(「シロツメクサが少し生えてきた【グランドカバープランツ作戦】」の続き)
さて、グランドカバー作戦は良いとして、今回のメンテ作業のうちの項目でもう一つ重要な項目があった。
太陽光パネル増設の検討である。
パネルの増設については、過積載番長の某氏や太陽光発電ムラ・中部支部長のSさんなどから「増設すべきでは」とのご指摘を頂いていた。
セコめがねなど遠隔監視も、もちろん重要なのだが、太陽光パネルの増設を行うと、直接収益性を大幅に改善できるため、目の色を変えて検討している訳だ。
特に、1号基は36円/kWh案件であるため、収益性改善への寄与度が大きい。
1号基の施工・連系を行った2年前と比べると、ソーラーパネルも確実にコスト下落が進んでいることもあり、10kW程度を積み増して過積載にすることで、36円で10kW程度の太陽光発電所を新たに設置したのと同程度の収益性が期待できる訳だ。
今回現地入りする前に、1号基の施工会社・S社が作成してくれていた、ストリング設計図を持参していた。それを見つつ、現地で実際に確認しつつ増設の是非の検討を行った訳である。
結論から言えば、「やらなきゃ損!」だ。
最初の発電所では知識があまり無かったということに尽きるが、自分の詰めが甘いということでもあり、ストリング設計図も改めて良く見ると「もったいないお化け(古っw!)」が出てきそうな感じなのだった。
半分弱のパワコンで、出力容量>太陽光パネル容量
どういうことかというと、9台あるパワコン(オムロンKP55M、出力5.5kW)のうち、4台でパワコン出力よりも少ない容量のソーラーパネル(=5.2kW)しか設置されていなかったのだ。
この辺り、ストリングの設計を施工業者がどのように考えて行ったのかが、イマイチ良く分からない。単にパネルとパワコンの数合わせとしたのか、コストを削ったのか、それとも顧客のために最善のストリング設計を行ったのか。
少なくとも、顧客のために最善のストリング設計かと聞かれたら、「否」と答えざるを得ない。なぜなら、パワコンの容量を余らせているため、収益性が犠牲となっているからだ。
もちろん、業者の立場で言えば、「客の言う通りのパネルの枚数でシステムを組んだら、こうなったんだよ」といった言い分はあるのかもしれない。
しかし、筆者としてはソーラーパネルの枚数が必ずしも200枚ピッタリでなきゃいけないという事は別に無かったし、例え50万円か100万円かは分からないが、こちらの希望金額より超過していたとしても、収益性を考えると最善の提案をして欲しかった。
1号基では土地もまだ相当に余っており、どうせ同じ固定資産税・償却資産税を払うのであれば、売電収益が1円でも多い方が良いからだ。
ともかく、1号基のストリングは
- 5直列×4並列×4台、ソーラーパネル= 80枚
- 8直列×3並列×5台、ソーラーパネル=120枚
- 合計 9台、ソーラーパネル=200枚
となっているのである。8直3並列の5台については、パワコン1台あたり24枚のパネルが接続されている。つまり、24×260W=6240W=6.24kWのパネルが5.5kWのパワコンに接続されているため、こちらについては一応、過積載の状態に既になってはいる。
ただ、パワコンのスペックから見ると、もう少し余裕がありそうである。あと、4枚位は行けるのではないかと思うが、これについてはパワコンの最大定格を確認する必要がある。
一方、4台の余裕のあるパワコンの方は、まだ20枚ずつしか接続されておらず、最低でも4枚、可能であれば8枚を追加したいところ。
仮に、全部のパワコンで各28枚ずつのパネルを接続した場合、
9×28×260=65520W
となり、現在の200×260=52000Wより52枚=13.52kWの増設となる。
この場合、年間に数%程度のピークカットがあるとしても、25%前後の収益増加が期待できる。
パワコンの最大定格と設備認定の軽微変更の規定を良く確認する必要はあるし、既に配線済みのケーブルのつなぎ換えは面倒な作業ではあるが、いずれにしても増設は是非とも行いたいところである。
(続く)
コメント
いよいよ、過積載番長に影響されてきたのでしょうか。パネル増設というとこでたのしみですね。増設分であれば自己資金での増設も可能かと思われますね。ところでお伺いしたいのですが、4台のパワコンは4直5並列といえば、KP-55Mの入力端子数よりおおいのですが、接続箱を接続させているのでしょうか。パネル構成としてはかなり、いびつな接続になっていますね。
4直列×5並列×4台、ソーラーパネル= 80枚
