【速報】インリーソーラーがNYSEで上場廃止の瀬戸際に
インリーソーラー(Yingli Green Energy:YGE)が、株式を上場しているニューヨーク証券取引所(NYSE)から、同取引所の株式上場を継続するために必要な判断基準(連続した30取引日数の平均株価が1ドル以上)を満たしていないという通告を受けたと発表した。
インリーソーラーの公式発表(英語)
Yingli Receives Notice Regarding NYSE Continued Listing Criteria
ニューヨーク証券取引所の上場企業マニュアル(Listed Company Manual)セクション802.01Cに準じて、インリーには通告を受けてから6カ月の猶予期間(”Cure Period”)が与えられるという。
この半年の猶予期間中に、上場の条件となる少なくとも一株1ドル以上の株価(ADS)の状態に回復できなければ、インリーは上場廃止となる可能性がある。
8月20日午前11時30分頃(米国東部夏時間:EDT)のNYSEにおけるインリーの株価は、0.9278ドルであり、依然として上場基準である一株1ドルの水準を下回っている。
インリーがどのようにしてNYSEの上場基準を回復するかについては、同社からは特に発表や声明などは出されていない模様。また、10月に期限となる社債に関わる資金繰りなどについても、これまでに特に発表などは行われていない。
同社の経営に関しては、引き続き経緯を注視しておきたい。
コメント
良い材料がまったく無い時代で、回復は無理でしょうねえ。
あるとしたら、中国政府の支援がある場合ぐらい?
ソフトバンクのインド向け投資にインリーのパネルを買い叩くとか・・・。
でもJ●ソーラーの資金難のときも、市価の半額で出回ったんですよね。パネル。
匿名希望さま、
いつもコメントありがとうございます。
インリーですが、元々政府系企業のようなので、その中国政府による支援の可能性は、まだ残されているように思います。中国政府が直接ということでなくても、間接的に関係している機関や企業がインリーに助け舟を出すといった手段です。
仕事柄、中国の再エネについて見聞きすることがありますが、かつて日本政府がODAで日本企業の便宜を図っていたのと同様に、現在中国は様々な国(特に中国より経済発展が遅れている新興国)に官民挙げてインフラ輸出をしています。
そういった案件で何十MWのメガソーラーがあれば、そのパネル調達にインリーを起用するなどすることで、少なくとも数十億円規模の商談になります。それらの支払い条件をすべて前払いにし、政府系金融機関などにファイナンスさせれば、全額は無理でも負債の相当分を賄うことができます。
インリーは経営不安があるとはいえトリナソーラーにつぐ世界2位の太陽電池メーカーであり、従業員も1万6000人以上を雇用している大企業です。それを潰すとなると、ただでさえ経済が停滞している中国がさらに足を引っ張られる可能性が高いため、何らかの救済措置が取られる確率はけっこうあるのでは。