太陽光1号基の施工業者であるS社から、本日電話で連絡があった。
先に営業担当の方から伺っていた、「1年後点検を行いますよ」というお知らせである。
これは施工費用の中に含まれている保守点検サービスのようで、特に費用などは求償されないようだが、こういった辺りが価格面ではそれなりに高いものの、高品質な施工や高付加価値サービスという形で感じられる。
筆者と異なり資金面で余裕のある方や企業さんであれば、こういったS社の至れり尽くせりに近いサービスはかなり満足行くのではないかと思う。
「セコめがね」無しでも、無事に発電を継続中だが…
ちなみに、筆者の太陽光発電所1号基ではオムロン製パワコン「KP55M」×9台、遠隔監視のために自称「セコめがね」というネットワークカメラを基本とした売電用の電力計の画像をネットで確認できる簡単な仕組みを設置していた:
ところが、それが動作しなくなってしまったため、現在は何も遠隔監視をする手段がまったく何も無い状態なのである(汗)。
幸い、ケーブルの盗難事件が多発している東関東と違って岡山の田舎はまだそれほど治安が悪くないためか、このように無防備な状態でも幸い太陽光発電所を無事に運用できている。
しかし、運を頼りとしたこのような有り様では、その運が尽きた時に困ることになる。
それでは途方に暮れるしかなくなるので、そうならないように「セコめがね」の復活と、2号基では既に購入して手元にあるコンテック社の「SolarView Compact(ソーラービュー・コンパクト/SVC)」の設置を急がなければならない。
(追記:2号基の遠隔監視は、SVCからオムロン純正の「KP-MU1F-SET」に変更。SVCは広島県大竹市の6号基にて稼働中。2022/12)
あと、発電や稼働の状況だけでなく防犯を主目的とするなら、防犯カメラも設置しておくに越したことはない。
意外に多い、太陽光発電のパワコン故障
最近、筆者が定常的にチェックしている太陽光発電ムラ界隈の方々の発電所では、盗難以外にもパワコンが故障したり、停まったりといったトラブル事例を結構見聞きしている:
パワコンの故障や停止の原因は、大気が不安定な状況下で起こり易いカミナリ(落雷)、それに猛暑による機械の不調などらしい。現実にそういったトラブル事例の報告がかなり頻繁に起こっているようなので、売電収益を無用意に損しないためにも、筆者のように遠方に発電所を保有している向きには遠隔監視が絶対に必要となる。
本日S社の方から聞いた限り、1号基は無事に稼働を続けており、ソーラーパネルの状態等も含めて特に問題は無かったそうで胸を撫で下ろした。とはいえ、このまま運頼みでずっと発電所を運用する訳には行かないので、出来るだけ早く遠隔監視の体制をきちんと構築したい。
また、現在準備中の3号基では上述のパワコン故障の事例の報告が多い田淵電機の同じ機種を採用の予定なので、やはり事前に故障や停止した場合のことまで考えて手を打っておく必要があると考えている。(田淵電機の場合、出荷数量も多いようなので故障の事例数がそれに比例して多いということもあるようだ。)
追記:オムロン純正の遠隔監視システムを設置したが…
2019年の後半時点で、オムロンのパワコン「KP55M」で使用可能な遠隔監視システム「KP-MU1F-M-SET」を1号基と2号基用に購入し、LTEルータとともに1号基での設置を完了した。
ところが、SMA等の遠隔監視システムとは異なり、オムロンのKP-MU1Fでは遠隔監視のソフトウェアやシステムが機器には付属しておらず、ハードだけを設置してもそのままでは遠隔監視ができないことが判明した。「エコめがね」などオムロンが提携しているサービスでなければ利用できないようだ。
現地へ行けば、USBメモリでデータを吸い上げて発電電力量の確認や分析はできるが、発電所の状況監視やリアルタイムの発電電力量をみることがKP-MU1Fだけでは困難なのである。
ネットで調べたところ、LTEルータのポートを解放するなどすれば、インターネット経由でアクセスできるようにはなるようなのだが、少なくともメーカー(=オムロン)として公式に推奨している方法ではなく、あくまでも非公式で自己責任での設定となる。
VPNやポート開放などネットワーク管理の知識が必要となることもあり、2020年8月現在もまだ悪戦苦闘の最中である。
ただ、せっかく純正ケーブルを購入してパワコン9台を数珠つなぎにした接続まで工事も終えており、この労力と部材の費用を無駄にするわけにもいかないので、今年中に発電電力量の監視ができるようにしたい考えだ。
コメント
点検は重要です。シミュレーション以上だとしても発電効率が下がっていたりパネルの一部が死んでたりすることもあるのでこの機会に見てもらうといいと思います。○淵さんだとDCDCコンバータの故障もままあるので開放電圧と動作電圧の差をチェックしてもらうといいかもです。
セコめがねの復旧は急いだ方がいいと思います。毎月のように各所で電線泥棒発生してます。言ってはなんですがこれからどんどん経済格差の二極化が進むとローリスクな電線泥棒は増えてくると思います。盗難保険も入っておかないと泣きを見る可能性が。