8直列×3並列×5台、ソーラーパネル=120枚
合計 9台、ソーラーパネル=200枚
業者は、実際にパネルが並べられないと現場で困るので余裕をもって設計することがありますが、この場合であれば、8直3並列で 216枚であれば、パワコンにかかる枚数が均等で、いいかもしれませんね。
私の場合は 72セル、305W 7直 4並列、 パワコン8台が、グランプリ参加しています。
ぜひ8直 4並列にチャレンジしてみてください。
smileさま、
コメントありがとうございます。
ご指摘通り、過積載番長による影響は少なからずあるかもしれません。
何しろ、毎週のように「記録更新!」みたいな記事を書かれていて、過積載のパフォーマンスを見せつけられていますので(笑)…
ご質問の件ですが、接続箱のようなものは特に使っていません。
ご存知の通り、KP55Mにはパワコンに接続箱機能がありますし、施工業者もそれをそのまま利用してパネルをパワコンに直接配線していますので。
8直4並列は、出来れば挑戦してみたいところですが、さすがに用地の余り部分がそこまでは広くないので可能な範囲での過積載に留まるかと存じます。(あと、通りすがりさんのご指摘の件も・・・)
いずれに致しましても、今後ともよろしくお願いいたします。
パワコン容量よりも足りないパネルがつながってるパワコンに新たにつなぐと、出力変更で価格が変更されますよ。出力以上のパネルがつながってる5台分のみ過積載してください。
闇でやるのは勝手ですが下手したら、遡って連系時から差額清算する事もあるみたいですよ。
ちょっと前までは10KWまでの「増」減が可能だったので、おそらく施工しやすいようにしたんでしょうね。業者さんの不手際というほどではありません。
悪いのは手続きを二転三転させてる、JPEA側でしょう。
匿名希望=通りすがり(鬼)さま、
いつもコメントおよびご助言下さり、ありがとうございます。
うーむ… 頂いたコメントにて、この2年来の出力「48.3kW」の謎がやっと解けました。
5.5×5+5.2×4=48.3kW が設備認定の出力となっていたんですね。
これまで、「5.5kWパワコンを9台使ってるのに、なぜ出力が48.3kWなんて中途半端な数字なんだ?」とず~~っと不思議に思っていたんです。
制度の変更ということですが、パワコンの設備は一切いじらなくても、出力未満のパネルが繋がっている方のパネルを過積載にすると、出力変更で買取価格も変更になってしまう…ということになるんでしょうか?
だとしたら、もう1号基で過積載を追及することの意味が半減ですね(泣)。
もちろん、既に過積載のパワコン5台にもう少し載せるくらいは可能と思いますが…
うーん、ちょっと、いや、大ショック…
48.3なら、8台は全力過積載、1台はパネルを4.3kW以下(8直2並列とか)にすればよいのではと思いますが、いかがでしょうか。
申請している出力が、そのようになっているのですね。私もそのようなケースに直面したことがあります。某エコ〇〇が取得した設備認定の内容で、さらに過積載をお願いしたのですが、申請している設備認定をパネル出力で申請してあるので、結局、中途半端な認定出力の部分を申請できず、また、取得してある設備認定の内容も説明がされていなかったため、パワコンの台数を5.5×8台に変更するしかありませんでした。もったいないことをしたのですが、今考えると、土地が余っていただけにとてももったいないことをしました。
現在出44kWで設備認定取得、連携済みの発電所に5.5kWのパワコンを設置して、49.5kWに増設、サブメーターを付ける方法も考えましたが、その場合は10kW以上の設備でしか全量買取は出来ないとJEPAに言われました。
10%以内の出力減少は軽微変更で済みます。なので、あえてパワコンを1台減らし(予備にしておく)、パネルを過積載する方法があります。パワコン44kwでパネル70kw程度なら、ピークカットは年間2%以内で治るはずです。ちなみに4直列5並列ではなく5直列4並列ですよね?何れにしてもありえない設計です。ケーブルがアレイをまたぐのを嫌ったのでしょう。(^^;;
>ちなみに4直列5並列ではなく5直列4並列ですよね?
亀レスにて失礼しました…ご指摘ありがとうございました。
本文も先ほど訂正いたしました。^-^;
大事な訂正!
❌ 10%以内の出力減少
⭕️ 10kw未満の出力減少
某あやぱぱ様、
コメントおよびアドバイス下さり、どうもありがとうございます。
なんと! 設備認定の意味のない規制に対して、そのような裏ワザがあったんですね!
