スロットマシンも太陽光発電で動かす――?
最近、世界の都市や企業によって持続可能な社会を目指して太陽光や風力などの再生可能エネルギーを取り入れる動きが加速しているが、その勢いに乗った北米の都市がもう一つある。
それは、ネバダ州ラスベガス。
言わずと知れた、カジノが合法的に認められているギャンブルの街である。
この12月1日(火)、ラスベガス市として地元の電力事業者であるNVエナジーと提携し、消防署といった施設やビル、街灯、公園など市が所有する建築物や構造物などの電力を100%再生可能エネルギーで賄う計画をラスベガス市長のキャロリン・グッドマン(Carolyn G. Goodman)氏が発表した(記事の下のリンクを参照)。
人々が驚くことの一つは、ラスベガスがどれだけ環境に配慮しているか、です。というのも、皆さんが(ラスベガスについて)ご存知のことはすべてあまり持続可能ではないように見えるからです。
このようにグッドマン市長がラスベガス市のニュースリリースでも述べているように、筆者もこのニュースには良い意味で少し驚いた。
当初、ラスベガス再エネ100%化計画の中心となるのは、100MWの「ACボルダ―ソーラー」というメガソーラーで、ネバダ州ボルダ―シティのエルドラド・バレー(Eldorado Valley、「黄金の谷」ですか…)で現在建設中だという。
ボルダ―シティは、ラスベガスの近郊、約40kmほど南東にある町で、ちなみにここではラスベガスとは対照的にギャンブルは一切禁止されているそうだ(ネバダ州ではここともう一ヶ所だけ)。
屋根上設置型で世界最大の太陽光発電システムも
ラスベガスのあるネバダ州の南部、その隣のカリフォルニア州(ネバダの西隣)やアリゾナ州(東隣)、さらにその東隣のニューメキシコ州の辺りは日照量が多い。
全米トップはアリゾナ州だが、ネバダやニューメキシコも相当に晴れの日が多いことは、この周囲にデスバレー国立公園(カリフォルニア州)やモハベ砂漠(カリフォルニア、ユタ、ネバダ、アリゾナの四州にまたがる)のような乾燥した荒野があることからも想像できる。
なお、このラスベガス100%再エネ計画は、ネバダ州の公益事業委員会(PUC)とラスベガス市議会から承認を得なければならないが、いずれも反対することは恐らくないだろう。
ところで、カジノとしても有名なMGMリゾートにあるマンダレイベイ・リゾート&カジノのコンベンションセンターの屋根上には、6.4MWのメガソーラーが設置(2014年10月)されているそうで、これは屋根上設置型の太陽光発電システムとしては世界最大だそうだ。
このメガソーラーで、このカジノやホテルのピーク電力需要の20%をまかなえるという。
最後にラスベガスに行ったのはもう相当に昔だが、今度訪れる機会があれば、このメガソーラーも是非見学したいところである。
*ラスベガス市のニュースリリース
ttp://www.lasvegasnevada.gov/faces/home/communications/clv-on-track-to-rely-exclusively-on-renewable-energy-through-partnership-with-nv-energy?_afrLoop=2920009270274920&_afrWindowMode=0&_adf.ctrl-state=yghphvn17_4
コメント