ぶっちゃけパワコンのトラブルが一番多いです(なので私のハンドルネームの由来でもあるわけですが…) モジュールは意外に少ない、というよりシミュレーション以下にならないと気付かないことが多いからだと思います。パワコン故障すれば明らかにガクッと下がるので気付きやすい。
田○さんの名誉の為にいいますと世界パワコンシェアトップ10に入ってる実績をもつメーカーさんですし故障の事例が多く感じるのはやはり出荷数が多いのも関係してると思います。ただ個人的にはメーカー問わず、小型インバータの技術は極めて高度です。オムロンRシリーズも特定顧客向けということを鑑みるに現状実験段階的なものであり10年ノートラブルでいける実績を誇る技術レベルに到達するのは難しいのではと思っています。ただ施工しやすいしサービスマンはいい人多いですし○淵さんは好きですw
パワコンマニアさま、
コメントありがとうございます。
いや~、点検はタイミングもなかなか良くて本当に助かりました(汗)。
電話で取り急ぎ特に異常はないと聞き、詳細は書面の報告書を送ってくれるそうなので、楽しみに待っているところです。
ご指摘の点(セコめがね、盗難の懸念など)、保険はもちろん入っていますが、防犯対策はやっておかないとやはり不安ですね。愚図なのですが、本当に急ぎたいと思います。
パワコン故障の可能性ですが、オムロンのKP55Mはどうなんでしょうか。
田淵は出荷数量も多いせいか、最近結構見聞きしますが、オムロンでも壊れると言う話はお聞きになっていますか?
近々の話ではまだないと思いますが、両社ともSiCパワー素子を採用した次世代機種を既に発表してましたので、それらが市場に出てくれば、耐久性がかなり向上していて故障も減るのではと期待しています。
保険で気になるのが約定や規定等で盗難に遭ってから何日以内のみ対応となっている場合。期限までに気付かないと適用外になる恐れもあるので早めに気付くに越したことは無いです。
ここからは完全な主観による見解です。
オ○ロンMシリーズは流石老舗というか出荷台数が多い割に壊れにくいイメージがあります。旧来方式の集中型でありマルチストリング型のように小型インバーターで無いこと、スペック以上に設計強度や部材が余裕を持った作りになっているので想定外の環境に置かれても壊れにくいことが要因では無いかと思っています。オム○ンが10kwクラスのパワコン作ってくれれば面白いかなあと思っているのですが。
ただオム○ンにも欠点はありまして、なまじ製品品質に自信があるせいか本当に故障した時の対応が遅いです。原則メーカーの人間が現場に来ることはありませんし製品の不具合をなかなか認めない(メーカー保証対応になりにくい)イメージがあります。
後、パワコンを選ぶ上で意外と重要なのが防水防塵保護等級ではないかと思っています。屋外パワコンは特に海に近い現場(塩害)や砂塵粉塵が舞いやすい、高温多湿等、厳しい環境にさらされます。一昔前のパワコンだとIP34とかなので結構塩分や埃を吸い込みますしファンも壊れたりフィルターも目詰まりしやすく、基盤劣化が進んで結果パワコンが停止したり温度異常で抑制がかかりやすく十分に性能を発揮できなかったりします。定期保守契約を結んでない限り原則フィルター清掃はオーナーさんの作業なのですが、ご自分でフィルター清掃を行っているオーナーさんにはとんと会ったことが無いです。やはり太陽光はメンテナンスフリーという昔ながらの悪影響及ぼす謳い文句なせいでしょうか…
近年はIP65対応品も出ていますので出来るだけ防水防塵保護等級が高く、ないしファンレスなパワコンが理想なのかなあと思ってます。20年スパンで考えたとき、年々温暖化傾向にありメーカーが当初想定していたものより過酷な環境にならざるを得なくなる可能性も高いので選定基準の1つとして考えて頂ければ幸いです。
パワコンマニアさま、
お返事が遅れ、大変失礼しました。
太陽光ユーザにとって大変有用な情報をご教示くださり、どうもありがとうございます。
フィルター掃除など、私もまだしたことが有りませんが、今度現地に行ったときには目詰まりなど、チェックしてみようと思います。
今後とも色々とご教示頂けましたら、幸甚です。
どうぞ宜しくお願い致します。
保険によっては、免責があります。故障発生時期を証明するのは監視装置による記録でもあると思います。
こういったことから考えると、監視装置は必須と思います。
パワコンのファンレスですが、冷却を考えるとファンは必須と思います。パワコンの動作環境温度の上限は40度となっています。
ファンレスの場合、自然冷却に頼りますが、夏の気温、発電の多さを考えると不安は解消されないと思います。
蛇野さま、
コメントありがとうございます。お返事が遅れ、大変失礼しました。
ご指摘の点、保険と遠隔監視については、ご指摘の通りかと思います。
当方だは、まだ万全とは言えないので、早く遠隔監視の仕組みを充実させなければ…
パワコンのファンについては、現状ではファンが必要かも知れませんが、本ブログでは再三記しておりますSiCやGaNによるパワー素子の搭載機の市場投入に期待しています。