再エネ特別措置法が改正、現行のFITは来年3月末まで
再生可能エネルギー特別措置法、つまり現行の固定価格買取制度(FIT)が25日に改正された。
既に様々なニュースやブログで報じられているので、ご存じの方が大半かと思うが、改めて太陽光発電に関して思う所、今後の見通しなどをざっくばらんに整理しておきたい。
今回の制度改正によって、現在経産省が目の敵にしている、いわゆる「滞留案件」が一掃され、来年度からは完全に新しいFIT制度となる。
新しいFITの詳細については、まだ良く分かっていない、というか、恐らく詳細までは決まっておらず、今後詰めるということなのだろう。
ただ、発電設備自体の認定から事業への認定となったり、買取価格の算定などもまた変わるようなので、どちらかと言えばこれまでより敷居がさらに高くなってしまうことが懸念される。
太陽光発電はこれまで比較的低リスクで手軽に始められるというのがウリだったのだが、来年度からは他の再エネ発電事業のように参入が相当に難しくなるのかもしれない。
現行FITの設備認定権利が「バナナの叩き売り」状態に!?
いずれにしろ、筆者自身の案件もだが、設備認定は完了していながらも連系契約までまだ行っていないものについては、各電力会社と連系契約の手続きを大至急進めなければならない。
これから産業用太陽光をやってみたいと言う人にとっては、残された時間はあと10ヶ月しかないので、やはり急がなければならない。
だが、日経BPの記事(下記リンク参照)が指摘しているように、権利の転売でお金儲けをしてきたブローカーが売り急ぐことになるので、売電権利が値崩れする可能性も確かにある。
太陽光の設備認定権利が、いわば「バナナの叩き売り」状態になるというワケだ。
そういう意味では、時間は限られてはいるものの産業用太陽光の最後にして最大のチャンスが今年中にやって来るのかもしれない。
ブローカーによっては、未だに40円とか36円の設備認定の権利を持っている所もあるかもしれないので、内容や条件、価格によっては魅力的な投資案件の掘り出し物も出てくる可能性がある。
ただし、欠陥工事の土地付き太陽光案件や原野商法のような案件を早く処分したいといった、いかがわしい業者がいる可能性も無いとはいえないので、くれぐれもご注意を。
国内の太陽光市場はやはり住宅用中心に回帰か…
翻って、太陽光発電の普及ということを考えると、今後はFIT以前の日本市場のように住宅用が中心の市場に回帰していくのかもしれない。
比較的容易かつ楽に取り組めた低圧の産業用太陽光は美味しくなくなったとしても、オフグリッドとかゼロエネ住宅、HEMS/BEMSとかエネルギー関連IoTみたいな分野に機会がシフトしていくのではという気がする。
そうなると、やはりビジネスモデルとかIT技術ということになってくるので、やはり知恵や技術力が必要となってしまうだろうが、低圧の太陽光発電所をいくつか立ち上げた後に出来る範囲で手掛けてみるのも悪くないかもしれない。
あるいは、日本の中だけではなく、国境の外にも目を向けてみるか。
太陽光だけでなく風力や地熱といった再エネを本気で普及させる気がこの国にどれだけあるのか、未だに確信を持てない。
一方、日本よりも真剣に再エネの普及に取り組みたいという国、海外の起業家や事業者からの再エネ事業への参入にも好意的な国もあるように思う。本当に出来るかどうかは分からないが、そういった可能性を探索してみたい気もする。
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