4.3kWピークの出力が減っても過積載による全体的な売電量底上げで取り戻せるなら、これはありですね。
あと、この裏ワザの応用として、例えば他のパワコンに入れ替えて48kWとする、と言ったやり方はどうでしょうか?パネルや出力の縛りはあった訳ですが、パワコンのメーカーについては規定がなかったようなので、電力会社がOKであれば機種変更も大丈夫ではないかと・・・
そうすればピーク出力が0.3kW減るだけなので、過積載と合わせて売電量は確実に大幅な改善が期待できそうです。
この改造が首尾よく運び、収益が大幅に改善された暁には、今度は私がステーキを奢る番ですね!
そうですね!余裕があるならパワコンも一部変更して、あわよくば48.3kwに合わせられれば軽微変更も要らないし最高ですね。単相なら選択肢多いし効率も上げられるかもですね!(^^)
某あやぱぱ殿、
重ね重ね、ありがとうございます!
おっしゃる通り、複数メーカーのパワコンを組み合わせれば、48.3kWを構成することは可能です。
例えば:
オムロン KP55M 5.5kW× 6台 = 33kW
SMA Sunny Boy 5400TL-JP 5.4kW×2台 = 10.8kW
SMA Sunny Boy 4500TL-JP 4.5kW×1台 = 4.5kW
合計 48.3kW
といった感じです。
SMAなら変換効率も高いので、今と同じ設備容量でも文句ありません。
これに過積載で10kWちょっとを追加すれば、非常に費用対効果の高い増設が実現するかも。
お陰様で夢と希望が湧いてきました!
容量を合わせるためにパワコンを取り替えたり、ちがうメーカーのものを混ぜたりというのは工事内容が大掛かりになってしまうのではとちょっと心配です。
(保証は目をつぶるとしても)パネルのつなぎかえや増設で済む範囲で済ませたほうがよいのではと思いました。
4段架台だと、8の倍数にするとすっきりしそうですから、
PCS1~5: 260W×32枚ずつ 発電出力5.5kW
PCS6~8: 260W×32枚ずつに組換
PCS9: 260W×16枚=4.16kW
合計272枚・設備認定上の発電出力は48.16kWでいかがでしょうか。(スペースがなければ32枚のところは適宜24枚変更ということで。)
名乗るほどのものではありませんが様、
コメントへの返答が大変遅れ、失礼致しました。(マイペースのBにてご容赦…)
当方システムの増設についてご心配およびご提案下さりどうもありがとうございます。
現状、70枚の増設は現在余っているスペースだけだと難しいものの、40~50枚なら可能と考えています。
4台のパワコンについては勿体無い状況ですが、とりあえず現在も順調に運転中の発電所ですので、頂いたご意見も踏まえ保証や収益、作業の工数や難易度などを総合的に判断して最適な増設・改修を行いたいと思います。
今後とも何卒よろしくご指導下さいませ。
パワコン減設&パネル配線つなぎなおしは・・・。
1)パッケージでの保証に入ってる場合は改造行為で、設置した業者さん&メーカーじゃないと保証が抹消
2)配線やり直しは、結構手間が掛かるので、DIYでやるか、業者さんを容量の件でまけて貰うか
というリスクがありますねえ。
あまり安易に薦められません。
さらにパワコン付け直しは工事費見ても安くて1台20万円でしょ?うーん・・・。
>その場合は10kW以上の設備でしか全量買取は出来ないとJEPAに言われました。
JPEAは時たま嘘つきなんで、納得できない場合は、資源エネルギー庁に問い合わせたほうがいいですよ。
とくに、「なるほど納得再エネ」の電話は間違いもありますので。
エネ庁に電話してもJPEAに電話しろと、たらい回しにされますが、確認のためと
聞いてください。
匿名希望=通りすがり(鬼)様、
コメントおよびアドバイス下さり、どうもありがとうございます。
お返事が大変遅れまして、失礼しました。
保証と配線やり直し作業の工数については、ご指摘の通りかと存じます。
確かに安易かつ軽率に取り掛かって失敗などしたら、目も当てられません。。。
ちなみに、この発電所を施工した業者の営業ご担当者には2度ほど増設を打診していますが、結論から言えば無視されているような感じです。なので、自身の判断と多少のリスクは承知のうえで取り組もうとしています。(最近、太陽光仲間のある方から、この業者は太陽光発電所の増設には消極的で他の施主にも増設をお断りしたという話を聞きました。)
増設による収益性の改善はなんとかして追及したい考えですが、保証の確認も含め細心の注意を払って進めたいと思います。
今後とも何卒よろしくご指導下さいませ。