中国トリナソーラーが、単結晶シリコン太陽電池セルで変換効率22.13%を達成、世界記録を更新したと12月22日に発表した。
トリナソーラーは、2014年にも同じ単結晶シリコンの太陽電池セルで21.4%を記録していた。今回は、さらに0.73%の高率向上により世界記録を更新したとしている。
報道発表では、「わずか1年の内に0.73%というめざましい効率改善を遂げました」とあるが、これはいささか大げさな気もするw。
ただ単結晶シリコンの変換効率は、理論的な限界に近づいている。研究開発レベルにおける太陽電池の変換効率の年次推移をみると、カーブ(単結晶Siは下図の青線)が飽和して来ているのが分かる。その意味で、トリナソーラーが自慢したくなるのも分からないではない。
ともかく、こういた技術面での成果を量産する製品へと反映させて頂きたいところ。
トリナソーラーは、2014年にインリーソーラーと交代する形でグローバルの太陽電池・太陽光発電モジュール製造でトップとなって以来、現在もその地位をキープしている。
ちなみに、トリナソーラーもインリーと同様に米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場(シンボル:TSL)している。現在のトリナソーラーの株価は、一株当たり11ドルで今回の発表による同社株価の大きな変動はない模様。
中国メーカーながら、トリナソーラーの評判は比較的良好
価格はともかく品質面で中国メーカーの評判や評価には(筆者を含め)異論もあるが、トリナソーラーの評判は比較的良好とみている。
トリナソーラーの価格については、ある業者ではkW単価で12万円台(260Wパネル×200枚の場合、架台・工事費および税は別)とかなり安い(もっとも、中国製ではkW単価ではもっと安い激安のソーラーパネルも存在…品質には要注意だが)。
中国のソーラーパネル製造トップということで、遠隔監視システムである「タイゴエナジー」を統合した「トリナスマート」など筆者としても機会があれば採用してみたいと考えている。
コメント
トリナはかなりのメーカーですよ。
製造時の部品業者選定もかなりシビアでコスト削減のために移転を繰り返しつつ
付いてこれない業者は捨てているそうです。
品質に関しても、京セラから技術指導を受けたことを基にしているため
準日本品質です。(安いメーカーのくせに、質がわるいと聞いたことがないでしょ?)
また、いち早く、カタログ値以上の品物しか出荷しないことを掲げた海外メーカーです。
匿名希望=通りすがり(鬼) さま、
コメントおよび興味深い情報をどうもありがとうございます。
ご指摘のように、トリナの品質は中国メーカーとしては高いと認識しています。
この記事でも触れたように技術力も相当にあるようですし、あとはPIDなどの耐久性でお墨付きが付けば、日本やドイツのトップブランドと同様に安心して使えるようになりそうですね。