることだ(合同会社で十分)。

会社の定款に事業内容として「太陽光などの発電事業」と書いて会社設立を届け出れば、事業として公けに認められ、税務署も10kWの1ヶ所だけでも会社である以上、事業と認めない訳にはいかなくなる。

(ただし10kWの売電収入だけだと恐らく年間に40万~50万程度の収益なので、事業収入がそれだけでは一般には個人事業と比較した時の法人成りのメリットはほとんどないと思われる。)

それが出来ない場合どうするか。一つは、複数個所を運営することで、事業としてやっていると主張すること。あるいは、他の関連性のある事業と絡めて太陽光発電もその事業の一つとして合理的に説明できるなど。

この辺、先に受けた税理士法人ASC(ソーラー税理士)さんのセミナーで色々と学んだことが参考になっている。

ともかく、来年に発電所を立ち上げる方は発電所の立ち上げ時の投資費用にかかる消費税の還付を受けたい場合、この消費税課税事業者選択という手続きについてもお忘れなきよう。

まとめ:太陽光発電で消費税の還付を受けるための条件

  1. 連系出力が10kW以上の産業用太陽光発電(10kW未満は還付を受けられない)
  2. 消費税課税事業者選択届出書を税務署に提出し、課税事業者になる
  3. 消費税課税事業者選択届出書は課税事業者となる前年までに届け出を行う

コメント

  1. syokai より:

    こんにちは。太陽光発電ムラでもお世話になっているものです。
    課税事業者は、対象となる前年ではなくその年の年末までに提出だったと思うので、発電所ができてからでも間に合うはずです、たぶん。
    ちなみに課税事業者になると2年戻れなくなるので早く非課税に戻るために早く課税業者になった方が得にも思えるのですが、一定の固定資産を取得するといずれにしても3年間は課税事業者なので、やっぱり同じだったりしますね

  2. bigfield より:

    syokaiさま、こんにちは。

    コメントどうもありがとうございます。 

    当方はもう課税事業者の届け出をしてしまったのですが、まぁ結果オーライということで(笑)。

    ネット上で税理士の方が発電開始の前年(=筆者の場合2013年内)までに届け出しないと還付も出来なくなると説明している記事を見つけたので、念のために手続きをしておきました。

    還付される額と3年間課税事業者として支払う消費税をざっくりと計算してみると、僅かではありますがやはり還付の方が手元に多く残りそうです。

    あとは、3年後に非課税事業者に戻る手続きを忘れないようにしないとww…。

    今後ともよろしくお願いいたします。