<愛川ソーラーパーク探訪記(7)の続き>
愛川ソーラーパーク探訪記として何件かの記事を書き連ねてきたが、最後のネタはEV(電気自動車)用の急速充電器である。
固定価格買取制度の施行後、メガソーラーを始めとした産業用太陽光発電事業の市場の拡大が著しい。
一方、太陽光発電と同様にその将来に多くの期待がかかりつつも、中々期待通りに普及が拡大せず生みの苦しみを味わっているのが電気自動車である。
筆者は仕事柄、電気自動車やプラグインハイブリッド車の技術や市場動向を近年ずっとウォッチして来ている。
2009年に三菱自動車のEV「i-MiEV」が、2010年に日産自動車のEV「リーフ」が市場に投入され、これまでとは異なりいよいよ電気自動車の時代が到来するのか!との期待が大きかっただけに、2013年11月現在に日本国内のリーフの累積販売台数が3万台程度と当初の日産の目標を下回ったことは、EV関連者間では失望や焦燥となっている面もあるかもしれない。
車両価格と共にEVの普及のカギを握る条件の一つが、充電インフラの整備状況である。
2013年11月現在、国内には1800基以上の急速充電器、それに近い数かそれ以上の200V普通充電器などが設置されている。
ただ、電力会社の電気を使う限り、火力発電が主体であるため、ガソリン車よりははるかにクリーンではありつつも「ゼロエミッション」とは行かない。本当にゼロエミッションを実現するためには、火力などではなくCO2を排出しない太陽光や風力、地熱といった再生可能エネルギー由来の電気を使う必要があるのだ。
その意味では、愛川ソーラーパークにチャデモ規格の急速充電器(珍しい?GSユアサ製)が設置されているのは、EVの利用者にとっては自尊心をくすぐられるものがありそうだ。
何しろ太陽が出ている時なら、メガソーラーで発電された電気を充電できるので、真のゼロエミッション走行が出来るからである。
筆者は現在クルマを保有していないが、もしEVを持っていれば相模原方面を走る時には、恐らく頻繁に愛川ソーラーパークに寄って充電していただろうと思う。
実際、筆者が先日愛川ソーラーパークで取材・見学を行っていた時にも相模ナンバーのリーフが二台ほど急速充電に来ていた。
太陽光発電所にEV用充電器というのは、有りではないかと思う。
例えば駐車場を経営している事業者や企業が屋根にソーラーパネルを乗せたとき、EVやPHVユーザーの便宜のために急速充電器ではなくても200V普通充電が可能なコンセントを付けるというのは悪くないアイデアだろう。
まだまだEVやPHVの数が少ないため、なかなか採算ベースでは考え難いかもしれないが、逆に充電しない場合でも10kW以上のパネルであれば産業用となり全量売電が可能となるため、日当たりの良い場所にある駐車場の経営者の方にとっては魅力的な話に成りえそうだ。
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