アップルが太陽電池付きスマホ/タブレットの特許を申請
米アップル(Apple)が太陽電池をスマホ「iPhone」やタブレット「iPad」などに装備するという特許が申請されていることが分かった。アップルの発明を詳細に追跡している米Patently Appleが明らかにしたもの:
同サイトによると、アップルがスマホやタブレットなどに太陽電池を取り付けて給電するという技術関連ではこれまでに16件以上の発明(特許)を保有しているという。
この特許申請「Wireless Devices With Touch Sensors and Solar Cells(タッチセンサと太陽電池を備えた無線装置)」の文面を隅から隅まで念入りに読んだ訳ではないが、簡単に言えば既に売られている太陽電池付き電卓とそれほど変わらないじゃん…と最初は感じた。
太陽電池付きの電卓は、電卓の電池を太陽電池に置き換えたもので、電卓としての機能自体は変わらない。従来の電卓と比べたメリットは乾電池やボタン電池が不要になり、日光(または蛍光灯など、ある程度の明るさの光)があれば計算機として使えるというもの。
それに対して、アップルのこの特許(申請)では、特許請求の範囲をスマホやタブレット、さらにはトラックパッドやマウス、キーボードなどの周辺機器まで含めている。またユーザーのタッチ入力をワイヤレス(無線)で収集できるとするなど、「モノのインターネット(IoT)」的な展開への含みまで持たせていたりする。
透明な太陽電池をタッチパネルと重ねる構成は新規性あり
もう一つ、太陽電池付き電卓との大きな違いは、透明な太陽電池をタッチパネルと重ねて配置する構成にも言及していること。これは確かに太陽電池付き電卓と比べて新規性のある部分で、恐らくこの構成がこの発明のキモだろう:
もっとも、まだ透明な太陽電池自体が技術や製品として普及していない。だが、色素増感型や有機薄膜型といった新しい太陽電池の要素技術の開発が進めば、確かに製品としても市場に出てくることになるので、その時点でアップルのこの発明は大きな威力を発揮することになる可能性がある。
よって特許として成立した場合には、他のスマホメーカーや電子機器メーカーが同様に太陽電池をスマホやタブレットに組み込んだ時にアップルのこの特許に抵触してしまうかもしれない。回避するには、ライセンス料をアップルに支払うか、全く別の方法で太陽電池を取り付けるか…
日本の電機産業は近年凋落が著しいが、せめて技術ではアップルに負けずに頑張って欲しいところである。
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