パナソニックなどが提供を開始した太陽光発電向けの出力抑制補償について、先月の初め頃に書いた:
その後、パナソニックと前後して出力抑制または出力制御による損失に対する補償を自社の太陽光発電システムなどを購入した顧客へのサービスとして提供する動きがじわっと広がりを見せているようだ。
そこで、太陽光発電システムの購入や導入を検討している方のご参考になればと思い、自身のための情報整理や備忘録も兼ねて各社による出力制御による損失の補償サービスをまとめてみることにした。
エクソルやエコスタイルも出力制御の損失補償を提供
先の記事では、大手の太陽電池・太陽光発電モジュール製造メーカーだけに言及していたのだが、実際にはそれ以外の太陽光発電関連サービスを提供する会社もいくつかある。念のため、記事の一番下にそれらへのリンクも貼っておく。
補償対象となるシステム | 補償期間 [年] | |||
産業用 | 住宅用 | 出力の上限 | ||
パナソニック | ○ | ○ | 50kW未満 | 10 |
ソーラーフロンティア | ○ | ○ | 50kW未満 | 10 |
エクソル | ○ | ○ | 2MW未満 | 10/15/20 |
エコスタイル | ○ | ? | 要確認 | 20 |
ソーラーパートナーズ | ○ | 10kW未満 | 10 |
筆者の推測が見事に外れた形となっているのが、ソーラーフロンティアだ。ソラフロは親会社の昭和シェル石油が出光興産との経営統合を行うことが決まったため、出力制御に対する補償などはしている場合じゃないだろうと読んだが、これは完全に筆者の思慮不足だったようだ(汗)。
パナソニックに追随し出力制御の損失補償サービスを行う可能性があると推測した京セラと三菱電機は、現時点ではいずれにもそういった動きはない模様だ。今後、そういった発表があれば、また改めてお伝えしたい。
大手メーカー以外では、エクソル、ソーラーパートナーズ、エコスタイルの3社が出力制御による損失の補償サービスを提供中である。なお、この種の補償サービスを最初に打ち出したのは、ソーラーパートナーズだと同社のホームページには記述があった。
一覧表を作成してみると良く分かるのだが、これら5社の中で最も広範囲な補償サービスを打ち出しているのはエクソルだ。住宅用と産業用のいずれも対象とし、3kW程度の個人の住宅の屋根上設置の太陽光発電システムからメガソーラー(2MW未満)までカバーする。
範囲が広くサービスが充実している分、いろいろと条件や制約、免責時間などは設定されているが、この補償サービスは大手メーカーをも凌駕していると言えそうだ。
出力制御による損失補償の草分けとも言えるソーラーパートナーズは10kW未満と住宅のみ、また大手の2社も基本的には住宅用を対象としている(補償期間が10年までという設定より)。
残り一社、「エコの輪」で知られるエコスタイルは産業用が主な対象と思われるが、補償の対象や条件、制限などについては、各支店の営業担当者に問い合わせてくれとリリース文には書いてあるのみで、他社のような明確な条件が記載されていない。
「出力制御による損失補償サービスまとめ」のまとめ
50kW未満の低圧連系太陽光発電という点では、ソーラーパートナーズ以外の4社で適用できる。したがって、パナソニックやソーラーフロンティアのパネルを今後使う方であれば、最初の10年間だけでも出力制御の損失補償も活用するに越したことは無さそうだ。
カナディアンソーラーやトリナソーラー、インリーソーラーなど中国系のソーラーパネルを採用する低圧の産業用太陽光発電の場合、エコスタイルかエクソルに限定されるが、その場合も使えるようであれば使う方が得策だろう。
なお、筆者の調べ方が足りず今回ご紹介した5社以外にも出力制御による損失の補償を行っているメーカーや事業者があるかもしれない。ご存じ(または当事者)の方は、お手数にて恐縮ながらご一報頂ければ幸いである。
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