(「太陽光パネルをドローンで検査するメリットとは」の続き)
分譲型太陽光発電所「湯梨浜太陽光発電団地」(鳥取県湯梨浜町)とその遠隔監視システム等について、これまで何度かに渡ってお伝えしてきた。その最終回となる今回、番外編としてもう一ヶ所見せて頂いた太陽光発電所についてご紹介したい。
低圧連系の太陽光発電所、パネルアレイの下を見ると…
場所は倉吉市の清谷町。見せて頂いた太陽光発電所は、低圧連系で54kWが3基である。太陽光発電パネルには高品質で定評のある独ソーラーワールド(SolarWorld)製の多結晶シリコン250Wを採用。パワコンは田淵電機製の「Enetelus」、三相9.9kW × 5台である。
ということで、分かる方にはこの太陽光発電所のEPCであるホームズさんの力量や施工品質がお分かり頂けるだろう。(SolarWorldは同社製パネルを扱う施工会社を施工の品質で峻別しているため)
このプチソーラー、ソーラーパネルがソーラーワールドと言うだけではこの記事で紹介するほどでも無いところだが、実はもう一つ強烈な特徴があった。
論より証拠、まず次の写真をご覧頂きたい:
ソーラーパネルアレイの下側に設置されたこの小屋みたいなものが何だか分かるだろうか。普通の人は、この写真を見ただけでは恐らく分からないだろう。もう一枚の写真。これを見れば、分かる方には分かるかもしれない:
太陽光発電のパワコンの騒音対策として建てた防音小屋
もったいぶって申し訳ないので、解答を書こう。
これは、パワコンの防音小屋とでもいうべき構造物なのである。
このパワコン用防音小屋、当初は無かった。
だが、発電所が完成後に周囲(実際にこの太陽光発電所の近隣は住宅街であり、この発電所を取り囲むように家が建っている)の、パワコンの設置場所に近く、パワコンの通風孔の延長線上にある家の方から、オーナーの方に「パワコンの音がうるさい!」と苦情が来てしまい、近隣トラブルになりつつあったそうだ。
困ったオーナーがホームズさんに相談したところ、ホームズさんはなんと施主側への費用負担無しでこの防音小屋を施工し対応したという。この小屋の設置後、パワコンの高周波音やモスキート音などの騒音は苦情を呈した家にも届かなくなり、一件落着となったそうだ。
ホームズさんとしても、施工するプチソーラーごとにこの防音施設を作るのはコスト的に無理があるだろうから、現在は恐らく施工の時点でもっと低コストな対策(場合によってはパワコンをファンレス等の低騒音型に変えるとか)をしつつ進めていることと思う。
ともかくこの話を聞いただけで、信じられないくらい良心的な対応だと感心したのである。
太陽光発電の近隣トラブル、信頼できる工務店が大切に
Sさんはご自宅の施工を同社に行って頂いたこともあり、太陽光発電でも信頼してお任せしていたそうで、
地域の小規模な工務店は信頼がすべて。変な近隣トラブルでも起きて信用されなくなったら、注文が来なくなって店が潰れるから
と説明されていたが、確かにそういう事情はあるとはいえ、なかなか真似が出来ない事ではないかと思った。
太陽光発電の分譲では相当にいかがわしい物件も出回っている訳だが、こういう信頼できる施工会社が手掛けた分譲型太陽光発電所の案件なら、安心して購入できそうだ。
と言う訳で、EQ-100のモニタリングを中心に何回かに分けてお伝えしてきた鳥取の太陽光発電事情、これにていったん完了となる。実は写真などまだ公開していないものも多くあるのだが、関連した記事などで今後もご紹介させて頂ければと思う。
最後となるが、鳥取の現地で取材にあたり大変お世話になったSさんとホームズさんに厚くお礼を申し上げたい。
どうもありがとうございました。
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