筆者も採用予定のハンファQセルズが絡んだ産業用太陽光発電の企業提携が行われる模様だ:
楽天、日本エコシステム、ハンファQセルズ、宿泊施設の屋根借り太陽光発電で連携
(環境ビジネスオンライン)
この企業連携の詳細に関しては上記のリンク先の記事に譲るが、筆者が注目した点は、まずこの企業提携が対象とする産業用太陽光発電が屋根貸しの案件を対象としたものであること。
これまでであれば、比較的大きな遊休地に野立てでメガソーラー、というのが当たり前なのだが、このプロジェクトでは宿泊施設や倉庫などの屋根に乗っける太陽光発電システムが中心となっているのだ。
この辺、産業用太陽光発電におけるトレンドの転換点と言う感じがする。
つまり、楽天などの企業は大規模なメガソーラーでの適地が無くなりつつあるので、次なる事業機会を宿泊施設、企業などの社屋や倉庫などの屋根上に設置する太陽光発電にシフトし始めた可能性があると思うのだ。
わざわざ100件の宿泊施設や企業を探して手間暇をかけて屋根上に設置するのは、野立てのメガソーラーに較べるといかにも効率が悪そうな気もする。
その点では、よくこのようなプロジェクトと企業連合で、しかもそのための合弁会社まで立ち上げるなぁ、と思ったのだが、楽天にはそれなりに成算があってのことなのだろう。
このプロジェクトでの役割分担は、楽天が資産管理(アセットマネジメント)、日本エコシステムが太陽光発電の設置工事と保守運用、ハンファQセルズが太陽光発電モジュールの製造と提供ということになる。
もう一つの注目ポイントは、資金調達の方法だ。
上述の「アセットマネジメント」同様に難しいカタカナ用語が多く分かり辛いのだが、ノンリコースローン、(非遡及型融資、日本ではあまり一般的ではない種類のローンだが、売電収入がある太陽光発電だから採用できたのかもしれない)、さらにそれを合同会社と匿名組合との組合せ(「GK-TKスキーム」と呼ぶらしい)で活用することで、出資者のリスク軽減が可能となるそうである。
この辺、以前ホリエモンがブイブイ言わせていた頃のライブドアや村上ファンド等を髣髴とさせるが、もちろん別にいかがわしい物などではなく、合法的かつ合理的にリスクを軽減しつつ資金を調達するテクニックということなのだろう。
我々が推進する50kWプチソーラーでも法人であれば同様のスキームやテクニックとして活用や応用が出来るかもしれないので、事例として記憶に留めておきたいところである。
最後にもう一つ。
楽天がこのタイミングでこういった産業用太陽光発電のプロジェクトを始めるということは、買取価格が34円/kWhでも(つまり、少なくとも平成26年度いっぱいまでは)まだ太陽光発電が十分に儲かるということを裏付けているとも言えそうである。
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