先の週末、所用あり九州に帰省していた。
そこで、少々時間をやり繰りしてyukenさんの太陽光発電所を見学させて頂いた。
yukenさんには以前に一度お会いしお話をお伺いしていたが、その後に彼もシロツメクサによるグランドカバーを実践されていると聞き及んでいたので、その辺も含めて色々と情報交換させて頂こうと思ったのである。
yukenさんの太陽光発電所だが、ご実家周辺の耕作放棄地などを活用する形で現在2基が稼働中、さらに2基を準備中である。最終的には、さらに2基を分譲案件なども含めて入手し、合計で6基までの運用を視野に入れているという。
30kW級から始まり、50kW級、70kW級の過積載へと進化
yukenさんの太陽光発電所では、当初1号基が約30kWとやや小規模なものだった。
当初は小学校の建物が建っていた場所の南側の土地に設置された形だったのだが、その後その建物が取り壊され撤去されたため、その跡地を利用して24kWを増設し55kW規模になった。その後、さらに隣地にパネルを80枚増設することで73kWの過積載とした。
この辺、最近話題の「ポケモンGO」ではないが、ピチュー(30kW)→ピカチュウ(55kW)→ライチュウ(73kW)と進化しパワーアップしているようだ(笑)。
yukenさんご自身は、「計画性が無くて…」とご謙遜されていたが、改善点を見出すや俊敏に対応されている辺りは動きの遅い筆者からみると、正に模範というか見習わせて頂かなければ、と大いに反省させられた。
なお、1号基と2号基では、カナディアン・ソーラーの太陽光パネルと田淵電機の3相パワコン「Enetelus」という、ポピュラーな組合せを採用している。架台は単管パイプと太陽光専用架台の両方である。
太陽光発電+αの事業で法人設立も視野に
現在、様々な要因を考慮し、まだ稼働中の発電所は2基ながら、法人設立を検討されているとの話である。
ただ、その法人では太陽光だけではなく、他の事業も定款に加えて、多角的な事業展開も視野に入れられている。
例えば、現在近くの畑に植えられているブルーベリーを活用した、観光農園事業などだ。
筆者も実際にその場でもぎたてのブルーベリーの実を試食させて頂いたが、エネルギーだけでなく食や農業に関する事業も行うのは、とても良いと思った。
筆者もソーラーシェアリングを当初は考えていたこともあり、ご実家の土地や資産を活用してこういった展開ができるyuken氏が羨ましいと感じた次第である。
※ 農業や農地とまったく縁がない筆者の場合、地目が農地の土地を使ってのソーラーシェアリングは農地法などの制約から事実上非常に困難であることが分かり、現在予定している発電所ではソーラーシェアリングは1基もない。今後もし可能性があれば、挑戦してみたいが…)
シロツメクサのグランドカバーは春頃までは良かったが…
シロツメクサによるグランドカバーは、「春頃には良い具合だった」(yuken氏)とのことだが、その後暑くなるにつれて雑草に競り負ける状況になってしまったという。そのため、グランドカバーのみでの雑草対策から、ピンポイントで除草剤も活用するという方針に転換されたそうである。
実際には、部分的に防草シートも活用されるなど、いくつかの雑草対策を組み合わせて取り入れられている点は、筆者のアプローチとも近く、親近感のようなものを感じた。
ケースバイケースで臨機応変(悪く言えば、朝令暮改的?)な雑草対策も一つのやり方ではと思う。
もちろん、高機能(≒高価)な防草シートを最初に敷いたり、アスファルトで舗装してしまったりといった初期投資は嵩むものの半永久的な対策もある。
だが、土壌などによってはそういった対策が取れないこと、先に太陽光パネルを入れてしまった場合などでは、やはり臨機応変にやっていくしかないし、雑草対策に100%完璧なやり方を望むのは高コストで困難ということもある。
また、太陽光の場合、極論すればとにかく太陽光パネルを草が遮らず、発電される状態さえ常に確保できていれば良い。
現実に筆者の場合も、しょっちゅう草刈りを行っているが、その大半は太陽光パネルに直接影響がある訳ではない場所に生えている雑草である。ただ、そういう雑草も刈っておかないと周辺にお住まいの方や隣の農地の方などから苦情が来てしまうからなのだ。
再エネとしては確かに最も手が掛からない太陽光だが、完全にほったらかしに出来る訳でもないのだから、最低でも月に1回程度は状態を確認し、その都度パネルに影が出来そうな雑草を刈ったり、パネルの汚れを掃除したりと言った程度の作業を行う事は事業者としてやはり必要なように思う。
(続く)
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