岡山の太陽光用地、元々は造成費込みで倍以上…
筆者が岡山県で取得した太陽光発電用の土地物件は、かなりのいわく付きである。
「いわく」という言葉が良いのか分からないが、実は元々の価格は造成費込みで倍以上だったのである。
それを元の地主さんが十数年間も保有し、更地のまま固定資産税だけを毎年払い続け、いずれは活用しようとしていたらしいのだが、お年を召したこともあり、この土地については活用を断念して手放すことを決めたという。
そこで、不動産屋に売却の話を持ちかけていたのだが、その大手ディベロッパー系の不動産屋さんだけではなかなか買い手が付かなかったそうだ。
それが今回、筆者が連絡を取っていた田舎暮らしに強い不動産屋さんにその情報が伝えられ、ちょうどそのタイミングが筆者が岡山に物件を見に行くことにした時だったらしい。
当初、岡山の東部にある和気の周辺と、岡山市や備前市よりもう少し北で、その不動産屋さんの本社がある美作市に行く予定にしていた。
ところが、備前に太陽光発電向きの物件があるという情報がつい最近入ったから、そちらを見に行きますか?という話になり、ではそちらを見せて下さい、ということで美作行きはキャンセルして備前でその物件を見せてもらったのが、8月の下旬。
土地の見取り図と実際の現地を見て、東西に長い形状、電線・電柱との距離、既に造成も終わっている更地、など、少し高い価格(=1万2000円/坪)以外には太陽光発電所向けに絶好の条件を備えている土地だということが筆者にも分かったので、価格だけは少々目をつぶって取得を決断した訳だ。
固定資産税が年に7万円程と聞いていたのだが、それは元々の物件価格によるものだったのである。
用地の取得コストで収益性に差が出る
少々高くついたにも関わらず、太陽光発電のために筆者がこの土地物件を取得したことについては決断としては間違いではなかったと現在も考えている。
それでも太陽光発電の施工業者に見積もりを依頼してみて、利回りやペイバック期間を自身で計算してみると、なぜ太陽王子を始めとして筆者の先輩達が太陽光発電用の土地物件取得コストを極力下げることを力説しているかが良く分かった。
以下の表は、筆者が見積りを取った5種類の施工プランとその収益性、ペイバック期間(PBT、土地を含まない場合および土地を含む場合)である。
なお、QCELLSとEGingの発電量に関しては、簡単のためにソーラーパネル一枚当たりの出力が同じ独Luxorの数値をそのまま使用している。実際には多少の増減があると思われるので、結果の数値が多少異なると思うがここではその違いについては無視する。
要するに、太陽光発電用地の取得にコストが掛かる分だけ、土地込みで考慮した場合の利回りやペイバック期間の収益性が下がるのである。
これは当然のことではあるのだが、やはり自身で土地を手に入れたり、施工業者とやり取りしたりして見積額を聞いてみないと実感が湧かないと思う。筆者の場合はそうだった。
50kWの場合に実際に表計算で土地コストを算入してみると、ペイバック期間にして1年半以上も余計にかかってしまう。50kW+αとして発電量を増やせば、1年半程度までペイバック期間や収益性を改善することは可能。
ただし、当然ながらパネル枚数が増える分だけ初期投資費用が増えるので、その分ファイナンスや資金の工面が大変になる。
また、この表では考慮に入れていない固定資産税やフェンスの設置費用を算入すると、さらに収益性が低下してしまう。
ここまで考えると、いかに土地コストをシビアに見なければならないかが良く分かる訳である。
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